見舞い金とは?関係性別の金額相場や祝儀袋のルールやマナーを解説

見舞い金とは知人や友人、会社関係の方などがケガや病気で入院した際、相手の回復を祈って贈るお金のことです。この記事では、贈る相手の関係性別の見舞い金の相場や祝儀袋のマナー、見舞い金を渡す際のNGポイントを紹介します。見舞い金を渡さない場合におすすめの見舞い品も参考にしてみてください。

見舞い金とは?関係性別の金額相場や祝儀袋のルールやマナーを解説

そもそも見舞い金とは

そもそも見舞い金とは

見舞い金とは知人や友人、会社関係の方などがケガや病気で入院した際、お見舞いとして贈るお金のことです。
一般的に見舞い金は、療養費や医療費の負担を軽減するために使われます。
また、ケガや病気だけでなく、地震や火事などの災害にあった際に見舞い金が送られるケースもあります。

見舞い金を渡す前の注意点

見舞い金を渡す前の注意点

入院している人のお見合いに行く際や見舞い金を渡す際には注意点があり、相手方に迷惑がかかることもあります。
見舞い金を渡す前におさえておきたい注意点を理解して、相手も気持ちよくお見舞いの気持ちを受け取れるようにしましょう。

お見舞いに行っていいか確認する

見舞い金を渡す際は、面会時間を調べたうえで本人かその家族に必ずアポイントメントを取るようにしましょう。病院によっては面会時間や面会人数に制限がある場合があります。

また、入院している時は体力的にも精神的にも弱っている状況なので、家族以外の人には会いたくないという人もいるかもしれません。相手の気持ちや状況を汲み取って、無理にお見舞いに行かないようにしましょう。
お見舞いに行く場合も、相手に負担をかける恐れがあるため、長居をしないなど配慮が大切です。

上司や目上の人に現金を渡すのは失礼に当たる

見舞い金に限らず、一般的に目上の人に現金を渡す行為は失礼に当たります。自分が相手よりも優位に立ち「相手はお金がなくて困っているだろう」と見下していることになるからです。
そのため、上司や目上の人のお見舞いに行く際は、現金ではなく見舞い品を渡すとよいでしょう。

会社の関係者の場合は社内規定を確認する

会社の同じ部署や社内の人に見舞い金を渡そうと考えている場合、社内規定がないか確認することが大切です。
お見舞いや見舞い金に関する社内規定があればその内容に従うようにし、社内規定で定めがない場合であっても、上司や先輩など周りの人に相談することをおすすめします。企業によっては慣例があるケースもあるため、その場に応じて適切な対応を取ることが大切です。

【関係性別】見舞い金の金額相場

【関係性別】見舞い金の金額相場

見舞い金の金額は、贈り主と相手との関係性によって相場が変わってきます。関係性別の見舞い金の金額相場は以下の通りです。

見舞い金の金額相場

贈る相手との関係性 お祝い金の相場
同僚 3,000〜5,000円
上司・目上の方 3,000~1万円(※見舞い品の相場として)
取引先 1万~3万円
親族(親・兄弟など) 5,000〜1万円
友人・知人 3,000~5,000円

同僚の場合は個人なら5,000円、複数人なら一人3,000円

会社の同僚に見舞い金を贈る際、個人で贈るケースと社内で募った有志で贈るケースとがあります。
個人で贈る際は5,000円、有志で贈る際は一人あたり3,000円が見舞い金の相場です。

上司・目上の方の場合は3,000円から1万円

先にも述べたように、上司や目上の方への見舞い金は失礼に当たります。そのため、見舞い金の代わりに贈る見舞い品は、3,000円から1万円という金額を目安に考えるようにしましょう。

また、会社の同僚もしくは上司へ贈る際には、その会社の慣例に従うことがマナーです。社内で募った有志の気持ちを見舞い品として贈るケースもあれば、会社から見舞い品を購入するお金が支給されるケースもあります。
そのため、見舞い金(見舞い品)について自分の判断で行動するのではなく、まずは周囲に確認することが大切です。
また、個人的に見舞い品を贈る場合には、あまりに高級なものだと相手に気を遣わせてしまう恐れがあるため、負担にならない程度のものにしましょう。

