私立中学校の学費相場は？公立との比較や中高一貫校の費用を解説

私立中学校の学費相場・目安とは？

まずは私立中学校に子供を進学させた場合、3年間でどんな費用がどれだけかかるのかみていきましょう。私立の中学校に進学する場合は、まず受験の費用もかかります。進学後も学校教育費以外に、習い事や教養を身に着けるための活動の費用が必要になってくるでしょう。

私立中学校は3年間で430万円程度が目安

私立中学校の場合、3年間の費用総額は430万円が目安とされています。1年あたりでは約140万円の計算です。
一方、公立中学校に進学させた場合は、3年間で150万円が目安となり、1年あたり50万円ほどでしょう。
つまり、公立に対して私立の費用は約3倍、トータルで300万円ほどの違いがあることがわかります。

費用の中でも、特に差があるのが入学金などの初期費用と、授業料、学校への納付金です。公立の場合は授業料が無料であるのに対し、私立の場合は年間で約43万円の授業料がかかります。
また、私立の場合は入学金として20万、制服代金も10万円以上かかるのが一般的です。制服は有名なデザイナーやブランドが手がけていることも少なくありません。任意ですが、寄付金として20万円程度求められることもあるでしょう。

また、私立の中学校は進学する前に受験の費用もかかります。中学受験の場合、専門の進学塾に通う必要もあるでしょう。小学校6年生での入塾だとすでに遅く、断られてしまうため、小学校の3～4年生から通う場合も少なくないです。

夏期講習や冬期講習といった季節ごとの講習費用も合わせると、進学塾の費用は年間80万～120万円ほどかかります。進学塾ではなく、家庭教師を雇うとさらに高額になるでしょう。

また、受験費用も1校あたり2～3万円が相場なので、第1志望校、第2志望校、滑り止めと3校を受けるだけでも10万円近くが必要になります。模試や交通費、参考書などの費用も含めると、私立中学校への進学には相当な費用がかかる覚悟が必要でしょう。

【参考】文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について」詳しくはこちら

学校教育費の内訳項目

学費は、大きく2つに分けることができ、授業料や制服代といった学校に通うために必要な「学校教育費」と、学校外の体験活動や習い事、塾などに必要な「学校外活動費」があります。学費の多くを占める、「学校教育費」の具体的な内訳は次の通りです。

私立の場合は公立と違い、学校によって費用が大きく異なります。そのため、A校では制服の費用が5万円で済んだのに、B校では30万円かかったというケースもあります。私立中学校の公式ホームページをみると、「初年度納入金」として年間の総費用が掲載されているので確認してみましょう。

学校外活動費の内訳項目

任意ながらも、中学生という多感で多くを吸収できる時期に欠かせないのが学校外活動費です。学校外活動費としては、次のような項目があります。

公立に通わせる家庭に比べて、私立に通わせる家庭の方が裕福な傾向にあります。そのため、学校外活動費も私立に通わせる家庭の方が高いでしょう。私立に通わせる家庭は学校外活動費に年間33万円かけているのに対し、公立に通わせる家庭は年間30万円ほどです。

一方で、その内訳をみると補助学習費が大部分をしめており、補助学習においては公立の方が私立より高くなっています。公立の場合は、学校外で学力を身に着けたり、高校進学に備えて塾に通わせるため、補助学習に関しては多くの費用が必要でしょう。世帯収入にもよりますが、公立では学校外活動費として年間20万円～50万円程度かけることが多く、私立の場合も15万円～40万円程度が目安です。

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私立・公立における中高一貫校の学費を比較

将来的に大学進学へ向けた学習を重視する場合、中高一貫校の統一されたカリキュラムで学力を身に着けるという手もあります。かつては中高一貫校といえば私立のみでしたが、1999年からは公立でも中高一貫校が登場しました。

学習環境の安定のために中高一貫校に進学を検討している人は、私立・公立それぞれの学費について比較してみましょう。なお、東京都を例に挙げて解説します。

私立の場合は6年間で490万円程度

私立の中高一貫校を選択した場合、学校教育費の総額は6年間で490万円が相場です。ただし、これはあくまで学校教育費にかかる費用なので、塾や習い事など学校外活動費に関しては別途必要になります。
学校外活動費の平均は約200万円なので、私立の中高一貫校に進学するとトータルでは690万円ほどが目安です。私立の場合、費用の内訳としては次の通りです。

公立の場合は6年間で190万円程度

公立の場合、中学校の学費は無料、高等学校は一般的な公立高等学校と同程度の学費がかかります。つまり、中高一貫校を選んでも、中高6年間トータルの学費は一般的な公立中学校・高等学校と変わりません。
6年間のトータルでは190万円が目安で、私立とは300万円の差があることになります。6年間トータルの金額について、内訳としては次の通りです。

公立の場合は中学校の学費が無料であるものの、学校徴収金が必要になります。これらは本来、個人で購入して用意する道具などを、生徒からお金を集め学校側で一括購入することで、統一されたものを安く入手できるメリットがあります。

また、この他に大学進学を目指す場合は私立も公立も塾代として6年間で約200万円がかかるでしょう。

まとめ

公立と私立では、中学校の学費は約3倍の違いがあります。3年間で公立では190万円、私立では490万円が目安で、ここに塾代のような学校外活動費がプラスされるのがポイントです。

近年は公立でも私立のように大学進学を重視する中高一貫校が登場しています。子供の将来にも関わることですので、公立にすべきか私立にすべきか、子供本人の意見も聞きながらじっくりと検討・準備しましょう。

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