中学受験にかかる塾代はいくら?費用に差が出る塾に通うポイント解説

中学受験にあたり、塾に通うとなると高額な塾代がかかります。この記事では学年別の塾代や塾に通わせる上で費用に差が出るポイントを解説します。私立中学校の学費の相場や利用できる制度など、中学受験にまつわるお金の話も参考にしてみてください。

中学受験にかかる塾代はいくら?費用に差が出る塾に通うポイント解説

中学受験の塾にかかる費用はいくら?

中学受験の塾にかかる費用はいくら?

中学受験をする際、独学で勉強をすることもできますが、塾に通う子供も多いでしょう。大手の塾では小学4年生ごろから受験対策を行っており、早くから受験に備えて塾に通い始める子供もたくさんいます。

では、塾に通うと月額・年額でどのぐらいの費用がかかるのでしょうか。関東大手の学習塾であるSAPIX、早稲田アカデミー、日能研、関西大手の能開センター、馬淵教室の月額を表にまとめました。

大手塾5社の学年別月額費用

       SAPIX   早稲田アカデミー(※1) 日能研(4科目)      能開センター    馬淵教室(※2)
小学校4年生 41,800円 27,720円 20,900円 16,200円(2科目) 13,750円
小学校5年生 52.800円 44,550円 26,334円 27,000円(4科目) 17,160円
小学校6年生 59,950円 45,210円 32,076円(Wコース)
42,768円(G・Rコース)
27,000円(4科目) 17,160円

※1:Sコース・私国立中受験
※2:兵庫エリア・3科目

受講する科目数や塾の料金設定によって変わりますが、上記の金額に入会金や教材費、特別講習費などのほか、文房具や交通費、飲食費も必要でしょう。
年額の相場は、小学校4年生で30万~60万円、小学校5年生で40万~80万円、小学校6年生で60万~130万円ほどかかる見込みです。

もし小学校4年生から中学受験のために塾に通わせるなら、塾代だけで130万~270万円程度の支出になるでしょう。

家庭教師を雇った場合はいくらかかる?

受験の時期が近づいたり、成績が伸び悩んだりした場合は、家庭教師を利用する家庭もあるでしょう。家庭教師を雇う際の相場は、時給換算で3,500~6,500円です。

ただし、家庭教師が東大生など実力のある学生やベテランの講師などの場合は、さらに時給が高くなることもあります。加えて入会金や教材費、交通費なども必要です。

また、家庭教師は訪問した時間の分だけ料金が発生します。そのため、カリキュラムの内容や学習スケジュールなども確認しておきましょう。子供は、学習能力や学習スピードに合わせて学ぶことができますが、家庭教師に教えてもらう時間が増えれば増えるほど費用がかさむので注意しましょう。

塾の授業料以外に中学受験にかかる費用

塾の授業料以外に中学受験にかかる費用

また、中学受験には塾や家庭教師といった教育費以外にも、以下のような費用がかかります。

・塾に通う交通費
・受験費用
・受験会場までの交通費
・入学金

塾に通う場合に電車を使うとなると交通費もかさむでしょう。
受験費用は中学校によって違いますが、だいたい1校につき2万~3万円かかります。受験する学校や試験会場が遠方の場合は、交通費や宿泊代がかかります。

塾に通わせる時のポイント

塾に通わせる時のポイント

塾に通わせる時、どんな塾がいいのか、いつからどのぐらい通わせればいいのかなど迷うことも多いでしょう。
ここからは、塾について気になるポイントを4つご紹介します。塾に通う上での費用にも大きく影響するので、参考にしてみてください。

何年生から通わせる?

中学受験の本格的な対策が始まるのは小学5年生からです。
しかし、多くの進学塾では小学校3年生の2月から中学受験に向けたカリキュラムがスタートします。これは1年後の本格的な受験対策に向けて、基礎学力や学習姿勢を身に付けるための助走期間です。

そのため、中学受験を希望する上で出遅れないためには、小学校4年生から塾に通い始めるよう検討しましょう。

週に何回通わせる?

株式会社インタースペースが発表した「小学生・中学生の塾通い」に関する実態調査によると、通塾頻度は、最も多いのが週2回で47.0%、次いで週3回が23.2%という結果が得られました。
中学生の場合、しっかり子供が勉強に取り組めるよう、週2〜3回は塾に通わせている人が多いようです。

【参照】株式会社インタースペース:「小学生・中学生の塾通い」に関する実態調査 詳しくはこちら

大手の塾が安心?

