終活のための断捨離ガイド!生前整理のメリットや進め方・注意点を解説

終活を考えたとき、一番に始めたいことは断捨離(生前整理)です。この記事では、終活における断捨離についてのメリットや進め方、注意点をまとめました。断捨離により日々の生活が一新され、その上、死後に残された家族の負担も減らすことができるので、ぜひ終活の第一歩として検討してみてください。

終活のための断捨離ガイド!生前整理のメリットや進め方・注意点を解説

終活での断捨離とは

終活での断捨離とは

そもそも「断捨離」とは、身の回りにあふれている不要なものを処分したり整理整頓したりして、ものに縛られない快適な生き方を追求することを意味します。
私たちはさまざまなものに囲まれて生きていますが、実際に日常的に使っているものは、ごく限られているのではないでしょうか。その他のものは、どこかにしまわれたまま使っていない、ということがしばしばです。そうした不要なものに気が付くたび、無駄遣いしてしまった自分や、ものを片付けられない自分に少し落ち込んでしまう方もいることでしょう。

終活を意識する世代だからこそ、そのような不要なものを思いきって「断捨離」するのがおすすめです。終活の一環として行う断捨離は、単なる整理整頓を超えて、人生の終わりに向けて気持ちを整え、新鮮な心で残りの人生を歩んでいくきっかけになります。
「必要なものと不要なものを正しく選別すること」、「どこに何があるのか明確にすること」、「大切なものやお気に入りのものだけが手元に残っていること」が終活での断捨離の理想です。体力と気力のあるうちに、ぜひ取り掛かってみることをおすすめします。

終活における断捨離のメリット

終活における断捨離のメリット

終活の一環として断捨離を行うことには、実用的な意味でも精神的な意味でもさまざまなメリットがあります。また、自分のためだけでなく、残された家族にとっても利点のあることです。以下では、終活における断捨離の主なメリットを解説します。

ものが減り掃除がスムーズ

断捨離をすることは、掃除という日常的な家事を楽にすることにつながります。ものが増えると、居住スペースが圧迫され、掃除機をかける際にものをどける手間が増えて面倒に感じます。断捨離をすれば、居住スペースを広々と使えるようになり、これまで掃除のたびに感じていた精神的なストレスも減り、より快適に家事をこなせるようになるでしょう。

災害時などにケガのリスクが減る

断捨離でものを減らすことは、災害時にケガなどをするリスクを減らすことにもつながります。重たいタンスや、不要な食器がたっぷり詰まった食器棚は、地震などの災害時に脅威となります。もしもタンスが倒れてきたり、頭上から食器が降りかかってきたりしたら非常に危険です。たとえ直接ケガをしなくても、多くのものが散乱すれば避難の妨げになってしまいます。

また、日常生活の中でも床にものが散らかっていたり、家具が多くて生活の動線が十分に確保されていないと、何かの拍子につまずいたりぶつかったりして転んでしまう恐れもあります。ものを減らし、それに応じて収納家具のサイズも変更すれば、家の中を快適に動けるようになるでしょう。

ものを管理する手間がかからない

ものを管理する手間がかからない

断捨離によって、ものを管理するのが簡単になります。
ものが多いと、どこに何があるのか把握するのが難しくなります。置いた場所を忘れてしまい、同じものをまた買ってしまったことのある方は多いのではないでしょうか。こうしたもどかしい事態を避けるには、まずは不要なものを減らすのが先決です。不要なものが減ると、引き出しを開けた瞬間に何が入っているかも分かりやすくなります。必要なものをすぐに取り出せる生活は便利で快適です。

断捨離をすれば、管理にかかる労力やコストも減らせます。例えば洋服が多いと、クリーニング代や防虫剤などに毎年余分な費用がかかり、衣替えも一苦労です。タンスやクローゼットにきれいに整理整頓しておけば、管理も楽になり、良い状態を保つことができるでしょう。

気分一新で明るく前向きになる

断捨離は、気分を一新して爽やかな気持ちで生活していく活力を生みます。大きな収納家具や、ごちゃごちゃしたものに囲まれた生活は、どこか気分に影を落としてしまいますが、断捨離を行えば、部屋も気分もすっきりします。断捨離の最中には懐かしい思い出の品を見つけることも多く、そうした思わぬ喜びも気分に華を添えます。

