お歳暮の相場はいくら?贈る相手別の相場とお歳暮マナー

お歳暮を贈ったり贈られたりというのは、日本ならではの師走の習慣ですが、お歳暮のマナーや相場は意外と知らない人も多いものです。マナー違反をして相手に不快な思いをさせないように、贈る時期とマナー、贈る相手別の相場や適した品物などについてご紹介します。なかなか決められないお歳暮の品選びのご参考にしていただければ幸いです。

お歳暮の相場はいくら?贈る相手別の相場とお歳暮マナー

お歳暮を贈る時期とマナー

お歳暮を贈る時期とマナー

毎年お歳暮の品選びに頭を悩ませている方も、今年初めて贈ることになった方も、お歳暮のさまざまなマナーをしっかりと理解し、失礼のないように贈ることが大切です。
心をこめて贈るお歳暮ですが、タイミングを間違えると、かえって印象を悪くしてしまうこともあります。
東日本の方に贈る場合には、12月1日から20日ごろに到着するように発送、西日本の方に贈る場合には、12月10日から20日ごろに到着するように発送します。北海道の方に贈る時期は、年々早まる傾向がありますが、12月10日から20日の間に届くように発送するのが通例です。いずれの地域も、遅くとも12月25日までには届くようにしたほうがよいでしょう。

◆東日本:12月1日〜12月20日前後
◆西日本:12月10日〜20日前後

お歳暮を贈るタイミングが遅れた場合は、のしの表書きをその時期に合わせたものに変えるようにしましょう。ただし、相手が喪中の場合は「年賀」や「謹賀」など祝いの意味を持つ言葉は控えましょう。また、法事法要の当日にお届けするのも失礼にあたります。

贈る時期に合わせた「のしの表書き」

贈る時期 表書き
12月20日過ぎ~年内中 寒中御見舞、寒中お見舞、寒中御伺、寒中お伺
1月1日(元旦)〜1月7日まで 御年賀、新年のご挨拶
(先方が喪中の場合はこの表書きは使用不可)
1月8日~2月4日(立春)ごろまで 寒中御見舞、寒中お見舞、寒中御伺、寒中お伺

お歳暮は、本来はお歳暮を持参して手渡すのが礼儀でした。とはいえ最近では、購入したお店から送ることも多くなっています。お歳暮を持参する場合とお店から発送する場合のマナーをご紹介します。
先方のご自宅に持参する際は、朝早い時間帯や昼食や夕食といった食事の時間帯を避けるようにしましょう。基本的には、事前に約束を取り付けてから訪問するのがマナーです。事前に相手の都合をうかがわずに急な訪問をする際には、先方に負担をかけないように、長居せずに玄関先ですぐに失礼するようにしましょう。
お歳暮は、風呂敷に包んで持参するのが正式なマナーです。しかし近年では、お店の紙袋に入れて持参することも一般的になってきています。先方に渡す際には、品物を風呂敷や紙袋から出して先方が表書きを読めるように品物の向きを正して両手でお渡しします。
お歳暮を宅配便で送る際は、感謝の気持ちをこめたお手紙を同封するようにしましょう。お店から送る場合など、お手紙を同封することが難しいときには、別途お手紙を郵送するようにしましょう。その際には、お歳暮よりもお手紙が先に先方に届くようにしてください。

【贈る相手別】お歳暮の相場

【贈る相手別】お歳暮の相場

お歳暮を贈る際に気になるのは、「どのような物を」そして「どのくらいの価格の物を」準備すればいいのかということではないでしょうか。お歳暮は、贈る相手によって予算の相場や適した品物が異なってきます。相手に合わせた物を贈って喜んでもらえるようにしましょう。

両親・親戚へのお歳暮

両親・親戚へのお歳暮

両親や親戚へのお歳暮の相場は、3,000~5,000円程度です。遠方に住んでいる場合には、5,000円程度の品が多いようですが、近隣に住んでいる両親や親戚には、3,000円程度の品を贈ることが一般的なようです。普段から付き合いが深い関係のため、無理をして高額な品物を選ぶよりも、相手の好みにあった品物を贈りましょう。近隣に住んでいる両親や親戚でも特別にお世話になっている場合は、少し相場より高額な品を用意することもあります。品物は、両親や親戚は好みがわかっていることが多いので、それぞれ先方の好みに合うものを探しましょう。両親の場合は、あえてお歳暮という形にはせずに、お誕生日や母の日・父の日といった行事の際にプレゼントするのも、親しみが感じられて気持ちが伝わりやすいでしょう。

