海外留学に必要な費用は?留学の目的や国別の相場、ポイントを解説

海外留学に必要な費用は、留学の目的や国によって異なります。この記事では、目的別の費用相場、費用の内訳、海外留学で利用できる各種制度、節約術についてご紹介します。海外留学を検討中の方は、本記事を参考に具体的な留学のイメージを持ちながら、予算を組んでみてください。

海外留学に必要な費用は?留学の目的や国別の相場、ポイントを解説

海外留学に必要な費用相場

海外留学に必要な費用相場

海外留学にもさまざまな目的があり、目的によってかかる費用は大きく異なります。
まずは語学留学、ワーキングホリデー、海外大学への進学、インターンシップの4つの目的別に、おおよその費用相場を紹介します。
海外留学を検討しているが目的はまだ決めていないという方も、目的別の目安を知ることで選択肢を絞りやすくなるかもしれません。

外国語を学ぶための語学留学の場合

外国語を学ぶための語学留学の場合、英語の勉強を例にあげると、英語が母国語であるアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどが候補地として挙げられるでしょう。
一般的に、欧米諸国での留学費用は年間300万円〜500万円であり、渡航先や授業料、生活費、留学期間などで費用が変動します。

また近年は、よりお手頃な価格でいけるフィリピンのセブ島のような英語が話せる東南アジア地域での留学も人気が高まっています。
フィリピンは発展途上国であり、英語教師の人件費や現地の物価が欧米諸国と比較して安いため、留学費用が少し抑えられます。フィリピン留学にかかる費用は年間200万円〜400万円程度となっています。

ワーキングホリデーの場合

ワーキングホリデーで海外留学をする場合は、語学留学に比べて語学学校などに通う期間が短いため、学費があまりかかりません。

ワーキングホリデーで人気のある国のなかでも、カナダとオーストラリアは比較的安く留学でき、カナダは年間110万円程度、オーストラリアは年間100万円程度です。カナダは最低賃金が1,500円程度なのに対し、オーストラリアは2,200円以上と給与が高いため、留学費用を補いやすいという特徴もあります。
留学費用が高くなりがちなイギリスも、ワーキングホリデーでは年間220万円程度で留学することができます。

学校に進学する正規留学の場合

海外大学へ進学する正規留学の場合は、海外留学の中でも最も費用が高くなると予想されます。学士や修士を取得するためにはより長期の学習期間を確保する必要があり、半年〜1年程度で終わることの多い語学留学やワーキングホリデーと比較して、費用は高くなります。

例えば、留学ランキング上位のカナダの大学に進学する場合、年間300~450万円程度となっており、比較的学費が低いと考えられるマレーシアのような東南アジアの国では、年間150万円〜200万円程度となります。オセアニア地域のオーストラリアへ正規留学する場合は、年間350~400万円程度です。

海外企業で働くインターンシップの場合

最近では、海外で就業経験を得たいというニーズが高まっています。また、留学プログラムの一環としてインターンシップに参加する、といった事例もみられます。
海外インターンシップの費用相場は、アメリカが150万円〜300万円、イギリスが100万円〜250万円、オーストラリアが150万円〜250万円となっています。ただし、参加する研修プログラムや仲介組織の利用有無によって費用が変動します。

また、インターンシップの場合は元から語学力が高く、希望する職種やポジションに関連するスキルや経験が期待されるため、その他の留学と比較すると少しハードルが高いといえます。

海外留学に必要な費用の内訳

海外留学に必要な費用の内訳

海外留学の費用は、どのような内訳になっているのでしょうか。海外留学前と海外留学中に分けて、海外留学の目的別に必要となる費用をみていきたいと思います。

海外留学前にかかる費用

海外留学の検討を始める際、情報収集から始める必要があり、場合によっては留学エージェントを利用される方もいるかと思います。
インターンシップやワーキングホリデーといった就業機会が伴う場合には、渡航する前の研修費用が発生する可能性もあるでしょう。
目的別の海外留学前にかかるおおよその費用の内訳は以下の通りです。航空券代、ビザ申請費用、保険代は共通して発生します。

海外留学の種類 語学留学
海外大学への進学
ワーキングホリデー インターンシップ
費用 ・留学サポート費用
・受験料(受験する場合)
・学費、入学金
・教材費
・航空券代
・ビザ申請費用
・海外留学保険
・留学サポート費用
・航空券代
・ビザ申請費用
・海外旅行(留学)保険
・自己研鑽費
・プログラム参加費用
・仲介費
・航空券代
・ビザ申請費用
・海外旅行(留学)保険

海外留学中にかかる費用

海外留学中にかかる費用は、滞在費や生活費がメインとなります。滞在費は、シェアハウス、学校の寮、アパートなどの滞在先によって金額が変動し、生活費は自炊の有無、生活圏の物価などによって金額が変動します。
また、友人や同僚との交際費、近隣地域への旅行費用、追加の教材購入費など、臨時の支出が発生する可能性があることは常に意識しておきましょう。

海外留学をする際に活用したい制度

海外留学をする際に活用したい制度

海外留学をする際には、奨学金制度やエージェントの利用もよいでしょう。制度を活用することで海外留学の費用を抑えたり、留学にかかる負担を減らすことができます。

海外留学のための奨学金制度

費用を抑えて海外留学を目指す方は、奨学金の利用を検討しましょう。
海外留学の奨学金制度として知られているのは、日本学生支援機構(JASSO)の海外留学奨学金制度です。給付型(協定派遣、学部学位取得型、大学院学位取得型)と貸与型(長期留学、短期留学)がありますので、条件にあった制度を利用しましょう。

