退職金でリフォームを検討する前に!考えるべき5つのこと

退職金の使い道として、自宅のリフォームを考えている方も多いことでしょう。しかし、いくら多額の退職金がもらえるとはいえ、リフォームをするには退職金の大半を使うことになります。そこで、退職金の使い道としてリフォームを選ぶ前に考えておきたい5つのポイントをご紹介します。

退職金でリフォームを検討する前に!考えるべき5つのこと

退職金の使い道のひとつとして人気のリフォーム

退職金の使い道のひとつとして人気のリフォーム

退職金の使い道として、ご自宅のリフォームを選ばれる方は多いことでしょう。実際にリフォームは、退職金の使い道ランキングにも入っています。「株式会社エアトリ」がおこなった退職金の使い道調査によると、13%の方がリフォームと回答しています。

【参考】株式会社エアトリ「7割以上の会社で導入されている退職金制度 5人に1人以上が「2,000万円~3,000万円未満」 退職金でしたい事1位は海外旅行!」詳しくはこちら

なぜリフォームが人気なのでしょうか? その理由として、リフォームにはさまざまなメリットがあることが考えられます。まず挙げられるのは、住み心地が良くなることです。古くなったキッチンやお風呂を綺麗にすることで、快適に過ごせるようになり、バリアフリー化すれば身体が不自由になったときも安心して暮らせます。
次に、リフォーム後の生活費の節約が挙げられます。例えば、断熱機能を導入すると、電気代のコストカットが期待できます。また、断熱機能を高めることで、高齢者に多い冬の風呂場で起こりやすいヒートショックなどのリスクが減らせるというメリットもあります。

退職金でのリフォームを検討する際に!考えるべき5つのこと

そんなリフォームですが、実際におこなうとなると多額の費用がかかります。退職金がいかに大金とはいえ、リフォームに退職金の大半を使ってしまうと、ほかのことに回すお金がなくなってしまいます。そこでここからは、リフォームを検討する前に考えておきたい5つのポイントをご紹介します。

リフォームが本当に必要なのか

①リフォームが本当に必要なのか

まず考えておきたいのが、そもそもリフォームは本当に必要なのかということです。リフォームした家にどれくらい住むつもりなのか、そのあと家をどうするつもりなのかを考えてみましょう。家に住む期間が短いのであれば、リフォームをしないほうがお金を効率的に使えることも考えられます。

リフォームをするとしても、今すぐリフォームが必要な箇所、今後劣化してきたらリフォームする箇所を分けて考えましょう。また、60代で必要な家と80代で必要なリフォームは異なります。大幅な工事を何度も行わなくていいように、長い目で見て計画的なリフォームを検討しましょう。

リフォーム以外に退職金の使い道はないか

たとえ家の老朽化などでリフォームが必要であったとしても、退職金の使い道はそれだけではありません。最初に退職金の使い道ランキングで示したとおり、貯蓄や生活費に回すという使い方も考えられます。リフォーム代にかかる資金があれば、海外旅行に複数回行けたり、資産運用の元手にして貯蓄を増やしたりもできるでしょう。退職金の使い道が本当にリフォームでよいのか、ほかの使い道がないかじっくり考えてみることが大切です。優先順位をつけて、それぞれに回すお金を試算してみるのがよいでしょう。

リフォームに使う金額は適切か

リフォームに使う金額は適切か

リフォームの際に陥りがちなのが、せっかくだから一度にあれもこれもと直したい箇所が増え、想定よりも費用がかさんでしまうことです。退職金を使ってリフォームしようと考えると、多少費用がかかっても余裕があると考えてしまい、最終的に費用が想定よりも大幅にオーバーしてしまうこともあります。リフォームだけにお金をかけすぎると、後々生活費に困るケースも十分に考えらます。大金を手にするとリフォームのアイデアがいろいろ思い浮かぶかもしれませんが、それが本当に必要なのかを冷静に考えることが大切です。

例えば、子供部屋を書斎に変えたい場合、本当に必要なのは机や本棚、部屋の広さなどを考えたリフォームです。よほどの汚れや不具合がない限り、壁紙や床を新調する必要はありません。
しかし、いざリフォームしようと思うと、思いどおりの書斎にするために、部屋のいろいろなところに手を加えたくなることでしょう。そこでリフォームを検討するときには、「したいかどうか」ではなく、「必要かどうか」を判断基準として検討することが重要となります。

リフォームで減税のメリットが受けられるか

リフォームで減税のメリットが受けられるか

バリアフリーや省エネ関係のリフォームで、対象となる工事であれば、減税制度が利用できる場合があります。以下に、その一例を示します。

バリアフリー改修工事に関する減税

対象となる工事をおこなうと、所得税と固定資産税の減税を受けることができます。概要は以下のとおりです。

バリアフリー改修工事に関する減税の概要

税金の種類 所得税 固定資産税
減税期間 1年または5年(投資型かローン型かで異なる) 2022年(令和4年)3月31日までに工事完了
期限 2021年(令和3年)12月31日までに居住開始 2022年(令和4年)3月31日までに工事完了
上限額 20万円(投資型)または62万5,000円(ローン型) 家屋の固定資産税額の1/3(100㎡相当分まで)

【参考】住宅リフォーム推進協議会「住宅リフォームの税制の手引き 本編・証明書記載例 令和元年度版 バリアフリーリフォーム編 概要」詳しくはこちら
【参考】金融庁「令和2年度税制改正の大綱における主要項目について」詳しくはこちら

省エネ改修工事に関する減税

対象となる工事をおこなうと、所得税と固定資産税の減税を受けることができます。概要は以下の通りです。

省エネ改修工事に関する減税の概要

税金の種類 所得税 固定資産税
減税期間 1年または5年(投資型かローン型かで異なる) 1年(翌年度分)
期限 2021年(令和3年)12月31日までに居住開始 2022年(令和4年)3月31日までに工事完了
上限額 20万円(35万円)(投資型)または62万5,000円(ローン型) 家屋の固定資産税額の1/3(100㎡相当分まで)

【参考】住宅リフォーム推進協議会「住宅リフォームの税制の手引き 本編・証明書記載例 令和元年度版 省エネリフォーム編 概要」詳しくはこちら
【参考】金融庁「令和2年度税制改正の大綱における主要項目について」詳しくはこちら

そのほか耐震工事や長期優良住宅化の工事をおこなった場合も同様に、減税を受けることができます。もちろんリフォームは住居の快適さを求めておこなうものなので、減税だけを考えてリフォームするのは得策ではありませんが、効率的に退職金を利用するためにも検討している工事が減税対象かどうか一度確認してみましょう。

リフォームをおこなう時期はいつにするか

実は、リフォームの時期を考えることはとても大切です。早くリフォームしすぎると、時間が経ってからまたリフォームが必要になる可能性があります。一方で、光熱費を削減するようなリフォーム、減税を受けられるリフォームなら、早めにおこなった方がメリットとなる場合もあります。このように、家の状態やリフォームの内容によって、適切な時期は異なります。

リフォーム時期に悩んだら、住宅の改修について診断してくれる専門家であるホームインスペクター(住宅診断士)が助けになることでしょう。リフォーム費用については、リフォーム業者やファイナンシャル・プランナー、金融機関なども相談に乗ってくれるので、利用してみるのもひとつの手です。

まとめ

退職金を使ったリフォームは、多くの方が考える退職金の使い道の一つです。しかし、「退職金は全部リフォームに使う」と安易に考えず、まずはリフォームの必要性や内容についてしっかりと検討してみてください。費用や時期についても入念に計画を練り、退職金を適切に利用することをおすすめします。

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