玉串料には新札を入れたほうがいい?渡すときの封筒・マナーや、玉串料と初穂料の違いを解説!

今回は、玉串料の由来や初穂料との違い、新札を入れたほうがいいのか、封筒(のし袋)への入れ方は?など、玉串料に関するさまざまな疑問についてお答えします。さらに玉串料がよく使われるお宮参りで、祖父母が孫のお宮参りに出来ることについても解説をします。

玉串料には新札を入れたほうがいい?渡すときの封筒・マナーや、玉串料と初穂料の違いを解説!

玉串料(たまぐしりょう)とは?

玉串料(たまぐしりょう)とは?

玉串料は、神様へのお供え物である玉串を用意するのにかかった手間や経費、謝礼の気持ちをお金であらわしたものです。玉串は、榊(さかき)の枝に飾りを付けたもので、もともとは祈祷をする際に、参拝者が用意するとされていたものです。しかし時代がくだるにつれ依頼を受ける神社が、あらかじめ玉串を用意しておくようになり、依頼主はその代わりにお金を払うようになりました。

玉串料と初穂料(はつほりょう)の違いは?

玉串料と初穂料(はつほりょう)の違いは?

神社では、玉串料の他に初穂料というものがあります。それぞれ似たような場面で支払われるものなので、ここでその違いを見ていきましょう。

玉串料

玉串料は先程の説明のように、玉串を使用する時にかかるお金のことです。玉串の由来についてはいろいろな説があります。有力なのは、日本神話において天照大神が岩戸に隠れたときに、フトダマという神様が、枝葉が多く茂っている常葉木に鏡や玉を付けて捧げ持ったという神話によるとするものです。この木のことを古事記や日本食では「五百津真賢木(いほつまさかき)」「五百箇の真坂樹(いほつのまさかき)」などと呼んでおり、賢木や坂樹は「さかき」と読めることから、後に「榊」という特定の木が玉串に使われるようになりました。

玉串は祈祷のたびに使われますので、玉串料もその数だけ払う機会が生まれます。例えば地鎮祭やお宮参り、七五三や法事の場面などが該当します。なお、御札や御守りを購入する際には、玉串料は使われません。それらは祈祷とは直接関係がないためです。

初穂料

初穂料

初穂は、その年の最初に収穫されたお米のことです。毎年収穫の時期に差し掛かると初穂を神前にお供えし、恵みへの感謝と、その後の豊作を神様に祈願する風習があったのです。時代がくだるにつれ、初穂の対象はそれ以外の農作物や魚などに広がり、「初物」として季節を問わずお供えされるようになりました。
しかしこうした収穫の季節以外の時期や、農家や漁師をしていない人の場合、初穂や初物を用意することができません。そこでそれらの代わりになるものとして、お金がお供えされるようになりました。このお金のことを「初穂料」と呼ぶようになったのです。

初穂料は玉串料と同じく、地鎮祭やお宮参り、七五三や法事の場面などで使われます。また、御札や御守りを購入する時にも使えることが特徴です。玉串料がその由来によって祈祷に紐付いているのに対し、初穂料は感謝の気持ちになるので、使える場面がより多いのです。ただし初穂料は葬儀の場合には使われません。葬儀では感謝の気持ちよりも弔意が大事になるからです。葬儀では玉串料が用いられます。また、厄払いや一年祭(神道における一周忌にあたるもの)も同様です。

玉串料を渡すときのマナーは?封筒・のし袋の入れ方

玉串料を渡すときのマナーは?封筒・のし袋の入れ方

葬儀や神式で渡す玉串料はどれ位渡せばいいのでしょうか?気になる相場やお金の包み方、マナーなど、相場や書き方、包み方や水引きについて解説します。気をつけるポイントも確認してみましょう。

神前結婚式での御玉串料

神社での正式な参拝の謝礼の玉串料には白赤の蝶結びの、のし袋を使うのが一般的です。婚礼の際には結び切りの水引を選択するようにしましょう。慶事ののし袋は白赤の蝶結び以外にも白封筒で代用しても良いです。

通夜・葬儀での御玉串料

慶事の時の玉串料は神社で祝詞をあげたり、祈祷やお祓いをして頂く正式な参拝の際の金銭です。神社で行った正式な参拝への謝礼としての玉串料には、 白赤の蝶結びののし袋を選択するのが一般的となっています。また、白い封筒で代用することもできます。

神事や祈祷の種類によって金額を定めている神社もあるので祈祷などの依頼をした時には神社にお納めする金額を確認してみると良いです。明確な金額を伝えてきた場合にはその金額をのし袋に入れてお納めしましょう。神社側がお気持ちをお納めしてほしいと言った場合には相場の金額を包むようにしましょう。

「参列者から喪主」のしと水引のマナー

香典袋は、宗派や包む金額によって選ぶ種類が変わるため、状況に応じて使い分けなければなりません。蓮の花が印刷された香典袋は、仏教や仏式専用であり、神道の場合や故人の宗教・宗派が分からない場合は、どの宗教にも対応できる白無地のものがおすすめです。