また、大きな収納家具などが減れば、部屋の模様替えもしやすくなり、住み慣れた家でも新鮮な気分で眺められるようになるでしょう。ものが減ったのをきっかけに、バリアフリーなどのリフォームに取り掛かる方も中にはいます。リフォーム中の仮住まいに引っ越す際も、ものが少なければその分だけ引っ越し作業も楽になり、引っ越し費用も安くできます。

家族に迷惑をかけない

終活における断捨離には、自分の死後に家族に迷惑をかけないための「生前整理」という面があります。経験のある方もいるかもしれませんが、遺品整理の際に苦労するポイントとしては、「ものの多さ」が挙げられます。

ものが多ければ、それだけ整理整頓の手間は多くなり、時間的にも体力的にも多くの負担がかかります。特に、実家と離れた土地に住んでいる人からすれば、遺品整理のために何度も実家へ通ったり、泊りがけで作業したりするのは大きな負担です。その点、生前から自分で断捨離をして、すっきりした家で生活していれば、残された家族に余計な負担をかけることはありません。断捨離は、残された家族への思いやりでもあります。

終活の断捨離の進め方

終活の断捨離の進め方

終活の断捨離を行う際は、計画的に作業を進めることが大切です。手当たり次第にあちこちに手を出してしまうと、かえって部屋が乱雑になってしまうかもしれません。そこで以下では、断捨離の効率的な進め方を紹介します。

①今あるものを把握する

最初のステップは、家に今あるものは何か把握することです。現状どのようなものが家にあるのか、ないのか明確になれば、自然と必要なものと不要なものの区別もつきやすくなります。およそ何があるのか把握できたら、ものの分別リストをつくるのがおすすめです。分別の仕方としては、例えば以下のような例が挙げられます。

・日常的に使用しているもの
・あまり使わないけど必要なもの(お気に入りのもの)
・捨ててよいか判断に迷うもの
・捨ててよいもの

こういった基準をつくっておくと、後で実際に整理整頓をする際に作業を進めやすくなります。

②不要なものを捨てる

次のステップでは、不要なものを捨てていきます。特に大型の家具や家電は、ひとつ捨てるだけでも大幅にスペースを確保できるので、不要だと判断したら、自治体の粗大ごみなどの規定を確認した上で、思い切って捨ててしまいましょう。

捨てるべきかどうか迷うものがあったら、「3年使っていなかったら捨てる」というように基準を決めて捨てるのがおすすめです。基本的に数年間使っていないものは今後も使う機会はないと思った方がいいでしょう。家具や家電、ブランド品など、中古で売れそうなものはリサイクルショップなどに買い取ってもらうのもいいかもしれません。

③迷ったものはまとめてしまう

捨てていいか判断に迷ったものは、保留用の収納スペースやボックスを作って、とりあえずそこにまとめてしまっておきましょう。断捨離とはいっても無理に何でも捨てたり、数日ですべて終わらせたりする必要はありません。

捨てるかどうか迷うことに時間を消費するのはもったいないですし、勢いにまかせて捨ててから後悔しすぐに買い直すようではお金の無駄遣いになります。また、ものによっては買い直しがきかないものもあるので、注意が必要です。したがって、どうしても迷った場合は一旦保留にするのも戦略です。

④ものを増やさないようにする

ものを増やさないようにする

断捨離で大事なのは、ものが減った状態、片付いた状態を長期的に維持することです。いくらものを処分しても、その後空いたスペースにどんどんものを買い集めてしまっては意味がありません。意識的にものを増やさないようにしましょう。

例えば、「本は電子書籍で購入する」「服を一着買ったら、着ないものを一着処分する」というように、何かを購入しても家にあるものの数が増えないようにする工夫が大切です。断捨離する際に、自分が今必要としているものはどういうものかを把握できれば、無駄な買いものを防げるようになるでしょう。

⑤1年間思い出さなかったものは捨てる

ステップ③で捨てるかどうか迷って保留したもののうち、1年間一度も思い出さなかったり使わなかったりしたものは捨ててしまいましょう。例えば、ブランド品の服やバッグなどは、もったいない気がしてなかなか捨てにくいかもしれません。それ以外でも、読まなかったけれどまだ綺麗な状態の本や、内容の思い出せないDVDなど、はじめの断捨離で捨てられなかったものがあるでしょう。
しかし、保留スペースに入れた後、1年間も結局取り出さなかったのなら、それらはやはり不要なものです。

