【初心者向け】盆栽入門に必要な準備やお手入れ方法、相場などを解説

趣味や楽しみを持つことは、充実した時間を過ごすことに繋がり、人生をより豊かにします。新たな趣味を探している方におすすめなのが、実は思ったよりも気軽に始められる「盆栽」です。ここでは盆栽の魅力と、初心者が始めるのに必要な準備やお手入れ方法、相場などについて解説していきます。

【初心者向け】盆栽入門に必要な準備やお手入れ方法、相場などを解説

長く楽しめる大人の趣味「盆栽」の魅力とは?

長く楽しめる大人の趣味「盆栽」の魅力とは?

一昔前は「お年寄りの趣味」というイメージが強かった盆栽ですが、最近では海外の人や若い世代からも注目も集めています。盆栽の醍醐味はその独特な芸術性で、小さな鉢の中にひとつの雄大な景色を作り上げ、四季の移ろいと一緒に樹木が成長していく様子を見ることができます。そのほかにも、自分好みの樹木を選んで手をかけて育てる喜びを感じたり、植物を鑑賞することで癒しを得たりと、人によって楽しみ方はさまざまです。盆栽には「こうしなければならない」という決まりはなく、自由に楽しめることが魅力ではないでしょうか。

盆栽を始めるのに必要な準備は?

盆栽を始めるのに必要な準備は?

盆栽を始めるにあたって必要になる道具には、ハサミや箸などがあります。初めの内は、園芸用ハサミと100均の箸があれば十分なので、以下に紹介するすべての道具を一度に揃える必要はありません。盆栽道具専門店や園芸店、ネットショップなどを利用して少しずつ揃えていきましょう。

園芸用ハサミ(使用頻度:必ず使用)

園芸用ハサミ(使用頻度:必ず使用)

盆栽を鉢に植え替える際に使用する、根を切るためのハサミです。根や土を切るためハサミの刃がこぼれやすく、買い換えることも多々あります。そのためそれほど高価でないものを使用することも多いです。

箸一本

箸一本

植え替える作業の際に、土を鉢に入れたり、鉢から抜いたりする為に使用します。

剪定ハサミ(使用頻度:高め 園芸ハサミで代用可能)

剪定ハサミ(使用頻度:高め 園芸ハサミで代用可能)

伸びてきた枝や葉を切る際に使用する園芸用のハサミです。ハサミは切れ味がよく錆びにくいステンレスが使いやすいですが、持ち手の握り心地や自分の手のサイズに合ったものがおすすめです。

叉枝切りハサミ(使用頻度:高め 必ず必要)

叉枝切りハサミ(使用頻度:高め 必ず必要)

太い枝や幹などを切る際に使用します。根元から綺麗に切り取ることが可能です。

針金切りハサミ(使用頻度:高め ペンチで代用可能だが絶対あった方がよい道具)

盆栽用の針金を切る際に使用します。ペンチなどでも代用ができますが、盆栽を傷つけてしまう場合もあるので専用のものを購入するのがおすすめです。

ピンセット(使用頻度:高め)

ピンセット(使用頻度:高め)

盆栽の手入れや苔はり、除草、虫を取る際などに使用します。丈夫で腰が強い先細のピンセットであれば便利です。

コテ(使用頻度:低め なくてもよい)

盆栽の植え替え後など、土を平らにならす際に使用します。

針金アルミ線や銅線(使用頻度:高め 必ず必要)

針金アルミ線や銅線(使用頻度:高め 必ず必要)

盆栽の樹形を作る際や、底網をはる際、鉢と木を固定する際に使用します。

被覆塗布剤(使用頻度:低いが必ず使用する)

主に太い枝の剪定後に塗布し、雑菌の侵入を防ぎます。

土入れ(使用頻度:高めだが、なくてもよい)

植え替えの際に土入れとして使用します。100均の米びつあたりがちょうどよいのでおすすめです。

シュロぼうき(使用頻度:高めだが、なくてもよい)

シュロぼうき(使用頻度:高めだが、なくてもよい)

散らかった土の掃除や、植え込みなどをする際に土をならすために使用します。

鉢底ネット(使用頻度:高め)

鉢の底に敷き、土の流出や虫を防ぎます。

霧吹き(使用頻度:樹木により高め)

霧吹き(使用頻度:樹木により高め)

葉や幹への水やりをする際に使用します。とくに紅葉やケヤキなど葉の薄いものに葉水として使用することが多いです。よくこれで水やりをすると勘違いされる方がいますが、霧吹きだけで水やりをしてしまうと水分量が足りずに枯れてしまうため注意してください。

ジョウロ(はす口の細かいタイプは理想的ですが、どんなジョウロでも可能)

ジョウロ(はす口の細かいタイプは理想的ですが、どんなジョウロでも可能)

水やりをする際に使用します。園芸用のジョウロは水流が強すぎてしまう場合があるので、水流の優しいはす口の細かいタイプのジョウロを選ぶのがおすすめです。

剪定・水やりなど管理の方法とお手入れのポイントは?

