通夜・葬儀の基礎知識〜香典の金額相場やマナーなど〜

初めて通夜や葬儀に出席する方の中には、香典の相場やマナーがわからずお困りの方も多いのではないでしょうか。実は香典の相場は、故人との血縁や付き合いの深さで決まります。そこで、この記事では香典についての基礎知識をご紹介します。

通夜・葬儀の基礎知識〜香典の金額相場やマナーなど〜

香典の意味

まずは、「香典」がどういうものか、そしてどんな意味を持つのかということから確認していきましょう。

香典とは、現金を不祝儀用の水引を結んだ袋(香典袋)に包んだものです。霊前に供えるお香やお花の代わりという意味合いがあり、日本に古くからある習慣で、昔は香奠(こうでん)と書いていました。「香」の字が用いられるのは、香・線香の代わりに供えるという意味であり、「典=奠(てん・でん)」とは霊前に供えるお供え物を意味しています。また、遺族の急な不幸への弔慰金という意味も持っています。

通夜や葬儀に現金を包んだ香典を持参するスタイルは、戦後に確立されたといわれています。かつて、日本では葬儀に多くの費用がかかるため、遺族の代わりに近所の住民が食べ物や飲み物を振る舞っていました。この「相互扶助」の考えが、戦後からは現金を渡すという形に変わったといわれています。

関係や年齢によって変わる香典の相場とマナー

では、香典にはどれくらいのお金を包めばよいのでしょうか? ここでは、香典の相場やマナーをご紹介します。

香典でタブーの金額

まず金額相場の前に注意しておきたいのが、2万円、4万円などの偶数の金額を包むのはNGとされていることです。偶数は割り切れる数です。「割り切れる」ということから、「故人とのつながりを切る」という連想をさせてしまいます。そのため、偶数の金額を香典に包むのはタブーとなっているのです。基本的には、1・3・5など奇数の金額になるようにお金を用意しましょう。

また、香典では枚数ではなく金額を重視するため、2万円を1万円と5,000円札2枚の合計3枚で用意してお札の枚数を奇数にしたとしても、マナー違反とされることが多いようです。偶数だけでなく「4」と「9」が付く金額も避けたほうがよいでしょう。4と9は忌み数であり、縁起が悪いと捉えられているからです。

親族の場合

親族に渡す場合の相場を「一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会 第5回香典に関するアンケート調査」を元にまとめました。

【年齢別】親族に渡す香典相場(円)

故人との関係20代~30代40代以上
両親5万10万〜
兄弟姉妹1~3万5万
祖父母1万40代以上
それ以外の両親5,000~1万1~3万

※最多回答を参照

【参考】一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会「第5回香典に関するアンケート調査(平成28(2016)年度)」詳しくはこちら

上記の表からわかるとおり、故人が親族であった場合の一般的な相場としては、自身の両親であった場合は5~10万円程度、親戚であれば1~3万円程度です。血縁関係が近い人物程高額になる傾向があります。また香典を持参する人の年齢によっても相場は変わり、50~60代は多めの金額を包むことが多いようです。

職場関係者の場合

続いて職場関係者に渡す場合の相場を確認してみましょう。こちらでも先ほどと同じ資料を参考に、金額相場を表にまとめました。

【年齢別】職場関係者に渡す香典相場(円)

故人との関係20代~30代40代以上
職場関係者5,0001万〜
職場関係者の家族3,000~ 5,0005,000
取引先5,0001万

※最多回答を参照

【参考】一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会「第5回香典に関するアンケート調査(平成28(2016)年度)」詳しくはこちら

一般に、上司・同僚・部下など、関係性による差はなく職場関係の方には5,000円を包むことが多いようです。職場関係者の家族や取引先の場合も、同様に5,000円を包めばよいでしょう。

友人、その他の場合

友人やその他知人に渡す場合の相場は、以下の表の通りです。

【年齢別】友人その他に渡す香典相場(円)

故人との関係20代~30代40代以上
友人やその家族5,0005,000〜
近所3,000~ 5,0005,000
その他5,0005,000~

※最多回答を参照

【参考】一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会「第5回香典に関するアンケート調査(平成28(2016)年度)」詳しくはこちら

