破れたお札はどうする?お金が燃えた・汚れた場合の対処や交換方法も解説!

財布のファスナーに引っかかってしまった、洗濯してしまったなど、何らかの拍子にお札を破ってしまった場合、基本的にはすぐに交換に行く必要があります。この記事では、交換してもらえるお札の状態やちぎれたお札を交換する方法など、お札が破れてしまった時や、燃えたり汚れたりした場合の対処法を解説します。

破れたお札はどうする?お金が燃えた・汚れた場合の対処や交換方法も解説!

破れたお札をそのまま使うことはNG?

破れたお札をそのまま使うことはNG?

日常生活の中でお札が破れてしまった場合、そのまま支払いに使用してもよいものなのでしょうか?結論からいうと、破れたお札を使用するのはあまりおすすめできません。日本銀行本支店の窓口に行けば新しいものに取り替えてもらえる(詳細後述)ため、交換してから使用する方が安心です。

お札がちぎれていても、コンビニやスーパーなど対面式のレジなら、受け取ってもらえると聞いたことがある人もいるかもしれません。確かに端の方だけ破れたお札なら、破れに気付かずに受け取ってもらえることもあるでしょう。しかし、必ずしも破れたお札が会計に使えるとは限りません。大幅に破れている、セロハンテープで貼り合わせているなど、場合によってはお店側から受け取りを拒否される可能性があります。また、ATMや自動販売機などにちぎれたお札を使用すると、切れ目が機械の中で引っかかって機械が故障してしまう恐れもあります。
このように、ちぎれたお札を使うと何らかのトラブルにつながることも考えられます。そのままにせず、破れたお札は速やかに交換に行きましょう。では次の項目から、ちぎれたお札を新しいものに交換する方法を詳しくご紹介します。

燃えたお札、汚れたお札は使える?

火事によりお札が燃えて灰になった場合でも、灰が銀行券であることを確認できれば交換できる可能性があります。粉々になると失効によって交換してもらえない可能性もあるため、箱に入れて原型を崩さないように持ち込みましょう。

汚れたお札も模様が確認できれば交換できる可能性があります。汚れのひどいものは水洗いで汚れを落として乾燥させてから持ち込みましょう。

なお、災害のようにやむを得ない事由によってお札が燃えた、汚れた場合は、以下の「交換できるお札の状態」に関係なく額面価格の金額と引き換えてもらえます。

交換できるお札の状態は?

交換できるお札の状態は?

先ほど破れたお札は窓口で取り替えてもらえると記述しましたが、実はすべてのものが交換できるとは限りません。あまりにも状態がひどい場合は、交換できない可能性もあります。ここではまず、交換可能なお札にはどんなものが当てはまるのかを確認してみましょう。
お札(日本銀行券)を発行している「日本銀行」によると、交換の対象となるお札の判断基準は表・裏の両面があり、さらに一定の面積が残っているものです。また残っている面積によって、交換時にもらえる金額が異なります。

・券面の3分の2以上
 全額引換


・券面の5分の2以上、3分の2未満
 半額引換

【参考】日本銀行:「日本銀行が行う損傷現金の引換えについて」詳しくはこちら

このことからお札の端が少しちぎれた場合や、切れ目が入った場合などは、元の金額と同じ新しい紙幣と交換してもらえることが分かります。しかし残っているお札の面積が5分の2以上3分の2未満の場合、もらえる金額はそのお札の半額となります。

たとえば千円札が真っ二つにちぎれて、その片方しか手元にない場合は、交換でもらえる金額は半額の500円です。一方、お札を何枚かに細かく破ってしまっても、それぞれが元は同一のお札の一部だと認められる場合は、その合計の面積が残存するとカウントされます。つまり、真っ二つにちぎれても、ちぎれたお札を両方持っていれば、全額が返ってくる可能性もあるということです。

また、お札を焼いてしまった場合も、その灰がお札であると確認できれば残っている面積に含まれます。ちぎれたお札が元は同じお札だったかの識別は、記番号や色合いの確認などにより行われます。

交換できないお札の状態は?

交換できないお札の状態は?

