終活なら考えるべき「運転免許自主返納」の理由や手続きのメリットなど

日本全国で高齢ドライバーによる死傷事故が多発しています。万一、相手を死亡させたら、被害者の遺族を悲しませるばかりか、その賠償責任は加害者であるドライバーだけではなく、家族が負うことになるかもしれません。家族でしっかりと免許の自主返納について話し合っておきたいものです。

終活なら考えるべき「運転免許自主返納」の理由や手続きのメリットなど

高齢ドライバーの事故はなぜ多発しているのか?

高齢ドライバーの事故原因の多くは、ブレーキとアクセルの踏み間違いです。高速道路の逆走による事故も増えています。こうした初歩的ともいえる運転ミスは毎日数多く起こっていますが、そのミスが大事故となり多くの命を奪う結果となって初めて、マスコミで大きく報道されます。

初心者ならまだしも運転に慣れているはずのドライバーが、なぜブレーキの踏み間違いなどの初歩的なミスを犯してしまうのでしょうか。

①視力の低下
ドライバーにとって特に重要なのは動体視力ですが、この視力は車の速度を上げるほど低下しますし、年を取るほど低下します。暗がりへの順応力も低下し、トンネル内に入ってから暗闇に目が慣れるまでに時間がかかるようになります。

②視野の狭まり
正常な目であれば、片方の目で左右160度ほどの視野を持っているとされています。ところが、高齢になると、緑内障などの目の病気などにより視野が狭まることがあります。特に、交差点を右折するときに対向車や歩行者を見落とすなどの事故を起こしかねません。

【参考】日本眼科医会「視覚障害と自動車運転」 詳しくはこちら

③反応力の低下
例えば、急に子供が車道に飛び出して来たら、それを認知して「ブレーキを踏む」「ハンドルでかわす」のどちらかがいいかを咄嗟に判断し、行動に移さなければなりません。こうした反応力は、年を取るほど低下します。そして、ブレーキを踏んだつもりなのに間違えてアクセルを踏んでしまうケースが少なくないのです。

④運転への過度の自信
MS&ADインターリスク総研(株)の調査によると、運転に自信のある人の割合は、20代から60代にかけて減っていくものの、60代から一転して増えていきます。
反応力に優れた20代の若者が約49%なのに対し、70~74歳が約61%、75~79歳が約67%、そして80歳以上ではなんと72%。その自信を支えるのは、加齢による視力の低下などを考慮しない長年の運転経験なのです。
しかし、今まで安全運転を続けてきたという自信は、これからの無事故を保証するものではありません。

【参考】MS&ADインターリスク総研(株)「高齢者運転事故と防止対策」  詳しくはこちら

運転免許自主返納は自分のためだけではない

近年、運転免許を自主返納するドライバーが急激に増えています。高齢者が運転免許を自主返納するのは、自分のためだけではなく、家族のためでもあります。

そこで、活用したいのが、運転免許の自主返納制度です。この制度にはメリットが多く、返納する人は年々増加しています。

運転免許自主返納のメリット

運転免許自主返納のメリット
運転免許を返納すると、運転免許証を身分証明書として使えなくなって困ると思う人もいますが、そのような心配は不要です。

①「運転経歴証明書」の交付が受けられる
運転免許証を返納すると、運転経歴証明書の交付を受けることができます。運転経歴証明書は、運転免許証の代わりに公的な身分証明書として使うことができます。ただし、交付手数料がかかります。

②運転経歴証明書でさまざまな特典が受けられる
運転経歴証明書を所持していると、バスやタクシーの運賃割引をはじめ、デパート・スーパー・専門店・商店街の商品割引、レストランの飲食料金割引、ホテル・美術館・温泉・レジャー施設の利用料金割引が受けられます。また、医療や介護、墓石などの割引なども受けられることもあります。
住んでいる地域によって利用できる店や特典が違うため、詳しくは警視庁のホームページで確認するといいでしょう。

運転免許自主返納の手続き

運転免許返納の手続きは、実に簡単。住んでいる地域を管轄する警察署または運転免許センターに行って、運転免許証を返納するだけです。手続きは基本的には平日のみですが、地域によっては土日に受け付けているところもあります。また、印鑑が必要になるところもあるので、事前に地域管轄の警察署のホームページで確認してください。

まとめ

運転免許返納は、ドライバー本人だけでなく、家族にとっても人ごとではありません。本人がどんなに運転に自信を持っていてもミスは起こりますし、心臓病などの持病があれば運転中に倒れてしまうことも考えられます。
運転免許返納に当たっては、家族みんなでよく話し合いましょう。このまま運転を続けることでどのようなリスクがあるのか、返納したことで得られるメリットなど、全員がきちんと把握しておくことが大切です。

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