定年直前では遅すぎる!老後の仕事の探し方やおすすめの仕事を紹介

人生100年時代といわれる昨今、「定年後も働き続けたい」と願う人が増えています。とはいえ、体力低下や家庭環境の変化も起こりやすいシニア期に、若い頃のように働くのは難しいのも事実。「無理のない範囲で、自分らしく働きたい」という方が多いのではないでしょうか。そこで今回は、定年後におすすめの仕事や探し方を解説します。

定年直前では遅すぎる!老後の仕事の探し方やおすすめの仕事を紹介

定年後、働き続ける人はどのくらいいる?

定年後、働き続ける人はどのくらいいる?

まずは、定年後の就労意識について見ておきましょう。定年後にも働き続けたいと願う人はどのくらいいるのでしょうか?
内閣府が2017年に就労中の60歳以上の男女を対象に行った「高齢者の日常生活に関する意識調査」で、「あなたは何歳まで収入を伴う仕事をしたいですか?」と尋ねたところ、「働けるうちはいつまでも」と回答した人が全体の約42%と最も多く、次いで「70歳くらいまで」が21.9%、「65歳くらいまで」が13.5%という結果に。「定年後はのんびり隠居生活をしたい」という従来のライフプランを抱く人はすでに少数派となりつつあるようです。

実際、2016年の労働力人口(6,673万人)のうち、65~69歳の人は450万人、70歳以上の人は336万人であり、労働力人口総数に占める65歳以上の者の割合は11.8%と、過去最高を記録しました。

ただし、定年後も定年前と同じ雇用形態で働き続けている人は少なく、同じく内閣府の調査によると、男性就労者のうち非正規職員・従業員として働いている人の割合は55歳~59歳は12.2%であるのに対し、60歳~64歳では52.3%が、65歳~69歳の70.5%と急増。60歳の定年を機に正規から非正規へと雇用形態を変えて働き続けている人が多いことがわかりました。この理由としては、65歳以上の人を正規職員・従業員として雇用する企業が多くないこと、もしくは「定年後は現役世代のようにハードに働きたくない」等の理由であえて非正規での就労を望む人が多いことが考えられます。

【参考】「内閣府 平成29年版高齢社会白書(全体版)4.高齢者の就業」 詳しくはこちら

定年後の仕事、どうやって探す?

定年後の仕事、どうやって探す?

では、定年後も自分らしく働き続けるためには、どうやって仕事を探せばいいのでしょうか?定年後の仕事の探し方には大きく分けて、①再雇用制度を利用する、②求人サイトで探す、③知人に紹介してもらう、の3つが考えられます。3つともにメリット・デメリットがあるので、自分が定年後にどのような働き方をしたいのかをよく考えた上で、仕事探しをするようにしましょう。

①定年後再雇用制度を利用する

定年後も同じ会社で引き続き働きたい場合は、再雇用制度を利用しましょう。平成25年に高年齢者雇用安定法が改正され、60歳で定年になっても、労働者本人が希望すれば65歳に達するまで再雇用することが企業に義務付けられたため、60歳が定年に設定されている企業でも原則として65歳まで働き続けることができるようになりました。再雇用で働き続けることを希望する場合は定年前にその旨を企業側に伝え、定年後にいったん契約上退職した上で、再度雇用契約を結ぶことになります。

定年後も慣れ親しんだ会社で働き続けることができるメリットはありますが、必ずしも定年前と同じ条件・同じ環境で働けるとは限らず、年収が下がってしまったり、勤務時間や勤務地が変わってしまったりするケースも珍しくありません。不本意な事態に陥らないために、定年前に企業側の担当者としっかり話し合い、納得した上で再雇用契約を結ぶようにしましょう。

②求人サイトで探す

定年後は心機一転、別の職場で働いてみたい!という人には、求人サイトでの職探しがおすすめ。最近は中高年対象の求人に特化したサイトも複数あるので、ぜひ一度チェックしておきましょう。一定期間、サイトを見続けているうちに、中高年向けの求人が多い職種や、各職種の給与の相場といった「傾向」がつかめるようになってくるはずです。興味のある職種が見つかったら、その職種に有利な資格を取得する、自分なりに関連分野の勉強や情報収集をしておく、などの準備を始めておくとよいでしょう。定年前から求人サイトに希望条件などを登録しておき、条件に合う求人が出た際に「お知らせ」を受け取ることができるようにしておくと効率的です。