ちぎれたお札が元の5分の2未満しか手元に残っていない場合は、交換は不可能です。交換不可能な状態のお札はお金としての効力を失うため、代金の支払いなどに使用することはできません。
ただし、一見5分の2未満しか残っていないように見える場合でも、紙片のそれぞれが元は同一と認められれば交換対象になります。ちぎれたお札は、なるべくすべてを持っておくようにしましょう。

破れたお札の交換方法は?

破れたお札の交換方法は?

破れたお札を交換するには、まずお札の紙片をできる限り貼り合わせておきます。ただし貼り合わせる際には、別の紙片同士をつなぎ合わせないようにしてください。お札が濡れている場合は、広げて乾かしておきましょう。
最も確実な方法は、日本銀行の本支店に持って行くことです。以下のお問合せ先を参照して電話で損傷現金の引換予約をしてください。

【お問合せ先】日本銀行:「損傷したお金の引換え窓口」詳しくはこちら

交換手続きは、窓口に置かれている「引替依頼書」を記入し、破れたお札を添えて窓口に提出します。その際に本人確認を行う場合があるため、運転免許証やパスポートなどの本人確認書類を持って行きましょう。その後、窓口で新しいお札を受け取ります。なお、お札の交換に手数料はかかりません。

破れたお札の交換場所は?

破れたお札の交換場所は、日本銀行の本支店にある発券課です。本店は東京都中央区に、交換業務を行っている支店は全国に約30ヵ所あります。先ほどのお問い合わせ先を参考に、足を運びやすい窓口を探しましょう。
また、お札の交換は平日の午前9時から午後3時までです。窓口で申請をした後、お札の状態を確認するための時間が必要なので、時間ギリギリではなく余裕を持って窓口に向かうようにしましょう。当日中に交換手続きが完了できない場合、日本銀行では損傷したお金を預かってもらえないため、一度お金を持ち帰り、後日あらためて窓口に向かわなければなりません。二度手間にならないためにも、早い時間から手続きに向かうのがおすすめです。
近くに日本銀行の本支店がない場合、日本銀行でない普通の銀行窓口でも交換してもらえる可能性があるので相談してみましょう。ただし損傷がひどいと交換してもらえない可能性もあるので、注意してください。

お札を「故意に」破るのは違法になる?貨幣損傷等取締法に注意!

お札を「故意に」破るのは違法になる?

上記ではお札の交換方法をご紹介しました。交換に必要なものも少なく、手数料もかからないため、破ってしまった場合はすぐに交換するのが得策です。しかし交換してもらえるからといって、お札を故意に破ったり燃やしたりする行為は許されるものではありません。
お金の損傷については「貨幣損傷等取締法」という法律があります。

1. 貨幣は、これを損傷し又は鋳つぶしてはならない。
2. 貨幣は、これを損傷し又は鋳つぶす目的で集めてはならない。
3. 第1項又は前項の規定に違反した者は、これを1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。

出典 電子政府の総合窓口e-Gov:「貨幣損傷等取締法」

上記のとおり、貨幣を故意に損傷した場合は1年以下の懲役または20万円以下の罰金となります。しかし、これは貨幣(1円、5円、10円、50円、100円、500円の全6種類)にのみ適用されるため、紙幣の損傷についての罰則規定は厳密にいえばありません。それでも、思わぬトラブルに巻き込まれないためにも、故意にお札を破ることはしないでください。

貨幣損傷等取締法に抵触する事例

故意に損傷するケースの代表例としてマジックに使用するギミックコインが挙げられます。日本は硬貨の損傷が禁止されており、マジックで使用するという特別な理由でも硬貨に穴をあけることは禁止です。

また、海外の観光地には1セント硬貨を圧縮して刻印する機械が設置されています。日本も似た機械が設置されていることがありますが、特別な専用コインを使用しており、海外のように自国の硬貨を使うことはありません。その理由は、圧縮して刻印するという行為が貨幣損傷等取締法に該当するためです。

まとめ

この記事では、お金をちぎってしまった場合の対処法や交換方法をご紹介しました。破れたお札は日本銀行もしくは銀行の窓口に持って行き、速やかに交換してもらいましょう。しかし基本的には交換してもらうような事態にならないよう、お金は大切に扱いましょう。

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