水引は、色によってお祝い事や慶事を表します。一般的に金や銀などの明るい色はお祝い事、黒などの暗い色は慶事です。よって告別式の際に用いる水引は、黒と白で構成されたものを使用しましょう。市販で販売されているものは、不幸を断ち切る意味のある「結び切り」が施されています。

「喪主から神職へ」のしと水引のマナー

斎主(祭事を中心的に進める役割)を勤めていただいたお礼としてお渡しします。袋の表書きには「御祭祀料(みさいしりょう)」「御祈祷料(ごきとうりょう)」「御礼(おれい)」のいずれかを書きます。神式の不祝儀袋は、市販のもので水引が黒白もしくは双銀のものを選ぶようにしましょう。そのほかに、神主にお渡しするお金として「お車代」「お食事代」が考えられます。

仏教の「お布施」に似ていますが、仏教(=お布施)の場合は、①お経を読んでいただいたお礼、②戒名を付けていただいたお礼を分けて考え、「①だけの場合」と「①+②の場合」で、お渡しする金額が変わります。

一方、神道には戒名にあたるものがありませんので、仏教のように金額が変わることを考える必要はありません。

地鎮祭での御玉串料

家を新築する際に執り行う地鎮祭。この時、神主さんに来ていただくために、地鎮祭後にお礼をお渡しする事も玉串料、あるいは初穂料です。玉串料ののし袋の水引は赤白の蝶結びになります。結び切りは弔事や結婚の時などに使われるもので、地鎮祭では使わないので注意しましょう。

玉串料は新札を入れたほうが良い?

玉串料は新札を入れたほうが良い?

では、実際に玉串料をおさめる場合はどのようにしたらよいかを説明しましょう。まず、使う紙幣については、もともと神聖なものである玉串の代わりになるものです。できれば新札を使う方が良いでしょう。絶対に新札でなければならないと決まっているわけではありませんが、旧札を使う場合も汚いものは避け、できるだけきれいなお札を選びましょう。
金額については、現代では神社ごとに祈祷の値段が決まっていることが多いので、電話やHPなどで確認しておくとよいでしょう。もし特に決まっていなかったり、お気持ちで、と言われた場合は、5,000〜10,000円程度が相場となります。心配であれば、これも直接神社に問い合わせてみるようにしてください。

玉串料を支払う場合、専用の窓口などがない場合は、のし袋にお金を入れて手渡しします。慶事の場合は、お札の表側を上にして中袋にお金を入れ、表面に金額を記入します。その際、数字は「壱」「弐」などの画数が多い方の漢字(大字)を使います。中袋の裏面には、自分の名前と住所を書きます。のし袋は二重構造になっているので、中袋を外包で包みます。外包の裏は、慶事であれば下側が上にくるようにして折りましょう。
葬儀の場合はそれらの反対です。お札は、表側が袋の裏側を向くようにします。外包は先に下を折って、そこに上側を被せます。
外包の表には、玉串料と書き(あるいはそう印刷されているものを使い)、その下に自分の氏名を記入します。

祖父母から孫のお宮参りにしてあげられることは?

祖父母から孫のお宮参りにしてあげられることは?

神社でよく行われる行事のひとつに、赤ちゃんの健やかな成長を願うために行う「お宮参り」があります。お参りのほかに神社に祈祷してもらう場合は、謝礼として玉串料または初穂料を支払います。
もともとお宮参りは、母親は参加しないものでした。それは産後しばらくは悪露(おろ)が残っており、穢れた時期とも言われてきたことが理由にあります。またこの時期は体調が完全に戻っていないことからも、母体の回復を優先させて、父方の祖母が赤ちゃんを抱え、父親と祖父との3人でお宮参りするのがしきたりとなっていました。しかし現代ではこうした縛りはゆるくなり、母親も含めた家族全員の行事になっています。

では現代において祖父母がお宮参りでできることは何でしょうか?一般的には、お祝いの品やお祝い金を渡してあげることがよくあります。金額的には、5,000〜10,000円程度が相場です。外孫と内孫とで違いをつける必要はありません。既に出産祝いを贈っているなら、お宮参りのお祝いを贈る必要はありませんが、もちろん贈っても問題はありません。できれば両家の出費が同じくらいになるように調整するとバランスが良いでしょう。

最後に、お宮参りの時に撮影する記念写真についても少し説明しておきましょう。かつて、お宮参りでは父方の祖母が赤ちゃんを抱いて行くとされていたため、その名残で、父方の祖母が赤ちゃんを抱いて写真を撮るという慣習があります。写真を撮るとき、お母さんの方からお姑さんに提案してあげると喜んでくれるでしょう。さらに母方の祖母にも赤ちゃんを抱いてもらって2種類の写真を残す方法があります。

まとめ

今回は玉串料にまつわるテーマで解説をしました。神社で行う祈祷や弔事と玉串料は、切っても切れない関係です。またお宮参りも時代とともに変化している部分があります。いざという時に困らないよう、この記事を読んで玉串料の知識を身につけておきましょう。

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