50代でも住宅ローンは可能?50代で無理なく住宅を購入するための基礎知識

50代で住宅ローンを組むことは可能でしょうか?可能である場合、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?今回は50代で無理なく住宅を購入するための基礎知識について解説します。

50代でも住宅ローンは可能?50代で無理なく住宅を購入するための基礎知識

そもそも50代で住宅ローンは組める?年齢制限はあるの?

そもそも50代で住宅ローンは組める?年齢制限はあるの?

「老後に備えて、賃貸ではなく自分の家が欲しい」
「親の介護に備えて、実家近くへの住み替えを検討したい」
「古くなった自宅を建て直したい。あるいは大規模なリフォームを行いたい」
さまざまな理由で、50代で住宅ローンを組み、住環境を整えたいという人もいることでしょう。

そもそも50代で住宅ローンを組めるのでしょうか。この問いに対する答えを先にいうならば「イエス」です。50代であっても、住宅ローンの申し込み条件に当てはまれば、他の年代の人たちと同じように住宅ローンを利用することができます。

住宅ローンの2つの「年齢制限」

一般的に住宅ローンには、2つの「年齢制限」が設けられています。1つは申し込む時で「満65歳~70歳未満」など、もう1つは最終返済時の年齢で「満75歳~82歳未満」などといった条件が設けられています。

50代の人ならば、申し込み時の年齢の条件を満たしていますので、あわせてほかの条件も満たせれば住宅ローンに申し込むことが可能です。ただし、住宅ローンの年齢制限については、金融機関や商品によって異なることがありますので、事前に確認が必要です。

50代で住宅を購入するメリット

50代で住宅を購入するメリット

人生の後半に差しかかる50代で住宅ローンを組むメリットとしては、どのようなことが考えられるでしょうか。3つ挙げることができます。

【メリット1】ライフプランにぶれが少ない

20代、30代で住宅ローンを組むのと異なり、ライフイベントも限られるため、住宅購入に際して計画を立てやすいといえます。

【メリット2】団体信用生命保険が生命保険代わりになる

住宅を購入し、団体信用生命保険に加入することで、万が一のことがあった時にも遺族の住居を確保できます。

【メリット3】老後を踏まえた住宅を買える

50代で家を買う場合、定年後の生活を踏まえた住宅を選ぶことになるでしょう。親の介護をしやすい場所にする、自分たちが要介護になった時のためにバリアフリーを意識した作りや設備にする、などです。また、せっかくであれば、後述するリバースモーゲージの対象となりうる物件を選択するのも1つの方法です。

50代で住宅を購入するデメリット・注意点

50代で住宅を購入するデメリット・注意点

一方、50代で住宅ローンを組む場合のデメリット・注意点にはどのようなものがあるでしょうか? 2つ挙げられます。

【デメリット・注意点1】返済期間が短いので月返済額が大きくなる

完済時の年齢から必然的に返済期間が短くなります。返済期間が短ければ、当然ながら毎月の返済額は大きくなります。例えば3,000万円を元利均等返済で借りる場合(金利1.15%、ボーナス返済なし)、返済額は期間30年なら98,572円のところ、20年になると139,985円となり負担は大きくなります。
(後述の表「満50歳で3,000万円の住宅ローンを借りた場合」参照)

【デメリット・注意点2】完済年齢が高くなるほど審査が厳しくなる

完済時の年齢が高くなるため、審査も厳しくなる可能性があります。完済年齢が高くなると、退職時期や退職金額、定年後の働き方などがチェックされることもあるようです。

50代からの返済シミュレーション

50代で住宅ローンを組んだ時の例を数字で見てみましょう。具体的には、満50歳で住宅ローンを組んだ場合で、65歳完済、70歳完済、80歳完済と完済年齢を変えてシミュレーションしたものです。

■満50歳で3,000万円の住宅ローンを借りた場合

項目 パターンA パターンB パターンC
完済年齢 65歳 70歳 80歳
返済期間 15年 20年 30年
月返済額 181,534円 139,985 円 98,572 円
年間返済額 2,178,408 円 1,679,820 円 1,182,864 円
総返済額 32,676,103 円 33,596,312円 35,486,046円
65歳時点の残債 0円 8,158,338円 16,289,996円

(金利1.15%、元利均等返済、ボーナス返済なし)
※住宅金融支援機構/フラット35/返済プラン比較シミュレーション 詳しくは
こちら

シミュレーションを見ると、返済期間を短くすれば、年金生活になった時の負担は減る(65歳時点の残債が小さくなる)ものの、毎月の返済額は大きくなることがわかります。退職金があれば65歳時点の残債を返すことも可能ですが、それは老後資金を減らすことにもなります。逆に、毎月の返済額を抑えるために完済年齢を80歳までとした場合、65歳時点の残債が大きくなり家計の負担になります。

このシミュレーションを踏まえ、50代で住宅ローンを組む場合に大事なポイントを整理してみましょう。

家計が破たんしない購入価格にする

50代で住宅を購入する際には、今後のライフイベントや支出を見直し、家計が破たんしない購入価格にすることが、何より大事です。老後生活までを踏まえたマネープランをしっかり立てたうえで購入しましょう。

返済計画を立てる

定年後まで返済がある場合は、子どもの教育費の負担がなくなってゆとりができた分や、退職金による繰上返済を計画的に行いましょう。ただし、老後資金とのバランスや、あえて繰上返済をせずに手元に資金を残したまま返済を続けるのかなどは、慎重に検討する必要があります。

リバースモーゲージの活用を考える

住宅ローンなどの負債を返済後に、生活費などの資金繰りに不安を抱える方には、リバースモーゲージを活用することがおすすめです。リバースモーゲージとは、自宅を担保に資金を借りることができる商品です。

まとめ

50代で住宅ローンを組む場合、老後も含めその後の生活に支障のない借入額にとどめることが大切です。また、退職金を繰上返済に充てるのかどうかなども、老後資金とのバランスをみながら検討するとよいでしょう。一方で、あえてリバースモーゲージが利用できる物件を選ぶことで、老後資金のゆとりにつながる可能性もあります。

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