今後お札に印刷される人物・過去に印刷された人物を一人ずつ紹介!

2019年も5月を迎え、元号が「令和」へと変更されました。2024年には1万円札、5,000円札、1,000円札にも新しいものが発行されることが決まり、話題を呼んでいます。そこで、この記事では、新紙幣にデザインされる3人と、歴代の日本のお札に描かれた人物も合わせて紹介していきます。

今後お札に印刷される人物・過去に印刷された人物を一人ずつ紹介!

令和になって新しいお札に印刷される3人の人物とは?

令和になって新しいお札に印刷される3人の人物とは?

2019年4月9日に財務省から発表された情報によると、新しい日本銀行券には1万円札に「渋沢栄一」、5,000円札に「津田梅子」、1,000円札に「北里柴三郎」の肖像が印刷されることが決まりました。
2024年の上期を目途に現在準備に取りかかっているそうで、今回紙幣を新しくバージョンアップするのは、新たな偽造防止対策とユニバーサルデザインを導入するためなのだとか。日本の紙幣はこれまでにも約20年ごとにデザインを変更されており、どれも偽造防止対策がその主な理由なのだそうです。肖像と合わせて裏面のデザインも以下のように変更されることが決まっています。

新紙幣の表裏デザイン

券種
10,000円札渋沢栄一東京駅(丸の内駅舎)
5,000円札津田梅子フジ(藤)
1,000円札北里柴三郎富嶽三十六景※

※富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」(葛飾北斎)
【参考】財務省:「新しい日本銀行券及び五百円貨幣を発行します(平成31年4月9日)」 ※詳しくはこちら

さて、今回新たな紙幣の顔として選ばれた「渋沢栄一」「津田梅子」「北里柴三郎」の3人は、いったいどのような人物だったのでしょうか。1人ずつ確認していきましょう。

渋沢栄一

渋沢栄一

渋沢栄一は、“近代日本経済の父”と呼ばれる埼玉県深谷市出身の実業家です。NHKの連続テレビ小説「あさが来た」で、主人公 あさに銀行経営の方法を教える役として、三宅裕司さんが渋沢栄一役を演じました。明治~昭和初期にかけて活躍し、彼が関わった事業は全部で500にも上るといわれています。とくに有名なのが、みずほ銀行の前身となる日本発の銀行「第一国立銀行」を作ったことでしょう。「東京証券取引所」、「東京商工会議所」の前身も作っており、日本に当時近代国家といわれたヨーロッパなどの経済制度を導入した重要な人物です。

津田梅子

津田梅子は、日本の女子教育に尽力し、女子英学塾(のちの津田塾大学)を設立した人物です。NHKの大河ドラマ「八重の桜」で、大山捨松の友人として河北麻友子さんが演じており、「花燃ゆ」では知花くららさんが娘たちに踊りを教える役として、津田梅子を演じました。東京都新宿区で生まれた彼女は、6歳のときに岩倉使節団に入り、女子留学生としてアメリカで11年間暮らしたとされています。その後、もう一度アメリカに渡って生物学を学んだ後、のちの津田塾大学となる女子英学塾を創立しました。

北里柴三郎

北里柴三郎は、ジフテリアと破傷風の抗血清開発など、細菌学の分野でさまざまな功績を上げ、近代医学の礎を築いた細菌学者です。熊本医学校(現在の熊本大学医学部)・東京医学校(現在の東京大学医学部)で医学を学んだ後、内務省衛生局に入りドイツへ留学するなど医学に精通していました。彼は、病気を事前に防ぐ「予防医学」を重要視しており、破傷風菌の培養に成功した後、血清を作り出したり、香港で蔓延したペストを調査するため現地に赴いてペスト菌を発見したりと、細菌学の観点から病気を予防することに尽力しました。生涯でいくつもの研究所や病院の設立に携わり、院長も務めています。

そもそもお札に印刷される人物はどんな基準で選ばれる?

そもそもお札に印刷される人物はどんな基準で選ばれる?

紙幣がリニューアルされる度に選ばれる過去の偉人たちですが、いったいどのような基準で選ばれているのか疑問に思ったことはありませんか?この疑問に対して、日本のお札を製造している国立印刷所(National Printing Bureau)は、肖像を含むお札のデザインは財務省・日本銀行・国立印刷局の3者が協議し、最終的には財務大臣が決定すると回答しています。人物の選出についてとくに規定はないそうですが、主に以下のような基準があるとされています。

・国民が世界に誇れること
・教科書に載っているなど、一般によく知られていること
・偽造防止のため、精密な写真や絵画を入手できること

ちなみに今回選ばれた渋沢栄一は、過去にひげがないため肖像画が複雑にならない、という理由で紙幣の肖像から落選してしまったことがあります。肖像画が偽装防止に深く貢献していること、そして現在は偽装防止技術がさらに磨かれたことがうかがえます。

歴代のお札に印刷された18人の人物とは?

歴代のお札に印刷された18人の人物とは?

