子供の習い事にかける費用は?年収との関係や家計に占める割合

子供の習い事を検討する際は、何を習わせたいかだけでなく、いくらかかるのかという点も重要です。また、月謝以外にもかかる費用について理解しておくことが大切です。ここでは、人気の習い事の種類や費用などについて詳しくみていきます。

子供の習い事にかける費用は?年収との関係や家計に占める割合

人気の習い事の種類と費用

人気の習い事の種類と費用

まず、子供の習い事はどのようなものが多いのでしょうか。株式会社リクルートマーケティングパートナーズが習い事をしている子供を持つ親927人を対象に行ったアンケート調査によると、子供の習い事のランキングは1位が水泳、2位が英語・英会話、3位がピアノ、4位が書道、5位が学習塾・幼児教室となっています。

順位 習い事 割合
1 水泳 40.8%
2 英語・英会話 27.7%
3 ピアノ 20.3%
4 書道 14.1 %
5 学習塾・幼児教室 13.5%
6 体操 12.8%
7 サッカー 8.6%
8 そろばん 7.1%
9 その他のスポーツ 5.1%
10 ダンス 4.3%
10 空手 4.3%
12 リトミック 3.7%
13 バレエ 3.5%
14 テニス 2.7%
15 絵画 2.5%

【参考】リクルートマーケティングパートナーズ ケイコとマナブ.net「発表!2017年子どもの習い事ランキング 1位は…??」 詳しくはこちら

・1位:水泳
習い事に通っている子供の約40%が、水泳を習っています。選ばれる理由としては、体力づくりや心肺機能の強化といった回答が寄せられました。また、学校であまり教えてくれない、そもそもプールがないという理由をあげる方も多いです。費用の相場は、入会金は無料のケースも多いですが、およそ3,000~7,000円、月謝は練習回数やコースによって異なりますが、およそ5,000~10,000円。他には水着やゴーグル、スイミングキャップなどの諸費用におよそ5,000円がかかります。

・2位:英語・英会話
小学校から英語が必修となったことや、ますますグローバル化社会の影響もあり、英語の人気が高まっています。高校受験や大学受験でも必要となるスキルであるため、高い実用性も人気の秘密。入会金は10,000~12,000円、月謝が6,000~10,000円ほどです。その他には教材費として年間で20,000円ほどかかります。

・ピアノ
音感や情操を育てることを目的として選ばれるだけでなく、子供の希望よりも親の希望で始めたというケースも多いのがピアノ。努力が形になり、明確に成功体験ができることから、努力することの大切さを覚えてほしくて子供にピアノを勧めたという方もいます。入会金と月謝はそれぞれ5,000~10,000円、教材費が半年に1回5,000円ほどかかります。他には発表会の参加費として、年に10,000~30,000円と衣装代が10,000円ほどかかります。

・4位:書道
書道は、字が綺麗なことで周囲からの評価が上がるという理由や、高い集中力を養ってほしいという理由で選ばれています。パソコンやスマートフォンが普及した昨今においても、手書きの文字の重要性は変わらないと考えている人が多いのかもしれません。月謝は3,000~5,000円ほど、その他には書道道具一式として5,000円ほどかかります。

・5位:学習塾・幼児教室
小学校低学年から高学年にかけて多くなるのが、学習塾や幼児教室などの学習系の習い事です。学校での授業の補習やテスト対策、進学を視野に入れて通わせる人が多いと考えられます。学習塾や幼児教室の費用に関しては、年齢によって金額の開きが大きいのが特徴です。
文部科学省のデータによると、予習や復習、補習などの学校教育に関係する学習をするために支出した経費に当たる「補助学習費」は、公立小学校では年間で約4万~13万円程度、私立小学校では約15万~54万円となっています。

【参考】文部科学省 「(報道発表)平成28年度子供の学習費調査の結果について 詳しくはこちら
【参考】Money Motto!「子どもの習い事、費用はどのくらい?」こちら
【参考】CAREER CARVER『「子どもの習い事」人気ランキングと費用を調査データから読み解いてみた』詳しくはこちら
【参考】キッズならいごと「スイミングスクールの月謝の相場・平均は?100人に聞いた!」詳しくはこちら
【参考】キッズならいごと「習字教室の月謝の相場・平均はいくら?」詳しくはこちら
【参考】HugKum(はぐくむ)「月謝の相場や費用は?ピアノの習い事の効果やメリット、子どもに始めさせる時期」詳しくはこちら
【参考】HugKum(はぐくむ)「子供の習い事に「習字」 メリットやデメリットは? 月謝の相場や書道教室の選び方、おすすめ教室を紹介」こちら
【参考】こども英会話なび「大体の費用(月)」詳しくはこちら

習い事費用の平均を年齢別にチェック

習い事費用の平均を年齢別にチェック

習い事を始める上で気になるのは、月々の費用です。ベネッセ教育総合研究所の調査によると、習い事(スポーツ・芸術・家庭学習・教室学習)の費用の合計は月の平均で14,700円となっています。なお、年齢によって大きく開きがある点にも注目しましょう。学年(年齢)別の月々の平均をみると、以下のようになっています。

