慶弔見舞金の相場はいくら?慶弔見舞金の種類・渡すときのマナー

慶弔見舞金の相場がいくら位かご存知でしょうか?慶弔見舞金にはいくつか種類があり、慶弔見舞金を渡す際には守らなければいけないマナーがあります。そこで今回は、慶弔見舞金に関する知っておきたい知識をご紹介します。

慶弔見舞金の相場はいくら?慶弔見舞金の種類・渡すときのマナー

慶弔見舞金(けいちょうみまいきん)とは

慶弔見舞金(けいちょうみまいきん)とは

慶弔見舞金は、企業の従業員やその家族の祝い事や不幸に対して、企業が支給するお金のことを言います。法的に支給する必要のある制度ではありませんが、税務上では損金扱いとなり、福利厚生として大企業から中小企業まで、ほとんどの会社で導入されています。
慶弔見舞金には、従業員の働く意欲の向上や退職を防ぐためなど、様々な理由があります。慶弔見舞金は就業規則に項目を設けて扱いを明記することが必要です。規定がないと損金とみなされず、節税になりませんので、企業で担当する部署の方は注意が必要です。
一般的には、結婚、出産、死亡などに対して支払います。また、取引先の社長や役員など、社外に対して慶弔見舞金を定めるケースでは、金額や対象範囲などについて一定のルールを作っておくようにします。

慶弔見舞金の種類

慶弔見舞金の種類

では、さっそく慶弔見舞金の種類についてみていきましょう。慶弔見舞金には法的な決まりがないため、各社が独自の判断で決まりを作っていますが、ここでは多くの会社で一般的に採用されている5つの項目について解説します。

結婚祝い金

結婚祝い金は、社員が結婚をした場合に支給する見舞金です。支給のタイミングは、結婚を報告した時、婚姻届を役所に出した時、挙式をした時などさまざまです。本人の結婚だけでなく、その子供の結婚も対象にしている会社もあります。
また、再婚の場合でも対象としている会社も多く、うち約半数が初婚と同じ金額、次いで初婚の半額になるというものが金額の目安になっており、初婚と再婚で扱いが変わることがあります。

出産祝い金

結婚に続く慶事として規定されているのが出産祝い金です。社員自身の出産だけでなく、配偶者が出産した場合でも同額の金額が支払われる会社が多くなっています。多くの場合、2人目以降の出産でも同じ金額が支給されますが、中には支払いの規定が無かったり、あっても金額が少なくなるケースもあります。逆に社会が少子化に進む中で、2人目以降になるほど支給額を増やしていく会社もあり、運用に幅のある見舞金と言えます。
なお、夫婦ともに従業員だった場合、両方に支給するか片方だけに支給するかも、判断が大きく分かれるところです。企業としてどちらにするのか、ルールを決めておく必要があります。

死亡弔慰金(しぼうちょういきん)

死亡弔慰金は、従業員やその家族が亡くなった時に支給されます。会社によっては「香典」と呼んでいることもあります。本人が亡くなった場合は、その遺族が弔慰金を受け取ります。そのため死亡弔慰金は、本人への功労に対する手当に加え、残された家族に対する経済的な支援という性格の強いものとなります。
また、従業員の家族が亡くなった時にも支給されることがあるのが見舞金です。ただしその範囲は会社によって規定が異なります。一般的には、子供、配偶者、実父母などですが、義父母や兄弟、祖父母を含めるケースも見られます。亡くなった方が社員と何親等の関係にあるかによって、支給額が変わってくるのが一般的です。

傷病見舞金

傷病見舞金

従業員が病気や怪我で入院や休業した時に支給される見舞金です。就業時間内に起きた事故などについては労災補償でまかなわれますので、就業時間外で起きた傷病が対象となることが多いですが、就業時間内に起きた場合であっても、労災とは別に見舞金を支給する場合もあります。こうした運用は会社によって柔軟に決められており、状況に関係なく一律の金額を支給する会社もあれば、入院した日数や医師が発行した診断書を元に支給額を決定する会社もあります。また、一時金としての見舞金ではなく、賃金に関連付けた休業補償として扱うケースもあるため、どう対応するか就業規則などに明文化しておくとよいでしょう。

災害見舞金

台風や地震などで従業員の自宅が災害被害を受けた時に支給される見舞金です。あらかじめ一定額が決められていることもありますが、実際に受けた被害の規模などによって個別に決定する会社もあります。また「その家の世帯主が誰なのか」や、「持ち家か賃貸か」によっても、扱いが変わることがあります。
近年は、多発する自然災害を受け、災害が「激甚災害」に指定された場合は義援金を追加したり、地震や水害など個々の災害に合わせて給付を新設したりするケースも見られます。

慶弔見舞金の相場

慶弔見舞金の相場

従業員に対して慶弔見舞金をいくら支給するかは、企業が自己判断で設定できます。ただし金額が大きすぎると福利厚生ではなく給与とみなされ、課税対象になってしまうことがあります。ここでは、見舞金のタイプごとに世間の相場を見ていきましょう。

・結婚祝い金
本人が初婚の場合、概ね3万円程度が相場です。再婚の場合は同じか半額程度、つまり1〜3万円程度が目安になります。

・出産祝い金
第1子の場合、結婚祝い金と同じく1〜3万円程度が目安です。第2子以降は、同額、減額、増額、規定無しなど、会社によって対応が分かれます。

・死亡弔慰金(本人)
従業員本人が死亡した場合、勤続年数や役職などによって違いがありますが、概ね5〜10万円程度です。後は会社の判断で増額を検討すれば良いでしょう。取引先の場合は3~5万円程度が目安です。

・死亡弔慰金(家族)
家族との関係によって異なります。配偶者で5万円、子供や父母で1〜3万円程度が相場です。取引先の場合は1〜3万円程度が目安です。

・傷病見舞金
休業期間などにもよりますが、業務上のものであれば3万円、業務外の場合は1万円が目安です。

・災害見舞金
被災状況によって扱いが変わります。家屋の全損失などでは10~15万円程度、半損失で5~10万程度、一部損失で2~5万円程度です。取引先の場合は3~5万円程度が目安です。

慶弔見舞金を渡すときのマナー

慶弔見舞金を渡すときのマナー

慶弔見舞金を渡すときに守った方が良いマナーがあります。
まず不幸があった場合は、死、無、苦を連想させる4、6、9の付く数字は避けるようにします。また新札を使うと、あらかじめ用意していたという意味になってしまうため、折り目の付いた旧札を使い、表向きに包みます。
のし袋の表書きは、「お祝い」や「御見舞」など、用途にあったものを使います。その下の右側に社名を記載し、左に社長の名前や所属などの名称を書きます。不幸の場合は、のしはなくても構いません。

まとめ

今回は、慶弔見舞金に関するテーマで、その種類や相場、マナーなどを解説いたしました。慶弔見舞金をこれから渡す予定のある方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

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