これまで日本の紙幣には18人の肖像が採用されてきました。偉業を成し遂げた人物や、時代を象徴する人物ばかりで、たびたびドラマや演劇にも取り上げられることが多いです。18人について簡単にご紹介します。

神功皇后

日本初の肖像入り紙幣として1881年に発行が開始された1円・5円・10円券。この紙幣には、日本の古代神話に登場する神功皇后(じんぐうこうごう)が印刷されていました。神功皇后は安産・子育ての女神として赤羽八幡神社に祀られています。

菅原道真

平安時代の学者で政治家、学問の神様として知られる菅原道真。当時は要職につき、時代のリーダーとして活躍しました。NHK「その時歴史が動いた」でも取り上げられたこともあります。

武内宿禰

日本神話上の人物で、300年も生きたといわれる武内宿禰(たけしうちのすくね)。5人の天皇のもとで働いていたとされる伝説の人物です。改造兌換(だかん)銀行券の1円券、兌換券の5円・200円券、日本銀行券の5円券に描かれました。

和気清麿呂

和気清麿呂は、奈良時代から平安時代にかけての官僚だった人物です。桓武天皇の下で活躍し、平安京遷都などでも功績を残しました。2009年に特別番組で、「唐招提寺1200年の謎~天平を駆けぬけた男と女たち」のドキュメンタリーパートで永井大さんが演じました。

藤原鎌足

日本銀行券20円券などに印刷された藤原鎌足は、大化の改新の中心人物。古代日本の政治改革に大きく貢献しました。教科書でも取り上げられる人物なので、知っている方も多いことでしょう。2019年に『鎌足-夢のまほろば、大和(やまと)し美(うるわ)し-』と題して宝塚歌劇団が取り上げた人物でもあります。

聖徳太子

誰もが知る歴史上の有名人、聖徳太子。推古天皇の摂政として政治・法律の整備をしました。隋など、他国との交流と文化導入にも努め、当時の日本文化を大きく発展させました。法隆寺を建立した人物としても知られています。彼の肖像は、100円・1,000円・5,000円・10,000円と4枚もの日本銀行券に描かれました。2001年には本木雅弘さんの演じる「聖徳太子」というドラマがNHKで放送されました。ドラマでは聖徳太子の偉業と人物像が取り上げられました。

日本武尊

古事記・日本書紀に伝わる古代の日本の皇族であり英雄として語られる、日本武尊(やまとたけるのみこと)。漫画や小説などさまざまな作品に登場する人物で、紙幣の兌換(だかん)券である1,000円券に描かれていました。

二宮尊徳

1946年に発行開始された日本銀行券1円券に描かれた二宮尊徳。洪水ですべてを失ったにもかかわらず、苦学の末一家を再興し、その後さまざまな村や町の復興に活躍しました。二宮金次郎とも呼ばれ、薪を背負って、本を読んでいる勤勉な像のモデルとなった人物です。

板垣退助

明治時代の政治家。50銭政府紙幣と日本銀行券100円券に印刷されていました。自由民権運動の父としても有名です。

高橋是清

1951年に発行開始された、日本銀行券50円券に描かれた高橋是清。日本銀行総裁や内閣総理大臣などを務めた優秀な人物でしたが、2.26事件で殺害されてしまいました。

岩倉具視

高橋是清と同じ時期に発行開始された、日本銀行券500円券に印刷されたのが、岩倉具視です。欧米に渡って政治や文化を学び、日本の近代化を進めた人物でした。2018年のNHK大河ドラマ「西郷どん」に登場しており、笑福亭鶴瓶さんが演じました。

伊藤博文

1963年に発行開始された日本銀行券1,000円に印刷された伊藤博文。日本の総理大臣を生涯で4回も務めた人物です。1978年のTBS長編大作ドラマ「風が燃えた」で三浦友和さんの演じる伊藤博文とその妻の物語が描かれています。

夏目漱石

1984年に発行開始の日本銀行券1,000円券に描かれた夏目漱石は、「我輩は猫である」「こゝろ」など多くの文学作品を残した小説家です。2016年のNHK土曜ドラマ「夏目漱石の妻」は、妻視点から夏目漱石の生涯が描かれたホームドラマとなっており、長谷川博己さんが漱石役を演じています。

新渡戸稲造

新渡戸稲造は、初代の国際連盟事務次長になり、「我太平洋の架け橋とならん」という言葉を残した人物。1984年に発行開始の日本銀行券5,000円券に描かれました。

福沢諭吉

1984年に発行開始され、現在も使われている日本銀行券10,000円券に印刷された福沢諭吉。慶應義塾大学の創始者で、「学問のすゝめ」の著者でもあります。2015年にNHKの連続テレビ小説「あさが来た」で、武田鉄矢さんが福沢諭吉役で登場しました。

紫式部

現在は発行されていない、日本銀行券2,000円券に印刷された紫式部。平安時代中期に活躍した物語作者です。現代語訳されて漫画や小説になるなど、現在でも人気の高い「源氏物語」を執筆しました。

野口英世

2004年に発行開始し、現在の1,000円札の顔である野口英世は、黄熱病や梅毒の研究で知られる医師・細菌学者です。1976年のTBSドキュメンタリードラマ「光は東方より 野口英世伝」では仲代達矢さんが野口英世の偉業と苦難の道を演じました。1992年には映画「遠き落日」なども作られ、三上博史さんが野口英世役を演じています。

樋口一葉

2004年に発行開始し、現在の5,000円札に描かれている樋口一葉は、明治時代の小説家兼歌人です。「たけくらべ」が有名で、1985年にNHKで彼女の一生を描いた「樋口一葉~われは女成りけるものを…」というドラマが放送されました。大原麗子さんの演じる樋口一葉を通じて明治の光と影を表現したドラマとして人気となりました。

まとめ

まとめ

この記事では、日本の紙幣に描かれている人物たちをご紹介しました。紙幣に描かれる人たちはどの人も日本の歴史に名を残す、素晴らしい働きをした人たちです。人物像に触れるだけでも2024年に完成する新紙幣が楽しみになることでしょう。

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