車の名義変更の費用はいくら?車の名義変更に必要な手続き、必要な費用を解説

家族や友人から車を譲り受ける場合や亡くなった方の車を相続する場合、中古車を所有する場合などは、車の名義変更が必要となります。今回はいわゆる普通車、特に乗用車の名義変更を行う際に必要な書類や費用、手続きの方法について解説します。また、名義変更を他人に依頼する場合にかかる費用についても紹介します。

車の名義変更の費用はいくら?車の名義変更に必要な手続き、必要な費用を解説

車の名義変更に必要な費用を解説

車の名義変更に必要な費用を解説

個人間で車を売買・譲渡した場合、自分自身で名義変更の手続きを行うケースが多いようです。このような場合、各官公署への申請手数料、ナンバープレート代など、諸費用を合わせて5,000~7,000円程度が必要となります。

車庫証明の取得費用:約2,500~3,000円

車庫証明(正式名称:自動車保管場所証明書)とは、所有しようとする車の保管場所(車庫)が適正に確保できていることを証明する書類です。この書類を交付してもらうためには、車の保管場所の住所を管轄する警察署に申請し、保管場所を確認・許可・証明してもらわなければなりません。現状、車を取得する場合、車庫証明が必要となる場合がほとんどですが、必要としない地域もあるので、都道府県警察に確認を取ってから取得しましょう。取得には申請料金と交付手数料が必要となります。

手数料は各都道府県によって変動しますが、普通車(軽自動車の規格を超える大きさの自動車)であれば申請料金は2,000~3,000円程度、交付手数料は500~600円程度となっています。例えば、東京都で申請する場合、申請料金の2,100円と交付手数料の500円の合計2,600円が必要です。お住まいの都道府県の手数料については、各都道府県の警察のホームページで確認してみてください。
また、マンションの駐車場や月極め駐車場を借りる場合、保管場所使用承諾証明書もしくは賃貸契約書の写し、その場所を保管場所として使い、車庫証明を申請することが許されているという証明書(費用が発生する場合あり)を添付する必要があるので、気を付けて下さい。同居している家族間での名義変更やローン完済による所有権解除などの場合であれば、車庫証明書の提出は必要ありません。ただし、自動車検査証に記載されている住所と現住所が異なる場合は車庫証明書の提出が必要です。

【参考】警視庁:「車庫証明について」詳しくはこちら
【参考】大阪府警察:「4.手数料及び5.取扱日時・窓口」詳しくはこちら
【参考】群馬県警察:「自動車の保管場所証明書の申請手続き(軽自動車を除く)」詳しくはこちら
【参考】島根県警察:「保管場所証明申請」詳しくはこちら

ナンバープレート代(変更がある場合):1,500~2,000円

ナンバープレート代(変更がある場合):1,500~2,000円

前所有者の住所と取得者の住所でナンバープレートを管轄する運輸局・支局が変わる場合、ナンバープレートの変更が必要となります。

ナンバープレート変更に必要な書類

必要書類 備考
車検証(自動車検査証) 車のダッシュボードなどに保管していることが多い
申請書(第3号様式) 運輸支局の窓口またはホームページからダウンロード
手数料納付書 運輸支局の窓口で入手
自動車税申告書 運輸支局の窓口で入手
旧所有者の印鑑証明 発行日から3ヶ月以内のもの
旧所有者の委任状 旧所有者の実印の押印があるもの
譲渡証明書 旧所有者の実印の押印があるもの
新取有者の印鑑証明書 発行日から3ヶ月以内のもの

上記の書類以外に、取得者の実印も必要となります。手続き当日は車両を運輸支局に持ち込み、手続きを行います。変更費用には地域差がありますが、普通車の場合は概ね1,500~2,000円程度です。車のライトを付けた際にナンバー部分が光る「字光式ナンバープレート」にする場合は、4,000円程度です。また、自分の好きな番号を作成する「希望ナンバー」の場合、上記に加えてさらに2,000~3,000円の追加費用が必要となります。希望ナンバーや字光式のナンバープレートは交付までに数日かかるため注意しましょう。

【参考】国土交通省 東北運輸局 青森運輸支局:「自動車の登録(番号変更)」詳しくはこちら

印鑑証明書発行費用:約600~1,200円

印鑑証明書とは、お住まいの市区町村役場に登録した印影の証明書のことです。「この押印は実印ですよ」ということを証明する役割があります。
車の名義を変更する場合は新・旧所有者両方の印鑑証明書が必要となり、いずれも発行してから3ヶ月以内のものであることが条件です。印鑑証明書は、市区町村の役所や証明書発行センターで発行してもらえます。マイナンバーカードを持っている方は、コンビニで印鑑証明書を発行することも可能です。スマホからでも申請できる自治体もあるのでぜひ活用してみましょう。
発行手数料は各自治体によって幅がありますが、概ね300円程度と見積もっておきましょう。ただし、印鑑登録をしていない場合は新たに登録手続きが必要です。登録料と証明書の発行手数料と合わせると、さらに数百円の費用がかかることがあります。