上司・得意先へのお歳暮

上司・得意先へのお歳暮の相場は、5,000円程度です。近年では上司・得意先へのお歳暮は減少傾向にありますが、一度贈った場合は、翌年以降も贈り続けるのが礼儀です。その点も踏まえた上で贈る必要があります。関係性に応じて金額は変わってきますが、特にお世話になっている上司の方でも、10,000円を超えるような品物は避けるべきです。感謝を伝えるための贈り物であるため、相手に気持ちよく受け取ってもらえる価格の品物を選びましょう。贈るのに適した品物は、先方の家族構成なども考慮して決めます。子供がいるご家庭ならばお菓子やジュースなどが喜ばれることが多いでしょう。お酒好きであればビールや日本酒などもおすすめです。また、得意先の企業へは、小分け包装のお菓子の詰め合わせやスティックコーヒーの詰め合わせなど社内で分けられるものがおすすめです。

親しい友人へのお歳暮

親しい友人へのお歳暮

親しい友人へのお歳暮の相場は、3,000円程度の品が一般的です。先方が気を遣うことのない金額にしましょう。甘い物好きであればお菓子や季節のフルーツ、お酒好きであれば好みのお酒やウインナー・缶詰といったおつまみになるものも喜ばれます。家族関係やビジネス関係の付き合いではないため、相手気を遣わせないように、価格を抑えた商品が適しています。親戚同様、親しい間柄であるため、相手の好きな品物を贈ると喜ばれるでしょう。

習い事の先生へのお歳暮

習い事の先生へのお歳暮は、月謝の半額から1ヶ月分程度の金額が一般的です。また、教室の生徒達から共同で贈ることもあるようです。近年は、時代とともに考え方が変化しており、習い事の教室によっては、お歳暮が禁止の場合もあるので、それぞれの教室のルールを確認することをおすすめします。現在では、指導に対してお金をもらっているからそれ以上の見返りは必要ない、気を遣うから控えている、などを理由に受け取らないことも多くなっているようです。特にお歳暮のやり取りをする習慣がない教室の場合は、控えても問題ありません。お歳暮を贈る習慣やしきたりがある場合は、3,000円~5,000円程度を目安に品物を贈りましょう。先生の好みがわからない場合は、自由に使うことができる商品券などの金券でも失礼にはなりませんが、その場合も3,000円~5,000円程度が目安です。また、学校の先生には、進学に関わる問題など諸事情がありますので、贈らないほうがよいでしょう。

特にお世話になった人へのお歳暮

特にお世話になった人へのお歳暮の相場は、5,000円~10,000円程度です。高額になるので、和牛・カニ等が入った鍋の食材セットや商品券などもおすすめです。何を贈ればいいか迷った際には、先方が好みの商品を選べるカタログギフトという選択肢もあります。

お歳暮とお中元の違い

お歳暮とお中元の違い

お歳暮とお中元はどちらも感謝の気持ちをこめてお世話になった人に贈り物をする習慣です。江戸時代には「盆暮(ぼんくれ)」といって、商売の掛け金などを支払う節目がありました。集金されるのは決まっていて、だいたいお盆と大晦日の年2回でした。その年2回の節目に、お礼の品を差し上げる習慣が「お中元」「お歳暮」として定着ました。
その違いは、お中元は年明けから半年間の感謝の気持ちを表しているのに対して、お歳暮はその年の最後を締めくくる挨拶という意味があります。また、夏と冬で季節も異なってくるので、それぞれの季節に合った品が選ばれることが多いようです。
贈答を年に一度だけにしたい方はお歳暮にしましょう。お歳暮とお中元のどちらか片方のみを贈ることに問題はありません。しかし、お歳暮とお中元を比べると一般的にお歳暮の方が重要視される傾向があるので、お歳暮のみを贈る方がよいでしょう。

まとめ

お歳暮について詳しくご紹介させていただきましたが、お歳暮の品選びの参考になりましたでしょうか。本来、お歳暮は日頃お世話になっている相手に感謝の気持ちを伝える習慣ですが、相場から大きく外れた品物を贈ったり、贈ってはいけない品物を贈ったりすると、かえって失礼にあたります。相手別の相場や品物、贈る時期等のマナーを守り、正しく感謝の気持ちを伝えましょう。

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