取引先の場合は、1〜3万円で相手によって幅がある

取引先に見舞い金を贈る場合、相手の立場によって相場が変わります。
一般的な目安として、社長への見舞い金の相場は1万円から3万円、担当者への相場は1万円から2万円程です。
また、取引先の方に対してのお見舞いは、個人的なものではなく会社間のものとなるため、個人の判断で行わずに必ず上司の指示を仰ぐことが大切です。

親族や友人などの場合は3,000〜1万円程

親・兄弟・親族への見舞い金の相場は、5,000円から1万円です。ただし、居住地域の慣習によっては相場が大きく変動する可能性があるため、両親や身近な親戚の方へ相談することをおすすめします。

また、友人・知人への見舞い金は3,000〜5,000円が相場です。親しい友人であればつい多めに贈りたくなる方もいるかもしれませんが、あまりに高額だと退院後の快気祝いの負担も大きくなってしまいます。贈り先に関わらず、見舞い金が負担となることのないよう、相場を知っておくと安心でしょう。

見舞い金の祝儀袋のルールやマナー

見舞い金の祝儀袋のルールやマナー

見舞い金は祝儀袋に入れて渡しますが、祝儀袋にはルールやマナーがあり、知らず知らずのうちに失礼に当たっていることがあります。社会人の教養として、見舞い金の祝儀袋について理解を深めましょう。

祝儀袋は紅白の結び切り

見舞い金を贈る際は、紅白の結び切りの水引が付いた祝儀袋を用います。
水引とは祝儀袋に掛けられた飾り紐のことで「蝶結び」と「結び切り」の2種類の結び方があります。
見舞い金を贈る場合は「病気やケガを2度と繰り返さないように」といった想いを込めて「結び切り」を選びましょう。

怪我や病気の程度が重い場合や災害に対して贈る場合、赤帯の入った見舞い用の封筒や白無地封筒を使用しても構いません。見舞い金に慶事用の祝儀袋を使うことに抵抗があったり、怪我や病気の程度がよく分からずに悩んだりした際も、白無地封筒で代用可能です。
また、不祝儀袋は葬儀などで用いられる袋であることから、利用することは避けましょう。

祝儀袋の書き方

祝儀袋・封筒の表書きは、毛筆や筆ペン・太めのフェルトペンで「御見舞」と記入します。「お見舞い」や「御見舞い」と送り仮名を記入すると4文字の忌み数となるため、3文字で書くのがマナーです。
また、墨の色は黒墨を用いますが、不幸な出来事ではないので薄墨は避けましょう。
表書きの下には贈り主の氏名を記入します。

・連名の場合
「御見舞」の下部に右から目上の方順に氏名を記入します。

・4名以上の場合
「御見舞」の下部に代表者の氏名を記入し、その左に「外一同」(「他一同」でも可)と書きます。祝儀袋・封筒に見舞い金のお札とともに、贈り主全員の氏名を記入した別紙を入れておきます。

・会社からの場合
「御見舞」の下部に社名を記入し、その左側に社長名を書きます。

中袋へのお札の入れ方・包み方

見舞い金を包む際は、できる限り綺麗なお札を選ぶようにしましょう。とはいえ、折り目のない新札を用意するとあらかじめ用意していたかのように思われてしまうため、中央で一度折り目をつけてから入れるのがマナーです。

また、中袋に見舞い金を入れる際は、お札に印刷された肖像画が表側を向くようにします。上下の向きに決まりはありませんが、バラバラでは見た目が悪いため、揃えて入れましょう。

お札を入れた中袋の表側には、見舞い金の金額を書きます。「金三仟円」「金壱萬円」といったように、金額に旧字を使うと丁寧な印象になります。この際「円」を「圓」と書いても構いません。

見舞い金を渡す時のNGポイント

見舞い金を渡す時のNGポイント

見舞い金の金額や祝儀袋だけでなく、渡す際のマナーも大切です。
同僚や上司などの社内関係で見舞い金を渡す場合と取引関係など社外関係で見舞い金を渡す場合のそれぞれを解説します。