【参考】大阪市:「住民票の写しなどの交付手数料の改定について【平成29年4月1日から】詳しくはこちら
【参考】新宿区:「印鑑登録・印鑑登録証明書」詳しくはこちら

住民票発行費用:200~300円

住民票発行費用:200~300円

転居などの理由で旧所有者の車検証の住所と旧所有者の印鑑証明書の住所が異なる場合、古い住所から新しい住所に変更となっていることを証明しなければならないため、旧所有者の住民票、場合によっては戸籍の附表が必要となります。こちらも、発行してから3ヶ月以内のものであることが条件です。住民票については、発行手数料は200~300円程度で、最寄りの市役所や区役所で発行可能です。また最近では、マイナンバーカードを持っていれば、コンビニで発行できる場合もあります(自治体による)。

【参考】新宿区:「住民票等の証明」詳しくはこちら
【参考】三原市:「戸籍・住民票の写しなどの証明・発行」詳しくはこちら

名義変更の申請書

名義変更の申請書(第1号様式 ※)は、運輸支局の窓口に行けば手に入ります。また、国土交通省のホームページからもダウンロード可能です。印字や印刷方法に細かい指定があるため、自分で印刷する場合はホームページの注意事項をよく読んでから印刷しましょう。

※第1号様式の申請書とは、新規登録、新規検査、変更登録【住所、氏名の変更】、移転登録、所有者変更記録の際に使用するもの

【参考】国土交通省:「OCRシート等申請様式」詳しくはこちら

移転登録手数料:500円

移転登録手数料とは、運輸支局で名義変更を行う際に必要な手数料のことです。移転登録の場合に必要な金額は500円(全国一律)です。

【参考】近畿運輸局:「登録自動車の移転登録(名義変更)」詳しくはこちら

専門家に依頼して車の名義変更をする場合

専門家に依頼して車の名義変更をする場合

また、車の名義変更は、専門家に依頼することもできます。書類作成も含めて提出の代行を行ってくれるのが、行政書士です。行政書士に代行を依頼すると、数千~1万円程度の費用がかかるため、どうしても割高になってしまいますが、時間と手間を節約したい方にはおすすめの方法です。ちなみに名義変更をディーラーへ委任するという話を聞いたことがあるかもしれませんが、行政書士の資格を持っていなければ、官公署に提出する書類作成や提出代行を行うことはできません。ディーラーに委任した場合でも、結局行政書士に依頼することがほとんどであるため、行政書士に直接依頼する方が安価で済むでしょう。

車の名義変更に必要な手続きを解説

車の名義変更に必要な手続きを解説

名義変更の手続きはすべて運輸支局で行います。ここでは当日の流れについて解説します。地域によって手続きが異なるため、詳細は各運輸支局のホームページで確認しましょう。ナンバーの変更を行う方は、必ず変更対象となる車を持ち込んでください。

運輸支局で用紙の入手・作成

運輸支局の窓口で入手する書類は、基本的に以下の3枚です。

1.手数料納付書
2.自動車税・自動車取得税申告書
3.申請書(第1号様式)

【参考】近畿運輸局:「登録自動車の移転登録(名義変更)」詳しくはこちら

登録手数料の支払い(印紙の購入)

印紙販売窓口で、移転登録手数料分(500円)の印紙を購入します。これを手数料納付書に貼り付けます。

運輸支局窓口に書類の提出

書類一式を窓口に提出します。月末など繁忙期は大変混み合うため、時間に余裕を持って行きましょう。仕事などで時間が取れない場合は予め書類を作成して、家族や友人など他の人に提出をお願いするという手もあります。

車検証の交付

窓口で新しい車検証の交付を受けます。

税金の申告

税申告窓口に、作成した自動車税の申告書と車検証を提出します。自動車税環境性能割がかかる場合は、提示された金額を納税しましょう。
ナンバーを変更しない場合、名義変更の手続きはここで終了です。

ナンバーの返却(ナンバーの変更がある場合)

ナンバー返納窓口にナンバープレートを返納します。ナンバーの取り外しは各自で行いますが、工具や外し方については窓口で教えてもらえます。

新しいナンバーの交付(ナンバーの変更がある場合)

ナンバー交付窓口で新しいナンバープレートを購入します。希望ナンバーや図柄入りナンバー(ご当地ナンバー)などを事前申請していた方も、ここでナンバープレートを受け取ってください。

ナンバーの封印(ナンバーの変更を伴う場合)

取り付けたナンバープレートを封印してもらいます。封印とはナンバープレートを固定するボルト上に被せるキャップのようなもので、ナンバープレートを取得したという最終的な証明となります。以上で名義変更の手続きは終了です。

まとめ

今回は、車の名義変更に必要な費用や手続きの内容についてご紹介しました。面倒に思われがちな車の名義変更ですが、きちんと行わないと旧所有者との間で保険や税金のトラブルが発生するかもしれません。また、事故や盗難に遭った場合に所有者や使用者の確認が遅れてしまうというリスクもあります。売買や相続で車を譲り受けた方は、すみやかに名義変更を行いましょう。

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