別荘や別宅を検討中の方は検討すべきセカンドハウスローンとは?

別荘や別宅といったセカンドハウスへの関心が高まっています。セカンドハウスを手に入れるためにローンの利用が必要な人も多いと思いますが、別荘や別宅の購入に住宅ローンは利用できるのでしょうか?セカンドハウスとローンに関する情報をお伝えします。

別荘や別宅を検討中の方は検討すべきセカンドハウスローンとは?

セカンドハウスを手にする目的は?

セカンドハウスを手にする目的は?

セカンドハウスとは、日常生活の拠点としている住居(以下、マイホームとします)ではない別荘や別宅などの“第二の住まい”のことを指します。

一般にセカンドハウスというと、資金に余裕のある人が保養や避暑・バカンスなどを目的として所有するイメージがあります。しかし、ライフスタイルの多様化に伴って、必ずしもバカンス目的ではないセカンドハウスの活用法も注目されています。

例を挙げてみましょう。

・生活拠点は郊外だが、遠距離通勤となるため平日は職場近くで滞在したい
・生活拠点は都心部だが、週末や休日は自然に囲まれて過ごしたい
・仕事の都合上、本格的な移住は難しいが田舎暮らしをしたい
・夫の単身赴任、もしくは子供が他府県へ進学するために住居を確保しておきたい
・退職後に備えて、今から老後の住まいを別の場所に準備しておきたい
・余暇を使って、趣味などに没頭できる空間がほしい


このように、さまざまな目的や希望を叶えたい人にもセカンドハウスは向いています。

また、最近では、

・テレワークの普及などにより郊外やリゾート地で仕事ができる場所を確保したい

と考えている人のあいだでも、セカンドハウスへの注目が高まっています。

セカンドハウスローンとは?

セカンドハウスローンとは?

金融機関によっては、一般の住宅ローンとは別に「セカンドハウスローン(※1)」と呼ばれるセカンドハウスを購入するための専用ローンを取り扱っています。
基本的に、一般の住宅ローンは契約者本人(またはその親族)が生活の拠点として居住するための住宅を建築(増改築)・購入することを目的とした場合に利用できるローンです。

そのため、別荘や別宅のようなセカンドハウスを建築(増改築)・購入する場合は、一般の住宅ローンは原則利用することができません。申込条件や金利などが一般の住宅ローンとは異なる、セカンドハウスローンを利用することになります。

ただし、住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携して提供している全期間固定金利の住宅ローンである「フラット35」は、セカンドハウスの取得にも利用することができます。

※1 金融機関により名称は異なります。

セカンドハウスローンと一般の住宅ローンの違い

セカンドハウスローンと一般の住宅ローンの違い

セカンドハウスローンと一般の住宅ローンにはどのような違いがあるのでしょうか。主な違いとして、次の3つが挙げられます。

1. 金利を比較するとセカンドハウスローンの方が高い

金融機関の多くは、一般の住宅ローンに比べてセカンドハウスローンの金利を高めに設定しています。これは、金融機関から見ると、セカンドハウスをいわゆるぜいたく品として扱っていることと、デフォルト(ローンの返済ができなくなること)の可能性が一般の住宅ローンより高いと考えているためです。

ある金融機関では、セカンドハウスローンの金利は3.275%で、一般の住宅ローンの金利は2.475%と設定されています(※2)。

※2 2020年10月1日現在・金利引き下げ前の変動金利 三菱UFJ銀行「ローン金利」 詳しくはこちら

2. 年収の基準がセカンドハウスローンの方が厳しくなる

ローン審査項目のなかでも、「勤続年数や年収」「返済負担率」は、セカンドハウスローンの審査ではより厳しい基準になっていることが多いようです。
セカンドハウスローンの利用者は、マイホームの住宅ローンも借入していることが多く、2つのローンの返済が可能かどうかの判断が必要となるからです。また、上記の通り金利も高いため、毎月の返済額が増え、家計の負担も増加するため、より多くの年収が求められます。
そのため、セカンドハウスローンの場合「前年度の年収(自営業者の場合は申告所得)が500万円以上」などと年収の最低基準を明記している金融機関も見られます。

3. 住宅ローン控除はセカンドハウスローンでは適用されない

住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)は、マイホームの取得の場合に適用される制度であるため、セカンドハウス取得のためのローンは、住宅ローン控除の対象にはなりません。

セカンドハウスローンのメリットや注意点など

セカンドハウスローンのメリットや注意点など

セカンドハウスローンを利用するメリットや注意点も確認しておきましょう。

手元に資金がなくてもセカンドハウスを購入できる

セカンドハウスローンを活用することで、マイホームと同様に、手元に一括で購入する資金がなくても、セカンドハウスを手に入れることができます。また、ほとんどのセカンドハウスローンでは住宅ローンと同じように返済期間を最長35年とすることができるので、毎月の返済金額を抑えながら取得することができます。

家計への影響もあるので借入は慎重に

一方、マイホームを購入するために一般の住宅ローンを利用している場合、セカンドハウスローンも借入すると2つのローンの返済を続けることになります。そのため「収入が減少してしまった」「金利が上昇し、毎月の返済額が増えることになった」といった事態になった場合に、ローンの返済が家計を圧迫したり、返済が滞ったりする可能性もあります。そうならないためにも、確実に返済していくことができるのかどうか、借入に際しては、慎重に検討して下さい。

まとめ

まとめ

ローンを利用してセカンドハウスを取得する場合は、一般の住宅ローンは利用できません。代わりにセカンドハウスローンを利用することになりますが、通常、一般の住宅ローンに比べて審査基準が厳しかったり、金利が高くなったりすることを理解しておきましょう。
また、セカンドハウスローンを取り扱っている金融機関によっても条件などが異なりますので、フラット35も含めなるべく有利なローンを選べるよう、しっかりとした情報収集を行うことが大切です。

セカンドハウスのある生活に憧れる人は多いと思いますが、セカンドハウスも住宅である以上、高価な買い物です。家計に与える影響を考え、確実な返済計画を立ててから購入するようにしましょう。

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