友人の場合、香典の額は年齢や関わりの深さで相場が変わります。最低3,000円、最高1万円と考えておくとよいでしょう。たとえ親友と呼べるような親しい間柄や長年のつき合いのある親密な友人だとしても、1万円以上は遺族の負担になるため避けた方が無難です。逆に最低金額とされる3,000円が許されるのは20代までが一般的で、5,000円が相場とされています。また、30代や40代では5,000円~1万円、50代以上は1万円以上包むことが多くなっています。

不祝儀袋のマナー

続いて、香典に用いる不祝儀袋の選び方や書き方などのマナーについて解説します。

不祝儀袋の選び方

金額不祝儀袋
5,000円以下水引がプリントのもの
1~2万円黒白の水引がついたもの
3~5万円和紙に銀の水引がついたもの
10万円さらにひだ折りなどの装飾がついたもの

また、イラストにも注意が必要です。葬儀が仏式なら蓮の花、キリスト教なら十字架やユリの花が描かれたものにするとよいでしょう。

水引は不幸が二度と起きないようにという意味合いを込めて、「結び切り」のものを使用します。また、生ものを表す「のし」は必要ありません。

不祝儀袋の書き方

書き方も確認しておきましょう。まず表側の水引の上に表書き、下に氏名を書きます。続いて中袋の裏側に金額と住所、氏名を書きましょう。中袋がない場合は、裏側に記入します。

◯表書きについて
表書きは宗派によってふさわしいものとそうでないものがあります。以下の一覧表を確認してください。

宗派とそれにふさわしい表書きの一例

宗派表書き一例
仏教「御霊前」「御香料」「御香典」「御悔」
浄土真宗
禅宗
「御仏前」
キリスト教
(カトリック)
「お花料」「御花料」「御ミサ料」「御霊前」
キリスト教
(プロテスタント)
「お花料」「御花料」「献花料」「忌慰料」
神式「神饌料」「玉串料」「御玉串料」「御榊料」「御饌料」「御神前」「御霊前」

浄土真宗の場合、表書きは「御仏前」や「御供」を使うのが一般的であり「御霊前」は使われません。浄土真宗では他の宗派と異なり、亡くなった方はすぐに仏様のお力によって極楽浄土で成仏すると考えられるためです。また、禅宗では「御仏前」を使用します。キリスト教では、カトリックの場合「御霊前」が利用でき、プロテスタントでは利用できません。

◯金額について
金額には、一般的な漢数字でも問題ないとされていますが、基本的には「壱」「参」「伍」などの旧字体を使用するのがおすすめです。これは、一、二、三などの漢数字だと線を足すだけで修正できてしまうためだといわれています。「金壱萬円也」といったように記載をしましょう。

また、表書きの記入は黒色のボールペンではなく薄墨(うすずみ)の筆ペンやサインペンがふさわしいとされています。これは、薄墨が故人への悲しみを表すとされているからです。中袋には黒色のペンを使用しても問題ないとされています。

香典の包み方と入れ方

香典は、礼節を重んじていますという心遣いの表れと、のし袋の水引がくずれたり汚れたりするのを防ぐために袱紗(ふくさ)に包んで持参することが一般的です。そして、袱紗の中央からやや右側に不祝儀袋を置き、右→下→上→左の順に包みます。

お金は、新札を避けるのがマナーとされています。これは、「新たに不幸が訪れないように」「亡くなる前に死を予測していた」といった意味合いが含まれてしまうからです。使用済みのお札か、新札にわざと折り目を付けたものを用意しましょう。袋に入れる際には、肖像画が裏を向くようにしてお金を入れるように注意します。

式場での基本マナー

式場での基本マナー

香典を受付で渡す際には、その場で袱紗から取り出し、「この度はご愁傷様です」といったように一言声を掛けて手渡します。受付がない場合は、直接遺族に渡しましょう。

また、通夜と葬儀両方に参加する場合は、通夜で香典を渡します。「不幸が二度重なる」という

まとめ

香典には相場や渡し方など、いろいろな決まりがあります。正しい知識を身につけ、遺族に失礼にならないようマナーに則って香典を渡しましょう。

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