思いついた時に捨てるというのでは、タイミングを逃しやすいので、捨てる判断をする期限を事前に決めておくのがおすすめです。洋服なら衣替えの時期にするのもよいですし、または年末など大掃除をする時期にするのもよいでしょう。1年後の日付を目立つように書いておくのも効果的です。

いつやる?断捨離のタイミング

いつやる?断捨離のタイミング

断捨離を行うのは、いつがベストタイミングなのでしょうか。以下では、断捨離を始めるのにおすすめのタイミングについて解説します。

思い立った今!

「思い立ったら吉日」とばかりに、モチベーションが湧いたタイミングで始めることを最初におすすめします。衣類、食器、家具家電、本や書類など家じゅうにあるものを断捨離するのは、時間のかかる大仕事です。

断捨離を始めるなら、できるだけ早いほうが望ましいです。ものを捨てたり整理整頓したりするのは思いのほか疲れるので、気力や体力が充実した元気なうちに始めるとよいでしょう。特に、体に不調を抱えてからでは作業が困難になってしまいます。

定年退職で持ちものを整理するとき

定年退職のタイミングも、断捨離を行うのに最適なタイミングです。それまでは仕事で忙しかった人も、定年退職すれば時間や気力の余裕も得られるでしょう。

社会人生活を終えてセカンドライフを迎える時期なので、生活に必要な持ちものなども変わってくるはずです。仕事の際に着用していた衣類やバッグの中には、今後不要なものもあるでしょう。また、好きなスポーツや趣味の種類も若い頃とは変わってきたかもしれません。持ちものを整理するのに併せて、断捨離も始めてみてはいかがでしょうか。

衣替えや大掃除などのイベント

衣替えや大掃除などのイベントも断捨離に適しています。持ちものを全体的に見直したり、部屋全体を掃除したりするイベントは、その延長線上で断捨離を行いやすいからです。もともとこうしたイベントの際には、ある程度ものを捨てることも想定されているので、精神的にものを処分しやすい面もあります。

衣替えのタイミングで断捨離する場合は、今シーズンどのくらい使ったか、来シーズンも使用したいかを考えて保管するか処分するかを決定します。保管スペースの有効活用にもつながるでしょう。
大掃除のタイミングで行うのも余計なものが減って、すっきりした状態の家は、掃除がしやすくなるでしょう。

断捨離を行う時の注意点

断捨離を行う時の注意点

最後に、断捨離を行う時の注意点を解説します。

余裕を持っての断捨離を

断捨離は余裕を持って行いましょう。断捨離とはあくまでも人生を豊かに生きるひとつの方法であり、無理をしてまで行うことではありません。断捨離に疲れ切って他のことに支障が出るようでは本末転倒です。

この余裕とは、精神的なことばかりでなく、時間的な余裕も関係しています。断捨離は短時間であわてて完了させる必要はありません。焦って作業を進めていると、大事なものまでいつのまにか捨ててしまっていたり、どこに何をしまったか曖昧になってしまったりしがちです。したがって、断捨離は丁寧に落ち着いて行いましょう。

重要なものまで捨ててしまわないように

上記でも触れましたが、断捨離をする際には重要なものまで捨ててしまわないように注意しましょう。自分の意志にせよ不注意にせよ、大切なものを捨ててしまったときの後悔は非常に大きなものです。場合によっては、その失敗ひとつで「断捨離なんてしなければよかった」と感じてしまうかもしれません。

特に金銭や権利関係に関わる書類などは、家族にも影響が出かねないほど非常に大切なものです。
使用していないクレジットカードなども、原則的に本人が解約手続きをした後で処分する必要があります。場合によっては、大きなトラブルに発展する可能性もあるので、特に注意しましょう。

まとめ

終活の一環として断捨離を行うことは、家の中の快適性や安全性を高め、日々明るい気持ちで過ごせるようにする効果があります。大切なもの、お気に入りのものだけに囲まれた生活は、物質的な豊かさ以上の、穏やかな喜びを与えてくれることでしょう。これを機会に、ぜひ断捨離に取り組んでみましょう。

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