子供の習い事にかける1ヶ月の費用

学年 費用
3歳 3,200円
年少(4歳) 4,800円
年中(5歳) 7,900円
年長(6歳) 9,800円
小学1年生(7歳) 11,600円
小学2年生(8歳) 11,900円
小学3年生(9歳) 14,800円
小学4年生(10歳) 16,500円
小学5年生(11歳) 18,700円
小学6年生(12歳) 18,400円
中学1年生(13歳) 18,800円
中学2年生(14歳) 21,500円
中学3年生(15歳) 25,900円
高校1年生(16歳) 14,300円
高校2年生(17歳) 17,600円
高校2年生(18歳) 18,900円

【参考】ベネッセ教育総合研究所「学校外教育活動に関する調査2017」詳しくはこちら


最も安いのは3歳のときで、最も高くなるのは中学3年のときです。
習い事の内訳(スポーツ・芸術・家庭学習・教室学習)では、スポーツ関連の習い事が最も高くなるのは小学3年生で、塾などの教室学習関連の習い事が最も高くなるのは高校入試を控える中学3年生となっています。

年収でみる習い事にかけられる費用

年収でみる習い事にかけられる費用

子供の習い事にかける費用は子供の年齢によって大きく異なりますが、親の年収によっても大きく差が出ます。子供の習い事にかける1ヶ月の費用を親の年収別にみると、以下のとおりになります。

子供の習い事にかける費用(年収別)

年収 費用
400万円未満 8,000円
400万円以上、800万円未満 13,400円
800万円以上 25,000円

【参考】ベネッセ教育総合研究所「学校外教育活動に関する調査2017」詳しくはこちら

上の表から、年収が400万円未満と800万円以上とでは、習い事にかける費用が3倍以上に膨れ上がっていることが分かります。しかし、年収に占める習い事の費用の割合を見ると、大きな差はありません。例えば、仮に年収300万円の家庭で考えると、習い事にかける年間費用は9.6万円(8,000円×12ヶ月)になるので「9.6万円÷300万円×100=3.2%」です。同様に年収600万円の家庭では2.68%、年収1,000万円の家庭では3%です。習い事にかける費用はおおよそ年収の2~3%に収まっているため、これがひとつの目安といえるでしょう。子供自身が何を習いたいか、または親が何を習わせたいかという点から習い事を決めることも大切ですが、続けられなくなるほどの高額な月謝が必要になるのも困りもの。何を習うかを決める際には、どれくらいの費用がかかるかを把握しておく必要があるでしょう。

月謝以外にかかる思わぬ費用にご用心

月謝以外にかかる思わぬ費用にご用心

習い事にかかる費用は、いわゆる「月謝」だけではありません。例えば、習い事が野球やサッカー、テニスなどのスポーツなら、試合会場までの交通費や遠征費、または合宿の費用などもかかります。他にも、ユニフォームやその他の道具、備品なども揃える必要があるでしょう。費用ではありませんが、土日に応援や手伝いなどを要することもあるため、保護者がパートやアルバイトなどの日給制の仕事をしている場合は、給料が減ることも考えられます。
また、音楽関連の習い事では、自宅で練習するのであれば楽器や楽譜などが必要になりますし、家に防音設備を設置したり、場合によっては防音設備の整った物件への引っ越しも考えたりしなければならないでしょう。
以上のことから、習い事をする際には月謝に加えていくら必要になるかトータルで考えることが大切です。

教育ママは要注意!学校選択で変わる習い事事情

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面白いことに、習い事にかかる費用は、通う学校が公立か私立かによっても異なります。調査によると私立に通うと習い事の費用(学校外教育費)も多くなるという結果が出ています。

公立に通う子供の学校外教育費(年額)

学校区分 費用
公立幼稚園 92,983円
公立小学校 217,826円
公立中学校 301,184円
公立高等学校 174,871円

私立に通う子供の学校外教育費(年額)

学校区分 費用
私立幼稚園 133,705円
私立小学校 613,022円
私立中学校 320,932円
私立高等学校 285,067円

【参考】文部科学省 「(報道発表)平成28年度子供の学習費調査の結果について」 詳しくはこちら

私立に通う家庭は、収入水準がそもそも高い、もしくは教育に力を入れていると考えられるため、公立より学校外教育費が高くなりやすいと言えます。しかし、私立は授業料の負担が大きいため、子供に十分な習い事をさせたい場合には、私立に通うよりも費用の安い公立に通って習い事を充実させたほうがよいかもしれません。子供の進路を公立か私立かで迷っている場合は、習い事も含めた教育費全体から考えることも必要です。

まとめ

習い事選びは、何をさせるかということも重要なポイントですが、費用がどれくらいかかるのかということも想定しておくことが大切です。どの学年から始めるのか、年収はいくらか、通う学校は公立か私立か、といった観点から、無理のない範囲で習い事を選びましょう。

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