知らないと危険!不動産収入にかかる税金の計算方法

家賃収入などで不動産所得を得る場合、その所得にも税金がかかってきます。税金は会社側が天引きしてくれる給与所得とは異なり、自分で確定申告を行う必要があります。申告を行わなければ税金の未払いになってしまうので、不動産所得がある場合は必ず確定申告書を提出しましょう。

知らないと危険!不動産収入にかかる税金の計算方法

給与以外で課税される所得の範囲

所得とは、収入から必要経費を差し引いた金額のことを指します。所得税はこの所得の金額で決まってくるものなので、まずは自分が手にしている所得がどれだけあるのかを把握しておくことが大事です。会社に勤めている人にとっては必要経費という言葉にあまりなじみがないかもしれませんが、源泉徴収票を確認してみると「給与所得控除」という形で差し引かれています。「給与収入」から「給与所得控除」を差し引いた金額が「給与所得」となります。

この給与所得から、さらに各種控除を差し引いた金額が「課税所得」となり、この金額にかかってくる税金が「所得税」です。所得税は累進課税といって、課税所得が多いほど多く課税されます。そのため、医療費や家族の扶養などで負担が大きい人は所得控除という形で課税所得を低くし、課せられる税金を抑えることができます。

給与以外で収入がある人でその所得が20万円を超えている場合は、そちらにも所得税が課せられ、確定申告を行う必要があります。現在、日本では所得の区分は給与所得を含め10区分に分けられています。所得の10区分は下記の通りです。

・利子所得
・配当所得
・不動産所得
・事業所得
・給与所得
・退職所得
・山林所得
・譲渡所得
・一時所得
・雑所得

つまり、家賃収入などで得た不動産所得も課税の対象になり、確定申告が必要です。不動産収入と必要経費をどれだけ支払っているのかはしっかりと意識しておきましょう。

不動産の所得税はいくら?

不動産所得は、不動産収入から必要経費をマイナスした額となります。不動産収入とは家賃の賃料の他に、礼金、更新料、管理費、駐車場代、自販機収入などがあります。また、必要経費は主に修繕費、管理委託費、ローンの金利、減価償却費、広告費、不動産取得税、固定資産税などが挙げられます。

不動産収入がある場合の所得税を求めるにあたって、まずこれらの計算を行って正しい不動産所得を知る必要があります。煩雑な作業となりますが、しっかり収入と経費を把握しておくことが大事です。また、サラリーマンとして勤めている場合は源泉徴収票も必要となってくるため、必ず確認できるようにしておきましょう。

不動産所得と所得税の計算方法

不動産所得は「総合課税」として計算されます。総合課税とは、その他の所得と合算した金額が課税されるという仕組みです。サラリーマンとして勤めているうえで不動産所得があった場合、給与所得と合算するということになります。合算したうえで各種控除を引いた課税所得を求めたら、さらにそこに金額ごとに定められた税率と控除額を計算したうえで、所得税を求めることができます。金額ごとに定められた税率と控除額に関しては、下記の表の通りです。

所得税の早見表

課税される所得金額税率控除額   
195万円以下5%0円
195万円超
330万円以下
10%9万7,500円
330万円超
695万円以下
20%42万7,500円
695万円超
900万円以下
23%63万6,000円
900万円超
1,800万円以下
33%153万6,000円
1,800万円超
4,000万円以下
40%279万6,000円
4,000万円超45%479万6,000円

【参照】国税庁「所得税の税率」  詳しくはこちら

それでは、具体例を挙げて所得の計算方法を見ていきましょう。不動産収入が200万円で必要経費が100万円、給与所得が400万円、各種控除の合計額が300万円だった場合、計算は次のようになります。

■所得の計算方法

・不動産所得
200万円(不動産収入)−100万円(必要経費)=100万円

・給与所得と合算した課税所得
400万円(給与所得)+100万円(不動産所得)−300万円(各種控除)=200万円

・不動産の所得税
200万円(課税所得)×10%(表参照)−9万7,500円=10万2,500円

不動産の所得税の申告方法

不動産所得をはじめ、給与以外の各種所得が20万円以上の場合は、確定申告を行う必要があります。確定申告は例年2月半ばから3月半ばまで行われており、会場で記入して提出するか、郵送やオンラインで提出する方法もあります。用紙は会場で配布されるほか、オンライン上でダウンロードすることも可能です。会社員の場合は、給与所得と合算する必要があるため源泉徴収票も用意しておきましょう。

確定申告には青色申告と白色申告があります。青色申告の場合は控除が得られるかわりに、帳簿や決算書をきちんと残さなければなりません。不動産収入の規模によってどちらがいいかは変わってくるので、不安があれば税務署に一度相談することをおすすめします。

支払わないとどうなる?

会社から支払われる給与は、あらかじめ税金が天引きされた状態で渡されます。これと同じで、給与以外で収入を得た場合はその金額と必要経費を正確に提出し、そのぶんの税金を支払う義務があります。それではもし、申告を怠ってしまった場合はどうなるのでしょうか。

15%以上の加算税を支払うことになる

まず、3月半ばの期限を過ぎても申告を行わなかった場合、無申告加算税といういわゆる罰金を支払うことになる可能性があります。これは納税額が50万円以下の場合は納税額の15%、50万円以上の場合は納税額の20%分のペナルティが課せられるというものです。ただ、税務署の調査が入る前に自ら申告に行った場合は5%となります。期限後に申告に行った場合は、この納税の締め切りを過ぎると日ごとに延滞税が課せられます。期限後申告を行ったのなら、すみやかに納税しましょう。

この無申告加算税が課せられないケースとしては、「期日までに申告できなかったことに正当な理由がある場合」「過去5年間に無申告加算税や重加算税を課されたことがない場合」「期限後の申告となったが期日までに納税を済ませた場合」が挙げられます。もし期日を過ぎてしまった場合でも、まずは放置せずしっかりと税務署に申告、相談に行きましょう。

また、虚偽の申告を行うことは犯罪行為です。無申告加算税や延滞税に加え、納税額の30%~40%にも及ぶ重加算税という重いペナルティも課せられます。払えない場合は差し押さえの処分を受けたり、あまりに悪質な場合は刑事罰に該当したりすることもあります。

理由があり支払えない場合の対策

どうしても確定申告の期日までに支払えない場合は、「延納制度」を利用しましょう。延納とはいわゆる分割払いで、期日までに半分の金額を払って届け出を出すことで、残りの半分は後日支払うという形にできる制度です。

また、支払いを待ってもらう「猶予制度」もあります。猶予期間は基本的に1年間で、病気や怪我、災害、損失などで支払いが不可能であると認められる場合に利用できる制度です。

いずれの制度を活用するにも、まずは税務署に「今は支払えないが支払う意志はある」としっかり伝えることが大事です。もし制度を利用する場合は、必ず税務署に前もって相談しておきましょう。

まとめ

家賃収入を得た場合、支払わなければならない税金が発生するということは必ず覚えておきましょう。申告に必要な不動産所得を計算するには、収入と経費を正しく記録する必要があります。煩雑な作業となりますが、申告漏れを防ぐためにもしっかり把握していきましょう。

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