求人サイトには勤務地や勤務時間、給与や福利厚生など事前に知っておきたい勤務条件が細かく記載されているので、比較検討がしやすく、自分の条件に合った仕事を見つけやすいというメリットがあります。しかし、その一方で、その職場の雰囲気や評判はわかりにくいのも事実です。できれば会社見学をさせてもらうなどして、会社の様子を知る機会を持つようにしましょう。

③知人に紹介してもらう

③知人に紹介してもらう

現役時代の仕事仲間や取引先に紹介された職場に、定年後就職するケースも珍しくありません。この場合は、現役時代の仕事ぶりを評価された上で紹介を受けるため、再就職先でも現役時代に培った能力や経験、人脈を活かせる仕事が担当できるケースが多く、「新しい職場で働いてみたいけど、未経験の分野にゼロから挑戦するのはちょっと……」という人には、最適な方法です。紹介者がいるので、新しい職場の雰囲気や社風などについて質問しやすく、事前にある程度の情報を持った上で働き始めることができるメリットもあります。一方で、中には紹介者に義理立てしてしまい、不本意なまま働き続けてしまうケースも……。限りある老後の時間をストレスなく過ごすためにも、率直な意志の疎通を心がけましょう。

なお、自分で口にしない限り、定年後も働く意志があることは周囲の人に伝わりにくいものです。現役時代から、周囲に「定年後も働き続けたい」「自分に適したポジションがあれば声をかけてほしい」と伝え、ポジションに空きが出たらすぐに候補として思い浮かべてもらえるようにしておくことが大切です。

シニアに人気の仕事は?

シニアに人気の仕事は?

では、実際に定年を迎えたシニアは、どんな仕事を選んでいるのでしょうか?中高年向けの大手求人サイト「マイナビミドルシニア」によると、シニアに人気の仕事のベスト5は以下の通り。

【男性】
第1位 オフィスワーク
第2位 軽作業・製造・清掃
第3位 警備
第4位 営業
第5位 販売・接客・サービス


【女性】
第1位 オフィスワーク
第2位 販売・接客・サービス
第3位 軽作業・製造・清掃
第4位 医療・介護・福祉
第5位 教育


男女ともに一番人気はオフィスワークですが、接客・営業など人と交流する仕事や、清掃・警備など体力を使う仕事の人気が高いこともわかります。

しかし、ランキング上位の仕事が、必ずしも定年後の仕事として最適とは限りません。
たとえば、ランキング1位のオフィスワークの職につけるとしても、その勤務地が片道電車で1時間かかる場所にあるとしたらどうでしょうか? また、勤務時間が長く、週に5日勤務が必須だとしたらどうでしょうか? もしくは、オフィスワークの中でも現役時代にまったく経験のない分野の仕事を任されてしまったら、どうでしょうか?
もし、そんな職場を選んでしまったら、人気のオフィスワークができる職に付いたとしても、ストレスフルな毎日を送る羽目になってしまいかねません。

そんな失敗を防ぐには、どうすればいいのでしょうか?

定年後の仕事選び、成功の秘訣は?

定年後の仕事選び、成功の秘訣は?

定年後の仕事選びで失敗しないためには、いくつかポイントがあります。特に再雇用や知人からの紹介ではなく、求人サイト等を介して自力で再就職先を探す場合は、この3点に注意して仕事を選ぶ必要があります。

① 「譲れない条件」を決める

定年後、不本意な就職をしてしまわないために実践したいのは、自分の「譲れない条件」を決め、その条件に合う仕事の中から、自分の適性に合う仕事を選ぶこと。

たとえば体力にあまり自信がない人や通勤に時間をかけたくない人は「通勤時間が30分以内の職場」や「週2回勤務の職場」という条件に合う職場をピックアップし、その中からやってみたい仕事を探すのです。そうすれば、ストレスを感じずに無理なく働ける仕事に巡り会える可能性が高くなります。

