【陣中見舞い】相場・のし袋の書き方・マナーと注意点を解説

「陣中見舞い」という言葉を聞いたことはあると思いますが、陣中見舞いはお歳暮やお中元よりも実際に贈る機会が少ないため、相場やマナーについて正しく知っている人は意外に少ないかもしれません。そこで、相手に失礼のないよう事前におさらいしておきたい方向けに、陣中見舞いの相場やのし袋の書き方、包み方、マナーについて紹介します。

【陣中見舞い】相場・のし袋の書き方・マナーと注意点を解説

陣中見舞いとは

陣中見舞いとは

軍の兵士が集結している場所のことを陣と呼んでいたことから、陣中には兵たちが集まっている場所の中という意味があります。そこへ見舞うことをかつては陣中見舞いと呼んでいました。一方、現代の陣中見舞いは、展示会の主催や試合、受験などに挑む人に対するねぎらいや激励の気持ちを込めて贈り物をする行為もしくは品物を指します。
また、陣中見舞いは最終的な成果を達成するために努力している人に贈るものであるため、当日ではなくそれ以前に行うのが基本です。例えば、受験や公演であれば、本番ではなくそれまでに贈り物や訪問をします。特定の目標に向かって努力している個人や団体であれば、誰に対しても贈ることができます。

陣中見舞いの相場

陣中見舞いの相場

見舞いの品を贈るときに、どれくらいの価格帯の贈り物を選べばいいのかはもっとも気になるところでしょう。ケースバイケースではありますが、例えばイベントや発表会などの準備をしているときだと5千円~1万円ほどの品物を準備するケースが多いようです。現金や金券は避け、できるだけその場で飲食したり使ったりできるものを選びます。

また、スポーツの試合に向けての練習をしているとき、講演会の準備をしているときなども金額は同じくらいです。品物は食べ物や飲み物など、その場で消費できるものを選ぶのが基本です。できるだけ現金は避けたほうがよいものの、例外的に選挙中の陣中見舞いではお金を包むことがあります。選挙中の陣中見舞いには有権者から候補者に渡してもよいもの、提供できないものがあるため注意が必要ですが、一定の金額までは寄付という形で法的に認められているため、現金を包んで贈ることは可能です。この場合の相場も、おおよそ5千円〜1万円です。現金を包むときは祝儀袋に入れて、きちんと表書きをして渡すようにしましょう。

陣中見舞いののし袋の書き方

陣中見舞いののし袋の書き方

のし袋への書き方もケースによって異なります。例えば、スポーツチームの合宿、練習中などに陣中見舞いを贈る場合、「祈御健闘」を使用します。また、「祈御活躍」も同様によく用いられます。ただし、特に試合などが決まっていないチームに贈る際は健闘や活躍の機会が定まっていないため、そのまま「陣中御見舞」としたほうが無難でしょう。
音楽の演奏会や発表会、展示会などのケースだと「寿」を使用する傾向にあります。また、「御祝」と表書きすることも少なくありません。こちらはスポーツチームや試合などと違って対戦相手がいないケースで多用されます。
また、選挙で当選するために頑張っている候補者を応援したいとき、見舞いたい場合も「陣中御見舞」を使用します。当選できるようにとの想いを込めて、「御当選祈念」と表書きすることもあります。

使用するのは、紅白の蝶結びかけ紙です。水引は奉書紅白水引のものを選びましょう。ただし、選挙の陣中見舞いに関しては紅白縁結びの水引とのしがついているものを選ぶことが多い傾向があります。祝儀袋でなくても、白で無地の封筒に入れて渡しても問題ありません。

陣中見舞いのマナーと注意点

陣中見舞いのマナーと注意点

本来喜ばれるはずの訪問でも、マナーや注意点を覚えていないと相手方を不快にさせてしまう可能性があります。社会人としての常識を疑われてしまう恐れもあるため、注意すべきポイントやマナーをきちんと理解しておきましょう。

まず、長居しすぎないことが大切です。発表会を控えている楽屋や、試合に向けて特訓しているスポーツチームなどはただでさえ慌ただしく動いています。そのように忙しくしているところで、いつまでも居座って長話をしてしまうのは好ましくありません。内心、早く帰ってほしいと思われる可能性もあります。陣中見舞いを渡したら、軽く挨拶や激励をしてその場を立ち去りましょう。

また、手紙などを添えるときは縁起の悪い言葉を使わないように注意してください。選挙や試合、受験など当落や合否がかかった陣中見舞いで特に注意したいのが、「(選挙で)滑る」、「(試験に)落ちる」など、失敗を暗喩してしまう忌み言葉です。挨拶の内容やメッセージの文面では、「敗れる(破れる)」、「逃す」、「散る」などの言葉に加えて、文脈の上でもネガティブな表現を使わないように気をつけましょう。マナー違反にならないよう、一度書いた手紙は読み直してチェックしましょう。また、激励の言葉をかけるときも忌み言葉は避けてください。

あまりにも高価なものを贈ってしまうのもNGです。高価なものほど喜ばれると考える方もいますが、あまりにも高額なものを贈られると相手方が恐縮してしまうかもしれません。かえって気を遣わせてしまうため、高すぎるものは選ばないようにしましょう。

貰って困るものもNGです。自分の趣味・嗜好を前面に押し出したものや、置物などは陣中見舞いには向いていません。また、生鮮食品だとその場で食べきれなかった場合、廃棄することになるためおすすめできません。手軽に持ち帰れる品物が無難でしょう。

飲み物を贈ることも少なくありませんが、大容量のボトルに入っているものだとグラスも必要になります。どうしても送りたい場合は贈り先に冷蔵庫やグラスがあるかを事前に確認したほうがよいでしょう。飲み物を贈るのなら、個包装されているなど、なるべくその場でサッと飲めるものがおすすめです。

その他、あまりにたくさんの品を贈ってしまうのもやめておいたほうが無難です。邪魔になる可能性がありますし、持ち帰るのも一苦労です。スポーツチームに差し入れするときなど、相手が大人数だとたくさん用意してしまいがちですが、人数に対して多少余裕をもたせる程度の数に抑えておきましょう。

選挙の陣中見舞いの注意点

選挙の陣中見舞いの注意点

選挙中に候補者のもとを訪問して激励し、見舞いの品を渡すことは珍しくありません。ただし、政治資金規正法に抵触してしまう恐れがあるため、陣中見舞いの注意点をきちんと理解しておきましょう。

まず、飲食物を差し入れすることは禁止されています。お酒やジュース、お弁当などを選挙事務所に差し入れしてしまうと、政治資金規正法に抵触してしまいます。なお、そのほかの物品や金銭は寄付という形で贈ってもかまいません。

とはいえ、寄付という形ならいくらでもよいわけではありません。政治家個人に対する寄付について、個人からの寄付は年間150万円までと決められています。また、これはあくまで個人から個人の候補者への寄付であり、企業が行うことはできません。企業組織だけでなく、労働組合などの団体も寄付はできないため注意が必要です。

まとめ

陣中見舞いの相場やのしの書き方、マナーについて解説しました。マナーや注意点はきちんと覚えておかないと、相手との関係性に影響してくる可能性があります。マナーや注意点を理解して、相手に喜んでもらえるように配慮した陣中見舞いを贈りましょう。また、選挙における差し入れは特に注意が必要です。すでにお話ししたように法律違反になる可能性があるため、しっかり覚えておきましょう。

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