老後・定年後の住まいは持ち家・賃貸?マンション・一戸建て?それぞれのメリット・デメリット

老後・定年後は、自宅で過ごす時間が多くなるのではないでしょうか? 持ち家と賃貸、マンションと一戸建て、それぞれのメリット・デメリットなど、老後の住まいを豊かにするための選択肢を紹介します。

老後・定年後の住まいは持ち家・賃貸?マンション・一戸建て?それぞれのメリット・デメリット

老後・定年後に持ち家に住むメリット・デメリット

老後・定年後に持ち家に住むメリット・デメリット

持ち家のメリット

住まいの形態に関わらず、住宅ローンの支払いなどが終わってしまえば、定期的な支出は固定資産税(マンション居住の場合、プラス共益費・修繕積立金など)のみとなります。
また、自分自身の資産でもあるので、配偶者や子、孫に残してあげることもできます。

持ち家のデメリット

戸建ての場合やマンションの専有部分の修繕にかかる費用は、全額自己負担となります。
また、介護度が進んだ結果、施設に入居することになった時の管理や処分などの問題が発生する可能性があります。

老後・定年後に賃貸に住むメリット・デメリット

老後・定年後に賃貸に住むメリット・デメリット

賃貸のメリット

住まいに不具合が発生した場合、多くは家主が修繕費用を負担してくれます。介護のため、施設に入居することになった場合など、身軽に入居できます。

賃貸のデメリット

家賃を継続的に支払い続ける必要があり、月々の負担は住宅ローンの返済が完了した後の持ち家に比べると負担が大きい傾向にあります。
また、建物に変更を加える場合(例えば、リフォームや増改築など)、家主の許可が必要となり、住まいを自由に使えないことが多いです。

戸建てとマンションのメリット・デメリット

戸建てとマンションのメリット・デメリット

戸建て

隣近所と離れているため、プライバシーを守りやすく、近隣の騒音問題などで悩まされることは少ないですが、四面に窓や扉があることで、戸締りや防犯などに気を遣う必要があります。

マンション

窓や扉の数が限られており戸締りが容易で、特に上階であれば、泥棒などの侵入も難しくなるため防犯性が戸建てに比べて高まるでしょう。その反面、両隣や上階の騒音など近隣トラブルなどに悩まされる可能性が高くなります。

また、老後に足腰が弱くなってしまうと、階段の上り下りが負担になったり、段差でつまずいてしまったりしがちです。マンションは、段差が少なくコンパクトな間取りが多いため、日常生活における身体的な負担が軽減される傾向にあります。

老後の住まいを豊かにするための2つの選択肢

老後の住まいを豊かにするための3つの選択肢

この章では、既に持ち家に住んでいる、もしくはマイホームの購入を検討している人の老後・定年後の選択肢について紹介します。

持ち家をリフォームする

持ち家に永く住んでいると、いろいろなところが傷んできたり、使いにくくなったりすることや、定年後は、子の独立などでライフスタイルの変化や将来の介護などに備える必要が出てきます。水回りの交換や、外壁塗装、屋根のふき替えなどは、ある程度リフォームする時期を予測できますので、事前に資金を積立てておくとよいでしょう。

また、定年で退職金など、まとまったお金があるタイミングで、老後を快適に過ごすためにリフォームを考えてみてもよいでしょう。

リフォームローンは、一般的に住宅ローンに比べ、返済期間が短く、金利が高くなってしまいます。特に住宅ローンを払い続けている人の場合、二重ローンになり、返済の負担が大きくなってしまいます。

リフォームローンを組む際には、借り入れ後の返済計画をしっかり考えるようにしましょう。後述するリバースモーゲージによる資金のねん出を考えてもよいかもしれません。

持ち家を売り、賃貸に住み替える

子供の独立などで今までのような部屋数が必要なくなった、足腰の衰えや今後の介護を考えてバリアフリーな住まいに住み替えたいという人もいるでしょう。
持ち家を売却し、賃貸に住み替えることで、月々の家賃が必要になりますが、ライフスタイルにあった間取りや設備の家を探せます。

また、持ち家を売却し、まとまった資金を手にすることができる場合、住まい以外のシニアライフの充実や、介護施設への入居資金を確保することも可能です。

家を購入し、賃貸から住み替える

家を購入し、賃貸から住み替える

現役時代は、子供の教育費などの支出の負担や自身の転職などによる収入の増減、働き方や家族構成の変化など将来を予測しにくかったのに対して、老後は収支や生活スタイル、家族構成の変化などが限られるので、物件の間取りや価格などを決めやすくなります。

また、退職金などを活用して購入すれば、家賃による支出の負担を下げることもできるので、賃貸に住み続けていた人も家の購入、住み替えを検討してもよいでしょう。

手元資金がない場合、住宅ローンなどを使って購入を検討することもできます。一定の収入があれば、年齢に限らず住宅ローンを組むことができますが、多くの住宅ローン商品は、返済期間が80歳未満となっています。
例えば、59歳の人であれば、ローンの返済期間は20年が最長となるため、同じ物件価格でも、返済期間が35年の住宅ローンに比べると月々の返済負担は大きくなってしまいます。

また、収入の低下が予想される退職後も住宅ローンを払い続けることができるのか、返済計画をしっかり考えましょう。

自宅を残す必要がなければ「リバースモーゲージ」の利用も検討

定年後、収入が公的年金だけになり不安を感じているのであれば、リバースモーゲージを活用して金融機関からお金を借りることを検討してみましょう。

リバースモーゲージとは、「家を担保にお金を借りる」仕組みを指します。
一般的にお金を借りた場合、その元本と金利を月々返済していく必要があります。リバースモーゲージは基本的に金利のみを返済し、契約者の死後、担保とした持ち家が金融機関に売却され、借りたお金が返済される仕組みとなっています。
このため、持ち家に住み続けながら、金利負担のみでお金を借りることができます。

まとめ

まとめ

老後・定年後の生活は収入の減少や介護などの不安もありますが、現役時代に比べるとライフイベントが少なく、月々の収支が安定する傾向にあります。住まいに関するお金の使い方を考えやすくなる時期です。
しかし、選択肢によっては、退職金やこれまでの貯蓄などを取り崩したり、ローンの支払いや家賃負担などで住まいに関する支出が増えてしまったりする場合もあるでしょう。貯蓄と今後の公的年金や企業年金、働くことで得る収入など、老後生活の収支バランスを考えた上で快適な住まいの形を選択するようにしましょう。

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