② 目標を再設定すること

ふたつめのポイントは「何のために働くのか」を改めて考え直し、定年前の仕事の目標をリセットすることです。たとえば、子供の教育費や住宅ローンの返済などで何かと支出が多かった現役時代に比べ、定年後は支出が抑えられるケースが多いので、これまで「高収入」を第1目標としてきた人は、その目標を考え直してもよいかもしれません。

もちろん、給与が高いのに越したことはありませんが、給与が高い職は、その分、高パフォーマンスを要求されたりノルマを課されたりする可能性が高いからです。定年後は年齢的にどうしても体力が衰えがちで無理が効かなくなりますし、親や配偶者の介護など家庭環境にも変化が生じやすく、現役時代のように仕事を最優先させることが難しくなります。

高給を追求するよりも、柔軟な働き方ができる仕事、ストレスなく働ける仕事を選んだほうが、本当の意味で「豊かな生活」を楽しむことができるのではないでしょうか。定年後には、「社会との繋がりを持つ」「趣味や特技を活かす」「仕事を通じて社会に貢献する」など、定年後のライフステージにふさわしい目標を設定することをおすすめします。

③ 年金との兼ね合いを確認しておく

③ 年金との兼ね合いを確認しておく

年金を受給しながら働く場合には、在職老齢年金制度について知っておくことが必要です。在職老齢年金制度は、60歳以上の人が厚生年金保険に加入しながら老齢厚生年金を受け取る場合、年金の一部または全額が支給停止になる制度です。支給停止の条件は、年齢や収入によって異なります。

支給停止額を求める計算式は日本年金機構のホームページ等で確認できますが、年金を含む収入が以下の合計額を超える場合は、老齢厚生年金が支給停止となる可能性、つまり働いて収入を得たために受け取れるはずの年金が少なくなる、もしくは受け取れなくなる可能性があることだけは、しっかり頭にいれておきましょう。

■定年後に年金が受け取れなくなる条件
<60歳~65歳未満>
年金の基本月額(※1)と総報酬月額(※2)の合計が28万円を超える場合

<65歳以上>
年金の基本月額(※1)と総報酬月額(※2)の合計が47万円を超える場合

※1 年金額(年額)を12で割った額
※2 毎月の賃金(標準報酬月額)+1年間の賞与(標準賞与額)を12で割った額


【参考】日本年金機構 詳しくはこちら

④ 早めに準備を始める

そして、定年後の就職を成功させるために最も重要なのが、早めに準備を始めることです。定年後にゼロからスタートするのではなく、現役時代から資格を取得するなどしてスキルを磨き、人脈を広げる、もしくは求人サイトに登録して情報収集するなどして準備しておくと、定年後にブランクを開けず、スムーズに再就職がしやすくなります。たとえ現役時代と同じ会社での再雇用を考えている場合でも、事前に就労条件や待遇について現役時代からリサーチし、他社に就職した場合とのメリット・デメリットを比較検討しておくとよいでしょう。

まとめ

ロンドン・ビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏は、ベストセラーとなった著書「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」の中で、「教育・仕事・引退の3つのステージで人生を区切る時代は終わった」と指摘し、「人生100年時代により豊かにより充実した人生を送るには、生涯を通じて学び、働き続ける『マルチステージの人生』を目指さねばならない」と訴えています。長い老後を経済的にはもちろん、精神的にも豊かに過ごすために、働き続けようという人は今後ますます増えていくはずです。定年後にどんな働き方がしたいのか、現役時代からじっくり時間をかけて考え、準備しておくことをおすすめします。

ご留意事項
  • 本稿に掲載の情報は、ライフプランや資産形成等に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の取得・勧誘を目的としたものではありません。
  • 本稿に掲載の情報は、執筆者の個人的見解であり、三菱UFJ信託銀行の見解を示すものではありません。
  • 本稿に掲載の情報は執筆時点のものです。また、本稿は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性について執筆者及び三菱UFJ信託銀行が保証するものではありません。
  • 本稿に掲載の情報を利用したことにより発生するいかなる費用または損害等について、三菱UFJ信託銀行は一切責任を負いません。
  • 本稿に掲載の情報に関するご質問には執筆者及び三菱UFJ信託銀行はお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

RANKING

この記事もおすすめ