入院直後や手術直後は避ける

入院直後や手術直後は疲れが出やすく、また家族も落ち着かない時期であるため、御見舞いを避けるのがマナーです。前もって入院のスケジュールや病院の面会時間を確認して、先方へ連絡したうえで行くとようにしましょう。
また、見舞い金を贈るのは病室に入ってお見舞いの言葉をかけた後がよいタイミングです。面会時間は相手に負担をかけないよう、長くても30分以内に留めておきましょう。

4.6.9の数字は避ける

見舞い金を包む際は「死」や「無」や「苦」を連想させる、4、6、9といった数字の金額は避けましょう。
「6」が好ましくない番号であるとは、意外と見落としがちなので「4」「9」以外に「6」も避ける必要があることを覚えておきましょう。

取引先や社外の人の見舞いは上司に同行してもらう

取引先や社外の方のお見舞いに行く際は、相手の役職に合わせて同格の人か直属の上司に同行してもらうようにしましょう。
たとえ親しい間柄であったとしても、会社で取引をしている相手に個人的にお見舞いに伺うのはマナー違反となります。
お見舞いの面会では、仕事の話題には触れずにおきましょう。入院中は仕事のことから離れて治療に専念できるよう、相手を思いやる気持ちが何よりも大切です。

見舞い金を渡さない時のおすすめの見舞い品

見舞い金を渡さない時のおすすめの見舞い品

上司や目上の人に見舞い品を渡す際や、お見舞い金以外に品物を贈る際に喜ばれる品物があります。ここでは、おすすめの見舞い品を紹介します。

果物やゼリー

果物やゼリーは入院中の病室でも食べやすく、好まれる見舞い品の1つです。
ただし、食事制限がある場合は食品以外の品物を選ぶように心がけるほか、日持ちのしないものは避けるようにしましょう。

見舞い品として花を渡す場合、受け取った相手が不吉を連想してしまうものや、香りが強い物は気分を害す恐れがあるので避けましょう。
特に鉢植えのお花は「寝付く」ことを連想させるとして、昔からタブーとされています。白や青、紫と行った控えめの色ではなく、黄色やピンクなど明るい花を中心にブーケを作るようにしましょう。

また、病院によっては生花を禁じているところもあるため、前もって確認しておくことをおすすめします。どうしても花を贈りたい時はプリザーブドフラワーやハーバリウムなどを選ぶとよいでしょう。

タオルや寝間着、ガウン

タオルや寝間着、ガウンといった療養生活に欠かせないアイテムも、見舞い品として人気があります。
特にタオルは枕の上に敷いたり清拭に使ったりと、シャワー以外でも活躍する場面が多く重宝されるはずです。

本や雑誌、スケッチブック

入院中はベッドの上で過ごすことが長いこともあり、本や雑誌、スケッチブックといった退屈しのぎに役立つアイテムも見舞い品として好まれます。
小説や興味のあるジャンルの雑誌はもちろん、パズルや脳トレ系の本を贈るのもよいでしょう。
また、絵を描くのが好きな人であれば色鉛筆とあわせてスケッチブックを贈るのも喜んでもらえるはずです。

まとめ

お見舞いの目的は、怪我や病気で入院している相手の健康状態を気遣い、体調の回復を願って励ますことです。
お見舞いの滞在時間や時間帯などに十分に気を遣うように、見舞い金に関しても相手の負担にならない適切な金額を贈るようにしましょう。

特に相手が会社関係の場合、相手の役職に合わせて同格の人か直属の上司に同行してもらうのが一般的です。一人で勝手に行動するのではなく、まずは周囲に確認しましょう。
あらゆる点に細やかな心遣いをもち、いざという時に失礼のないよう、社会人としてしっかりとポイントを押さえておくことが大切です。

ご留意事項
  • 本稿に掲載の情報は、ライフプランや資産形成等に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の取得・勧誘を目的としたものではありません。
  • 本稿に掲載の情報は、執筆者の個人的見解であり、三菱UFJ信託銀行の見解を示すものではありません。
  • 本稿に掲載の情報は執筆時点のものです。また、本稿は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性について執筆者及び三菱UFJ信託銀行が保証するものではありません。
  • 本稿に掲載の情報を利用したことにより発生するいかなる費用または損害等について、三菱UFJ信託銀行は一切責任を負いません。
  • 本稿に掲載の情報に関するご質問には執筆者及び三菱UFJ信託銀行はお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

編集部おすすめ記事

この記事もおすすめ