教育ローンの借り換えとは?借り換えのメリット・デメリットを解説

教育ローンの借り換えには、返済総額を減らすことができる可能性があります。今回は教育ローンの借り換えのメリットデメリットを解説します。教育ローンの返済が苦しい方に教育ローンの借り換え以外の手段も紹介しているので、参考にしてみてください。

教育ローンの借り換えとは?借り換えのメリット・デメリットを解説

教育ローンの借り換えとは?

教育ローンの借り換えとは?

教育ローンの借り換えとは、新たに教育ローンを借り入れて、現在返済中の教育ローンを一括返済することです。

教育ローンは金融機関によって、借入金額や金利、返済方法、付帯サービスなどが異なります。改めて教育ローンを探してみると、現在借り入れている教育ローンよりも魅力的なものが見つかることもあります。好条件の教育ローンに借り換えができれば、後述する総返済額の圧縮などメリットがあるかもしれません
なお、教育ローンの借り換えには、新たな教育ローンを借り入れるための審査があります。そのため、現在の教育ローンを延滞なく返済できている状況を前提とします。借り換えの際には、現在借り入れている教育ローンの返済状況を確認しておきましょう。

教育ローンを借り換えるメリット

教育ローンを借り換えるメリット

教育ローンを借り換えるメリットには、以下のようなものが挙げられます。ただし、借り換えたからといって、必ずしもメリットがあるわけではないので自分が条件に当てはまるか確認が必要です。

金利を下げられる

現在の教育ローンより金利の低い教育ローンに借り換えると、借入金の総返済額を減らせる可能性があります。ただし、現在の教育ローンと借り換え後の教育ローンとの金利差が小さい時は、一括返済および借り入れの際の手数料コストが、金利が下がった効果を上回る可能性があります。金利に着目するだけでなく、借り換え時に発生する手数料を含めた総コストで判断しましょう。

返済期間を短くできる

現在の教育ローンよりも低金利の教育ローンに借り換えた場合、従来と同じ月々の返済額を維持することで返済期間を短縮できます。返済期間が短いほど、利息の負担期間も短くなるので総返済額の圧縮につながります。
ただし、さらなる返済期間の短縮を考えて毎月の返済額を増やしてしまうと、家計への負担が重くなってしまうことも考えられます。家計全体の状況も確認した上で、無理のない返済期間を検討しましょう。

管理がしやすくなる

複数の教育ローンや奨学金を抱えている場合、借り換えで教育ローンを一本化することで借入残高を把握しやすくなります。複数の教育ローンや奨学金の残高の総額を確認し、借り換えにより債務の一本化ができるか否かを確認してみましょう。

教育ローンを借り換えるデメリット

教育ローンを借り換えるデメリット

教育ローンを借り換える場合、以下のようなデメリットがあります。メリットだけでなくデメリットも踏まえて借り換えの検討をしましょう。

借り換えに手数料がかかる

教育ローンを借り換える際には、手数料がかかる可能性があります。手数料は、現在教育ローンを借り入れている金融機関や新たに借り入れをしようとする金融機関によって異なります。

借り換える際、現在組んでいる教育ローンを全額繰り上げ返済することになります。金融機関によって「繰り上げ返済手数料」が必要になる場合があります。また、教育ローンの借り換えは新たに借り入れを行うため、契約時の「事務手数料」がかかります。

低金利の教育ローンに借り換えができたものの、手数料を差し引いたら借り換え効果が消えたという事態に陥らないためにも、総コストを計算してみましょう。

期待を下回る効果の場合がある

現在借り入れている教育ローンと借り換えをしようとする教育ローンの金利差が小さい場合、教育ローンの借り換え効果を望めないという場合があります。借り換えによって減った支払い利息よりも手数料などのコストの方が上回ってしまう可能性があるからです。

また、低金利の教育ローンに借り換えをした際に、返済期間を長くして毎月の返済額負担の軽減まで行うと、支払う必要のある総利息が増えてしまう可能性もあります。

低金利や負担軽減といった、目先のメリットにのみ着目するのではなく、長期的視点や総コスト的視点にも留意して慎重に借り換えを進めていきましょう。

教育ローンを借り換える際は手数料に注意!

教育ローンを借り換える際は手数料に注意!

デメリットの項でも触れましたが、金利だけでなく手数料などを含めた総コストの把握は重要です。借り換えにかかる手数料は、「繰り上げ返済手数料」や「事務手数料」のほか、「保証料」などがあります。ただし、金融機関によってはこれらの手数料が不要なケースもあります。

借り換え時、金利の低さのみに着目した結果、手数料などが差し引かれたら総返済額はそこまで減らず、手間だけがかかったということにもなり兼ねません。

教育ローンの返済が苦しい時の解決策

教育ローンの返済が苦しい時の解決策

教育ローンの借り換えを検討している人は、現在の教育ローンの返済が苦しいというケースが多いでしょう。教育ローンの返済が苦しい時の解決策には、借り換え以外にも以下のような方法があります。

借り入れ先の金融機関に相談をする

まずは、返済が苦しくなってしまった場合、教育ローンを借り入れている金融機関に相談をしてみましょう。金融機関としては、返済滞納が続いて融資回収できないよりも、確実に返済できる方法を考えるのが一般的です。
返済計画の見直しも含め、相談に応じてくれる可能性があります。

相談は滞納が生じる前に行っておきたいものです。万一、返済を滞納してしまった場合には、金融機関からの督促などの連絡が郵送もしくは電話で来ます。その時にやってはいけないことは連絡を無視することです。督促の連絡があった場合、早めに返信し、相談するようにしましょう。

債務整理をする

金融機関に相談しても返済が難しい場合、裁判所を通じて法的な債務整理を受けるという方法があります。法的な債務整理には、「個人再生」「自己破産」などの方法があります。

法的な債務整理のうち、「個人再生」は金融機関の債権者の合意を得て、返済金額や返済方法を見直して教育ローンの返済を継続していくものです。「個人再生」が認められると、元金や利息の一部を免除してもらえる可能性があります。

一方「自己破産」は、教育ローンの返済を免除されるものです。所有する一定の資産以外は売却するなどして現金化して返済に充てる必要があります。そのため、保有している資産の大部分を失う可能性があり、その後の生活設計などを考えた慎重な判断が必要です。

いずれの方法を選択するにしても、債務整理をすると新たなローンを組めなくなるなどの制限を受けることになります。弁護士などの専門家と相談しながら慎重に進めましょう。

まとめ

今回は借り換えの目的を「総返済額の圧縮」に焦点を当て、教育ローン借り換えのメリットやデメリットについて解説しました。教育、特に高校卒業後の進学費用は多額のお金が必要になることがあります。そのため、預貯金などで不足する部分を教育ローンでカバーするという人も少なくありません。

教育ローンを借りた後、漫然と返済するだけでなく、「好条件の教育ローンはほかにはないか」「借り換えをしたら効果はどの程度あるのか」「今後の返済計画に無理はないか」など、定期的に教育ローンの点検を行い、完済を目指すためにどのような方法がとれるのかを考えてみましょう。

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