マイホームを検討するなら知っておくべき「住宅ローンの審査」とは?基準や通らない理由など
マイホームを購入するときの最初の関門が住宅ローンの審査です。審査が通るまでは誰もが不安ですが、具体的にはどのような点が審査されるのでしょうか。今回は、住宅ローンの審査について、手続き、審査基準、承認されなかった場合の対処方法について解説します。
まずは住宅ローン審査の流れを知ろう!
住宅ローンの審査は、住宅の購入者が金融機関にローン審査を申し込むことで始まります。まずはローン審査の手続きの流れを確認しておきましょう。
申し込み前の準備
購入者は、まず住宅ローンを申し込む金融機関を選びます。
販売を行っている不動産会社が提携している金融機関に申し込むのが一般的ですが、個人事業者や会社経営者など特定の金融機関と取引実績がある人は、取引のある金融機関に住宅ローンを申し込むと金利が優遇される場合があります。
申込前に、仮審査の必要書類を準備しておくと手続きが円滑に進むでしょう。
出典(仮審査の必要書類)
・本人確認書類(運転免許証、パスポート、写真付きマイナンバーカードなど)
・年収金額などを証明する書類(源泉徴収票、確定申告書のコピーなど)
・購入物件のパンフレットなど物件概要がわかるもの
書類のほか、印鑑(認印/実印)などが必要になる場合もあります。金融機関に確認してください。
申し込み
住宅ローンの申込・審査手続きには仮審査と本審査があります。
売買契約の前に、住宅ローンの融資見込みを確認しておくために行われるのが仮審査です。
物件の購入申込書を提出した後すぐに仮審査の申込書類と事前に用意した添付書類を金融機関に提出します。
審査
住宅ローンの仮審査では、迅速に審査結果を通知することを優先して、簡易な書類で済ませることがほとんどです。具体的には先述のような書類が求められますが、自己申告で審査してくれる金融機関もあります。
仮審査申込後、早くて2~3日、遅くとも1週間以内には仮審査の結果が判明します。
仮審査承認および売買契約締結後、ローン審査の本申込を行います。
本審査の段階ではもう少し詳細な資料が求められます。特に年収証明書類については自己申告では通らず、源泉徴収票や確定申告書の写し、法人代表者であれば法人の決算書類や納税証明書を求められるのが一般的です。
物件資料についても、販売資料に加え売買契約書、重要事項説明書の写し、物件の登記簿謄本の写しを提出する必要があります。
入金
本審査の承認が下りたら、いよいよ住宅ローンの本契約(金銭消費貸借契約)、資金の実行です。決済引き渡しの当日には、物件の鍵引渡しと住宅ローンの入金、売主への代金支払い、所有権移転および抵当権設定登記という一連の手続きが行われます。振込票や委任状など事前に用意できる書類は前日に作成しておくと、当日の負担を軽減できます。
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住宅ローン審査の内容
住宅ローンの審査は金融機関が行います。金融機関では、審査担当者が年収、完済年齢、自己資金比率、返済負担率などを総合的に検討して審査結果を導き出します。もっとも近年では、審査基準について独自のスコアを設定し、審査書類を基にスコアをつけてその合計点によって承認の可否を決定する「スコアリング方式」を採用する金融機関も増えてきているようです。
では、具体的にどのような項目が審査基準に挙げられているのでしょうか。国土交通省が発表した「令和元年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」(2020年発表)によれば、以下のような審査基準が挙げられています。
上に挙げた項目は、金融機関の9割以上が審査項目に挙げたものです。完済時年齢や借入時年齢、金融機関の営業エリアなどは形式的な基準ですが、他にも年収や勤続年数、連帯保証人の経済状況などを融資担当者が考慮して審査します。
「返済負担率」とは、年収に占める年間元利払い合計額の割合のことです。金融機関が設定する上限は30%から35%といわれていますが、一般的には25%以内が好ましいとされています。
その他、審査項目に挙げられているものとしては、融資率(自己負担金比率)、国籍、カードローン等の返済状況、申込人との取引状況などがあります。
今回挙げた審査項目はあくまで例示として紹介したもので、本人の経済状況や勤務先等で変わる可能性があります。金融機関の担当者から思いがけない質問があるかもしれませんが、誠実に対応しましょう。
【参考】国土交通省「令和元年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」 詳しくはこちら
ローンが通らないのはなぜ?
住宅ローンの審査に通らないことはそれほど珍しいことではありません。
住宅ローンに通らなかった場合には、まず販売担当者に不承認の理由を聞いてみることです。はっきりとした理由が金融機関から開示されることはありませんが、金融機関の担当者から大まかな理由が口頭で告げられることもありますし、販売担当者がうすうす気づいていることもあります。
住宅ローン審査が通らない理由は、大きく分けて本人の経済状況と物件の状況の2つに分かれます。
借り入れ額が大きすぎるなど本人の経済状況によるもの
審査が不承認になる理由として最も多いのは、本人の年収が審査基準に達していない、健康状態が悪く団信(団体信用生命保険)に加入できない、ローン延滞や破産の経験により信用状態に問題があるなど、本人の経済状況によるものです。
このような場合には、自己資金を追加する、物件を変更するなどしてローン金額を減額することも検討する必要があります。
場合によっては、親類などに援助をお願いして返済負担率を下げる、夫婦の年収を合算して申し込む、親子リレー返済を申し込むなどの方策によって解決することもあります。
審査が不承認となってもあきらめずに金融機関をかえて何度か申し込んでみることも大切です。
物件が古すぎるなど物件状況によるもの
物件が古すぎる、物件の所在エリアが田舎の土地で他に買い手が見つかりにくい、物件の担保評価が低い、などの理由で審査が通らなかった場合には、基本的にはほかの金融機関にもう一度審査をお願いしても同様の結論になることが多いでしょう。このような場合には、他に資金調達手段がなければ、対象物件の購入自体を検討しなおすことも必要かもしれません。
まとめ
住宅ローンの審査申込の際には自分の経済状況を説明しなければならないために、少し恥ずかしいと思う気持ちもあるかもしれません。しかし、販売担当者は毎日のように資金計画の相談に乗っているのですから、慣れています。ローン審査の前には、なんでも包み隠さず話して相談した方が、担当者も審査通過の糸口を見つけやすくなります。
さまざまな方策を検討して、住宅ローン審査の承認を勝ち取りましょう。
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