見舞金の相場とマナー 同僚や上司、取引先など会社関係・親族や友人に渡すときは?

身近な人が入院した際などに贈る見舞金。会社関係の方へ贈る場合、3,000円から3万円が一般的な相場ですが、贈る相手との関係性で金額が変わります。また使用する封筒の種類や書き方、贈るタイミング、贈り方も異なり、気を付けるべき点が非常に多いものです。ここでは、見舞金を贈る際のマナーについて紹介します。

見舞金の相場とマナー 同僚や上司、取引先など会社関係・親族や友人に渡すときは?

知らないと恥をかく!見舞金の基本的なルール

知らないと恥をかく!見舞金の基本的なルール

見舞金とは知人や友人、会社関係の方などが怪我や病気で入院した際、もしくは火事や地震などの災害に合った際に、お見舞いとして贈るお金のことを言います。

一般的な見舞金に使用する祝儀袋

怪我や病気などの一般的な見舞金は、紅白の結び切りの水引が付いた祝儀袋に包んで贈ります。水引とは祝儀袋に掛けられた飾り紐のことで、「蝶結び」と「結び切り」の2種類の結び方があります。ほどいて結び直すことができる蝶結びには、「何度あってもよい」という意味があり、ほどけないように固く結ばれた結び切りには、「二度と繰り返さないように」との願いが込められています。怪我や病気は二度と起きてほしくないことであるため、結び切りの水引が付いた祝儀袋を使用します。

重度の怪我や病気、災害への見舞金に使用する祝儀袋

怪我や病気の程度が重い場合や被災の場合に贈る場合には、赤帯の入った見舞用の封筒や白無地封筒を使用します。慶事用の祝儀袋を使うことに抵抗がある際にも代用できるので、怪我や病気の程度がよく分からなかったり、どんな封筒を使えばよいのか悩んだりした際に使用するとよいでしょう。

祝儀袋の書き方

祝儀袋・封筒の表書きは、毛筆や筆ペン、太めのフェルトペンで「御見舞」と書き、その下部に贈り主の氏名を記入します。

・連名の場合
「御見舞」の下部に右から目上の方順に氏名を記入します。

・4名以上の場合
「御見舞」の下部に代表者の氏名を記入し、その左に「外一同」(「他一同」でも可)と書きます。祝儀袋・封筒に見舞金のお札とともに、贈り主全員の氏名を記入した別紙を入れておきます。

・会社からの場合
「御見舞」の下部に社名を記入し、その左側に社長名を書きます。

見舞金に使用するお札

関係によって変わる見舞金の金額とマナー

関係によって変わる見舞金の金額とマナー

新札を使うと事前に用意していた、という意味合いを持ってしまいます。折り目をつけた新札か、できるだけ綺麗な状態の旧札を使いましょう。また、「死」や「無」や「苦」を連想させる4、6、9といった数字の金額は避けるようにします。「6」が好ましくない番号であることを知らない方が多いので、「4」「9」以外に「6」も避けるということを覚えておきましょう。

金額は、贈り主と相手との関係性によって相場が変わってきます。ここでは会社関係の方への相場について見ていきましょう。

同僚の場合は個人なら5,000円、複数人なら一人3,000円

個人で贈るケースと社内で募った有志で贈るケースとがあります。個人で贈る際は5,000円、有志で贈る際は一人当たり3,000円が相場です。

上司・目上の方の場合は基本なし

上司や目上の方への見舞金の相場は、3,000円から1万円です。しかし一般的に、目上の方に対して現金を贈ることは、失礼に当たると考えられています。そのため、現金の代わりにお見舞いの品物を贈ることもあります。また現金を渡す場合、御包みに「御見舞い」ではなく「御伺い」または「祈御全快」と書くのが礼儀となっています。

会社の同僚もしくは上司へ贈る際には、その会社の慣例に従うことがマナーです。社内で募った有志から集めて贈るケースから、会社から支給されるケースもあります。そのため、見舞金について自分の判断で行動するのではなく、まずは会社に確認しましょう。会社で支給される場合は、社内規定(慶弔規定)で定められていることが多いです。また、個人的に贈ることができる時には、高額すぎると相手に気を遣わせてしまうため、自身の負担にならない程度の金額にしましょう。