実績豊富な大手塾は難関校に合格するためのカリキュラムが整っており、受験に関する情報も多く得られます。反面、カリキュラムが固定されるため、個人に合わせた学習指導が行いにくく、中にはペースに付いていけない子もいます。

難関校を目指すなら大手塾が適していますが、中堅私立志望なら地域密着型の塾や個別指導塾などの方が適する場合もあります。
地域密着型の塾としては、関東圏では受験に特化したオリジナル教材が評判の「中学受験グノーブル」、比較的抑えめの学費が魅力的な神奈川の「啓明館」、関西圏では難関校への高い合格実績を誇る「希学園」などがおすすめです。
体験入塾なども活用しながら、子供の適性に合った塾を選びましょう。

オンラインの塾って大丈夫?

最近はコロナ禍の影響もあり、オンラインの塾も増えています。パソコンやタブレットを用いて、オンラインツール上でリアルタイムに学習指導を行うところが多いです。中には、動画配信と課題の添削指導を組み合わせているところもあります。

オンライン塾のメリットは、授業料が通塾より安く済むことや、全国どこからでも受講が可能という点です。近年は大手塾もオンライン指導に参入しており、指導を受けたい塾や講師の授業がどこに住んでいても受講可能です。

ただ、マンツーマン形式になりやすいため、他の塾生と切磋琢磨しづらく、モチベーションを維持しにくいなどのデメリットもあります。費用や子供の希望も踏まえて、子供に合った学習スタイルを選びましょう。

中学校から私立に通わせるといくらかかる?

文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」によると、私立中学校に通う場合、年間でかかる費用は約140万円です。
たいていの私立校は中高一貫教育なので、高校も私立校に通うことが想定されます。私立高校の年間の費用は約100万円のため、中学校3年間で約420万円、高校3年間で約300万円。

中学校から私立に通わせるとなると、6年間で約720万円が必要です。
さらに、交通費や習い事、課外活動費や寄付金なども含めると、実際にはそれ以上の費用がかかるでしょう。

【参照】文部科学省:「平成30年度子供の学習費調査」 詳しくはこちら

中学受験の費用を抑える方法

中学受験の費用を抑える方法

中学受験には相当な費用が必要ですが、受験の費用を抑える方法もあります。具体的な方法や利用できる制度を3つご紹介します。

特待制度を利用する

学校や塾が独自に設ける制度に特待制度があります。成績が優秀で特待生に選ばれると、入学金や授業料の免除が受けられ、費用を大幅に抑えられるでしょう。特待生のみが利用できる奨学金などもあります。

ただし、全ての学校・塾に特待制度があるわけではありません。選考の基準もまちまちですが、もし子供の成績が優秀であれば、一度特待制度について調べるといいでしょう。

オンライン授業を選択する

最近は大手塾もオンライン授業に参入しており、費用は通塾の授業より少し安めに設定されています。一人では集中できない子供には向きませんが、教室に行かなくても集中して勉強に取り組めるのであれば、オンラインで授業を受けるのも選択肢のひとつです。

家で学習ができるため、交通費や食費も抑えることができるでしょう。

志望校を絞って受験する

受験は1校受けるごとに受験料がかかるため、受験する学校を絞れば受験料を抑えることができるでしょう。

塾によっては志望校別にコースが分かれているところもあり、いくつも受講する場合はさらに費用がかさみます。
どこかに受かればいいという気持ちでやみくもに受験するのは、子供の負担にもなるでしょう。滑り止めの学校も必要ですが、早い段階で学力や適性に合った志望校を絞っておくと、効率的に勉強を進められます。

受験にかかる費用を考えて中学受験を検討しよう

受験にかかる費用を考えて中学受験を検討しよう

子供の将来を考えると、早い段階で進路の道筋をつけるために中学受験に取り組むのも賢明な選択です。ただ、学力向上のためには塾代など多くの費用がかかり、さらに進学してからも公立中学より学費も高くなります。
この記事で解説したおおよその費用を目安に、先々の出費のことも考えながら中学受験を検討しましょう。

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