かならず来る「ひとり」のための「孤独死回避」講座

ひとり老後は、ある日突然やって来ます。その時、あなたは誰にも頼らず、ひとりで生活していかなくてはなりません。家族がいても、離れて暮らしていれば当てにはできないでしょう。そして、孤独死を回避し、他人に迷惑をかけないためにも、今からの備えが必要です。

かならず来る「ひとり」のための「孤独死回避」講座

「ひとり老後」は誰にでも突然やって来る

ひとり老後は独身の人に限ったことではなく、夫婦ふたりで暮らしている人にも、ある日突然やってきます。子供がいても、離れて暮らしていれば当てにはできません。いざひとり老後になったとき、あなたはどうしますか? ひとりで暮らしていく覚悟はできていますか?
ひとり老後で頼りになるのは、大きく次のふたつです。

①十分な老後資金
金融庁の金融審議会が取りまとめた「老後資金は2000万円必要」との報告書が世間を騒がせたのは記憶に新しいところです。その後、金融庁では、「1500万~3000万円必要」とする別の試算も行っていたことが報告されています。
老後の収入や支出、暮らし方は個人差が大きく、必要な老後資金の額も一概にはいえませんが、いずれにしても、年金制度だけでは足りないことも多く、安心して老後を迎えるには十分な老後資金が必要なことはいうまでもありません。

【参考】金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」 詳しくはこちら

②安心・安全な生活環境
ひとり老後の生活面で心配なのは、死んで何日かたったあとに発見される、いわゆる「孤独死」でしょう。脳卒中や心臓病の発作で倒れたとき、ひとり暮らしで誰にも気づいてもらえなければ、本来は助かる命を失うことになってしまいます。孤独死を避けるためには、安心・安全に暮らせる環境が欠かせません。

ここからは、お金の問題はさておき、ひとり暮らしの人が孤独死を回避するための方法を紹介しましょう。

■高齢者向け住宅の利用で孤独死を防ぐ

ひとり暮らしの人が孤独死を避けるには、まず高齢者向け住宅の利用が考えられます。
入居時の費用や月額費用にこだわらないのであれば、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、シニア向け分譲マンション、有料老人ホームがあります。安いほうがよければ、高齢者向け地域優良住宅、シルバーハウジング、高齢者向けシェアハウス(グループリビング)、ケアハウスの中から選ぶといいでしょう。いずれもバリアフリー化など、高齢者が暮らしやすい設備環境が整っています。
特にサ高住は、ケアスタッフによる見守りが義務づけられているので、万が一、脳卒中や心臓病の発作などが起こった時、すぐに対応してもらえるので安心です。

■自宅で暮らす人は「見守りサービス」を活用

高齢者住宅も選択肢のひとつとはいえ、やはり住み慣れた現在の家を離れたくないという人もいるでしょう。そんな、ひとり老後を自宅で過ごす人にとって必須となるのが、高齢者向けの「見守りサービス」です。
主な見守りサービスを紹介しましょう。

①訪問サービス型
民生委員など自治体のスタッフや、郵便局のスタッフが定期的に高齢者の自宅を訪問し、安否確認をしてくれるサービス。郵便局が行う「みまもり訪問サービス」は有料で、月1回訪問して10項目の生活状況を確認し、その結果を離れて暮らす家族などへメールで通知します。訪問回数が少ないのが難点ですが、定期的に訪問してもらえる安心感は大きいといえるでしょう。郵便局の場合、利用料金の目安は月額2,500円となっています。

【参考】郵便局の見守りサービス 詳しくはこちら

②オート電話型
決まった曜日・時間帯にオート電話(自動音声)がかかってきて、体調を確認してくれるサービス。確認内容は、離れて暮らす家族などへメールで通知されます。代表的なのは郵便局の「みまもりでんわサービス」で、固定電話・携帯電話を問わず利用できます。自動音声の操作だけで安否確認ができますが、固定電話の場合は指定時間に外出できないのが難点です。利用料金の目安は月額1,070〜1,280円(郵便局の場合)。

【参考】郵便局の「みまもりでんわサービス」 詳しくはこちら

③ガス利用状況確認型
主に東京ガスや大阪ガスが提供しているサービス。1日のガス使用量がゼロのとき、離れて暮らす家族などにメールで通知されます。東京ガスの場合、オプションを付ければ、警備員による「駆け付けサービス」も受けられます。安否確認だけでなく、ガスの消し忘れや風呂の空焚きなどの異常も発見されます。利用料金の目安は月額980円(東京ガスの場合)。

【参考】東京ガスの見守りサービス 詳しくはこちら

④カメラ設置型
このサービスを提供する会社が高齢者の自宅に監視用カメラを設置し、そのライブ映像を家族などがスマホで見て安否確認するサービス。体調の異常だけでなく、食事をとったか、薬を飲んだかなど、細かい生活状況が24時間・365日リアルタイムで通知されます。ただし、プライバシーが侵害されるのを嫌がる高齢者も少なくありません。利用料金の目安は月額8,000~9,000円程度で、他のサービスに比べてやや高めの傾向にあります。

⑤緊急ボタン&センサー型
主に警備会社が提供しているサービス。高齢者が救急信号を送る緊急ボタン付きの機器を携帯する、さらに自宅内(トイレなど)に異常信号を発信するセンサーを設置することで、緊急時には警備員に駆け付けてもらえます。健康面で不安があれば、専用回線で電話相談もできます。緊急ボタン付き機器やセンサーなどの初期費用はかなりかかりますが、月額の利用料金は3,000~5,000円とお手ごろです。

まとめ

先に挙げた②~④の見守りサービスは、離れて暮らす家族などがいる高齢者に役立つサービスです。家族やすぐに頼れるような親族・友人に当てがない人は、①の訪問サービスか、⑤の緊急ボタン&センサー型を利用するといいでしょう。
どんなに仲の良い夫婦でも、老後はどちらかが取り残されることがほとんどです。その時になって慌てることのないように、「ひとり老後」になったら自分はどうするかをしっかり考えておきましょう。

特に、ご自身が認知症になり、意思確認ができなくなると、口座からお金を引き出せなくなってしまう場合があります。そんな時のために、ご自身も安心してお金を使い続けることができ、家族(代理人)もお金を引き出せ、何に使ったかがすぐわかる「みまもり機能」が付いている口座を今から持っておくのも良いのではないでしょうか。

※記事内で掲載しているサービスの利用料などは2020年3月現在の価格です。

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