また「トビタテ!留学JAPAN 」という制度では、求められる人材像に合致し、所定のコースに沿う自身の留学プランが認められれば給付型の支援を受けることができます。しっかりとした目的意識とプレゼンテーション能力が求められるので、選ばれるための準備を事前にしておきましょう。

【参考】独立行政法人日本学生支援機構 | JASSO 詳しくはこちら

【参考】文部科学省「【文部科学省】トビタテ!留学JAPAN - その経験が、未来の自信。」詳しくはこちら

海外留学のエージェント

海外留学に関する情報収集を行う際は、語学留学、ワーキングホリデー、海外大学への進学、インターンシップのそれぞれを専門領域とするエージェントに依頼するとよいでしょう。
また、予め行き先が決定している場合には、その地域に特化したエージェントを利用することができます。

無料のセミナーや面談を実施しているところも多いので、一度参加してみてサポート内容が合っていれば利用しましょう。エージェントのサポートを受ける際には、料金にどこまでの支援が含まれるのか入念に確認します。

【節約術】海外留学の費用をおさえる方法

【節約術】海外留学の費用をおさえる方法

留学費用がかかりすぎて、目的の国や学校にいけないかもしれない......そんな方もこちらで紹介する節約術を活用することで留学費用を少しでも抑えられるかもしれません。少しでも工夫を積み重ねて留学費用を安くしていきましょう。

物価が安く生活費のかからない国を選ぶ

【節約術】海外留学の費用をおさえる方法

現地の物価は生活費に大きな影響を与えるため、留学費用を抑えたい方はできるだけ物価が安い国を選ぶとよいでしょう。
一般的にアメリカやイギリスは物価が高く、滞在費も生活費も割高になる傾向があります。物価が平均的に高い国であっても、滞在する場所が地方や郊外であれば生活費を安く抑えられる可能性があります。
学校や職場との距離を考慮しながら、アクセスのよい地方都市を選ぶようにしましょう。

留学する時期や期間を調整する

物価に影響を与える要因の1つは、為替レートです。
近年は円安となっていますが、円高の時期に海外旅行に必要な各費用の支払いができることが理想的です。海外留学の時期が特に決まっていなければ、円高になったタイミングで支払いができるようなスケジュールを意識するとよいでしょう。

海外への滞在期間も留学費用に影響を与えます。語学留学では週単位で参加できる学校もあり、半年〜1年間留学する場合と比較して留学費用は抑えられます。
一方、海外留学の目的を達成することがより重要ですので、可能な範囲で期間を調整してみましょう。

学校や研究室の留学制度を活用する

こだわりを持って留学先を選択したい場合は別ですが、国や学校にそれほどこだわりがない方は、学校や研究室の留学制度を利用することも選択肢の1つです。留学先の選定から申請まで全て自分で行うと、手続きが大変で費用もかかってしまいますが、既存のプログラムに参加すると少し費用が抑えられます。

また、学校や研修室の留学制度は、勉強している専門分野の授業を受けられることもあり、語学を学びながら専門分野を習得できる可能性が高まります。

海外旅行保険(留学生保険)は複数を比較検討する

現在、多くの保険会社から海外旅行保険が提供されています。海外旅行保険に限ったことではありませんが、保障内容や保険代、期間、サポート体制など、最低限の保障に絞るのもポイントです。受けたい保障の基準に照らし合わせた最適な保険プランを選択し、できるだけ保険料を抑えるようにしましょう。

滞在先はシェアハウスやホームステイにする

滞在費は、海外留学の費用を左右する大きな要因です。
滞在先の候補として、学校の寮、アパート、シェアハウス、ホームステイなどが挙げられますが、家賃や光熱費、通信費が抑えられるシェアハウスの利用や、ホームステイでの滞在をおすすめします。

現地で滞在先を探す際には、シェアハウスの紹介が可能なエージェントを利用するとよいでしょう。
ただし、自身の健康上の都合や、パーソナルスペースの問題によって滞在先の快適さは異なります。長期間異国の地に滞在することを前提に、無理のない範囲でシェアハウスやホームステイも検討しましょう。

食費や交通費を工夫して節約する

自炊をするかしないかで食費は大きく変わるため、留学費用にも影響します。
自炊できるようであれば、滞在先を選ぶ際にキッチンの有無や近場にスーパーがあるかもチェックしておくとよいでしょう。

また、移動の際に発生する交通費を抑えることも、留学に必要なお金を節約するうえで大切です。短距離を移動する際はタクシーの利用ではなく自転車や徒歩で向かったり、長距離を移動する場合でも公共交通機関や乗合のタクシーを利用するようにしましょう。
外国人向けの割引チケットを発行する交通機関もあるので、積極的に活用していきましょう。

無料のエージェントやキャンペーンを利用する

費用の内訳で示した通り、留学の検討を進める際にはエージェントの利用を考える方もいると思います。
エージェントによっては手数料が無料のものや、割引キャンペーンを行っていることもあります。
日頃から情報収集を行い、評判がよい組織で期間限定のキャンペーンや条件を満たすプログラムの募集などがあれば、積極的に活用していきましょう。

航空券を早めに購入する

航空券は購入時期によって価格が大きく変動します。渡航日の1ヶ月〜2ヶ月前の早期に購入することで、航空会社の早割キャンペーンが適用され、通常料金よりも安く購入できます。渡航日が決定した段階で航空券を早めに購入することをおすすめします。

まとめ

海外留学の目的や行き先、期間によって、費用の総額は大きく変動します。海外留学にかかる費用のうち、渡航費、ビザ申請費といった必要最低限かかる項目と、滞在費、生活費といった節約によって抑えられる項目があります。

初めから無理と諦めず、海外留学の目的にあった行き先、留学を実現できるようにプランニングしていきましょう。奨学金制度の利用やエージェントの利用で、情報収集をしながらよりよい海外留学の計画を立ててみてください。

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