剪定・水やりなど管理の方法とお手入れのポイントは?

盆栽を育てていく上で、剪定や水やりは欠かせない作業です。ここからは美しい盆栽を育てるための管理方法やお手入れのポイントをご紹介します。

剪定の方法

まず、剪定の方法についてですが、基本は必要のない枝や葉を減らしていく作業になります。ただ初心者の場合は、どこを切るべきなのか判断が難しいので、初めは樹形を乱す不要な枝「忌み枝」からカットしていくとよいでしょう。忌み枝には「交差枝」「立ち枝」「下り枝」「逆さ枝」「突き枝」「わき枝」など、多くの種類があります。見分けるのは少し難しいですが、最初は見つけたものから徐々にカットしていくと、他の忌み枝も見つかりやすくなるのでおすすめです。剪定を定期的に行うことで日当たりや風通しがよくなり、健康的な盆栽を維持することができます。

水やりの方法

次に水やりの方法ですが、基本的に土が乾いてきたのを目安に水やりをしていきます。一般的な盆栽の水やりの頻度は、夏は朝と夕方の2回、春と秋は1回、冬は2〜3日に1回程度です。樹木によって最適な頻度は変わるので、事前に調べておくことが大切です。注意点として、受け皿に水が溜まってしまうと樹木の根が腐りやすくなるので、水を溜めないように気を付けましょう。

初心者向けの盆栽は?

初心者向けの盆栽は?

初心者の場合、いきなり大きな盆栽や手入れの難しい盆栽に挑戦すると失敗するリスクが高くなります。そのため、初めは育てやすい樹木を使った「小品盆栽」がおすすめですす。小品盆栽とは、樹高が20cm前後の小さな盆栽で、初心者でも比較的育てやすいのが特徴です。盆栽入門に適した樹木の例としては、「ゴヨウマツ」や「シンパク」などが挙げられます。

ゴヨウマツ

ゴヨウマツは、日本各地の山地に自生しているマツ科の植物で、寒さ暑さに強いのが特徴です。葉が短く、目切り作業を行う必要がないので、初心者でも扱いやすい樹木といえます。

シンパク

シンパクは、幹が自然に捻れているヒノキ科の植物で、丈夫で育てやすいのが特徴です。

もちろん、桜や紅葉など好きな樹種からスタートしてもかまいません。ただし初めて盆栽を行う場合、種子や苗木から育てるのは少しハードルが高いので、市販で売られている盆栽を購入したほうがよいでしょう。1つの土に複数の植物を植える「寄せ植え」なども、盆栽の扱い方に慣れてきてから挑戦することをおすすめします。

盆栽にかかるお金の相場は?

これから盆栽を始める方にとって、どれくらいの費用がかかるのかは、気になるポイントかと思います。盆栽にかかる費用は選ぶ樹木や道具などによって異なりますが、一般的な費用の目安は安価なものを選んで揃えれば7,000円程度です。(金額に幅がありますので、選ぶものによっては数万円かかる場合もあります)

樹木代(高級品を除く)
・種子 400円〜2,000円
・苗木 500円〜2,000円
・盆栽 2,000円〜数万円

用土・肥料代
・1,000円前後

鉢・飾り台代
・鉢 1,000円〜5,000円
・飾り台(平卓)1,500円〜15,000円

道具代
・500円程度 (園芸用ハサミと100均の箸)

出典 

初期費用として必要な道具としては、園芸用のハサミと家にある箸で充分なので気軽にスタートできます。高級な樹木や飾り台は、見た目が美しいものが多いですが、初めは枯らしてしまったり、うまく剪定ができなくて形が崩れたりしがちなので、無理をせず盆栽の扱い方に慣れてきてからよいものを少しずつ買い揃えていくとよいでしょう。また、一度買い揃えてしまえばあとは維持費のみであるのも嬉しいポイントです。

高級な盆栽は何が違う?

高級な盆栽は何が違う?

盆栽専門店にはさまざまな種類の盆栽が販売されています。中には1個数十万〜数百万円もする高級な盆栽が置かれていることもあります。このような高級な盆栽は一般的な盆栽と何が違うのかというと、品種の希少価値や樹齢の長さ、鉢の価格などが関係してきます。入手困難な樹木や、育てるのが難しい樹木、樹齢何十〜何百年の樹木は、その希少価値の高さに合わせて販売価格も高くなっているのです。また、盆栽と鉢がセットで販売されている場合は、鉢の価格も加算されるため、必然的に盆栽の価格も高くなります。
そのほか、有名な職人が仕立てた盆栽や芸術性の高い盆栽も、高級盆栽として扱われます。盆栽を作成し、維持するためには必ず人の手が入り続けていないといけないので、人件費がかかっているのです。

まとめ

盆栽は園芸に比べると手はかかりますが、その分、思い通りの仕上がりになったときの喜びはひとしおです。長い年月をかけて育て上げれば、我が子のように愛情が湧くことでしょう。盆栽に興味のある方はもちろん、長く続けられる趣味がほしいという方も、ぜひこれを機に盆栽を始めてみてはいかがでしょうか。

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