取引先の場合は、1〜3万円で相手によって幅がある

贈る相手によって相場が変わってきます。社長への相場は1万円から3万円、担当者への相場は1万円から2万円です。取引先の方に対してのお見舞いは、個人的なものではなく会社間のものとなるため、個人の判断で行わずに必ず会社や上司の指示を仰ぎましょう。

親族や友人などの場合は3,000〜1万円程

ちなみに会社関係ではありませんが、親・兄弟・親族への見舞金の相場は、5,000円から1万円です。ただし、居住地域の慣習によって相場が大きく変動する可能性がありますので、両親や身近な親戚の方へ相談することをおすすめします。

また、友人・知人への見舞金は3,000〜5,000円が相場です。いくら親しいとはいえ、あまりに高額だと快気祝いの負担も大きくなってしまうので、相場を知っておくと良いですね。

見舞金の相場のまとめ

贈る相手との関係性お祝い金の相場
同僚3,000〜5,000円
上司・目上の方3,000~1万円
取引先1万~3万円
親族(親・兄弟など)5,000〜1万円
友人・知人3,000~5,000円

見舞金を渡すタイミングや注意点など

同僚や上司など社内の人へ渡すときの注意点

見舞金の金額だけでなく、渡す際のマナーも大切です。同僚や上司などの社内関係で見舞金を渡す場合と取引関係など社外関係で見舞金を渡す場合のそれぞれを解説します。

同僚や上司など社内の人へ渡すときの注意点

社内の方に見舞金を贈ることが決まったら、次にお見舞いに行く日時や渡すタイミングを考慮しておかなければなりません。お見舞いに行く日時は、相手に迷惑がかからないよう、入院直後や手術前後は避けましょう。前もって病院の面会時間を調べ、先方へ連絡した上で行くとよいでしょう。見舞金を贈るのは、病室に入ってお見舞いの言葉をかけた後がよいタイミングです。面会時間は負担をかけないよう、長くても30分以内に留めておきましょう。

会社の取引先など社外の人へ渡すときの注意点

会社の取引先など社外の人へ渡すときの注意点

社外の方のお見舞いに行く際には相手と同程度、もしくは直属の上司とともに伺うのがマナーです。治療に専念してもらうため、仕事の話題には触れずにおきましょう。相手を十分に気遣うことが何よりも大切です。

見舞金をもらったときは?お見舞い返しの場合

見舞金をもらったときは?お見舞い返しの場合

自身が怪我や病気で入院した際に見舞金を頂いたら、退院後早くて10日以内、遅くても1ヶ月以内にお見舞い返しをしましょう。もらった金額の半額から3分の1程度の金額の品物をお返しするのがマナーです。ただし、もらった見舞金には差もあるため、一律で気持ち程度の品物を返すという方法もあります。この場合は、砂糖や石鹸などの消耗品・嗜好品など、形に残らない品物が適当です。何はともあれ、見舞金としてもらった好意には公平に感謝することが大切です。お見舞い返しを選ぶ際には、金額よりも品物選びに配慮するとよいでしょう。

まとめ

怪我や病気の方へのお見舞いの目的は、相手の健康状態を気遣い、体調の回復を願って励ますことです。また、お見舞いの滞在時間や時間帯などに十分に気を遣うことも大切です。見舞金に関しても同様で、相手の状況を見極めて、掛ける言葉や金額面を考慮し負担を感じさせないようにすることが重要なマナーです。特に相手が会社関係の場合は、色々と悩んでしまうかもしれません。そのため、会社関係の方に贈る見舞金に関しては、まずは会社や上司などに確認しましょう。贈る相手によって異なるマナーのある見舞金ですが、共通点は相手の気持ちに寄り添って考えることです。あらゆる点に細やかな心遣いをもって、いざという時に失礼のないよう、社会人としてしっかりとポイントを押さえておきましょう。

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