分かりやすい!ねんきん定期便の見方と困った時の対応方法をご紹介

年金定期便の見方を知っていますか。人生の3大資金の一つである老後資金としての年金の情報が記載されているハガキです。今回は年金定期便の見方やよくある質問をまとめました。年金をはじめ、さまざまな制度を理解して、老後の生活に備えましょう。

分かりやすい!ねんきん定期便の見方と困った時の対応方法をご紹介

「ねんきん定期便」とは?

「ねんきん定期便」とは?

年金定期便とは、自分自身の年金記録を確認するために、毎年誕生月に送られてくるハガキです。個人の年金の受給額は、長期にわたる被保険者期間(国民年金なら20歳~60歳、厚生年金なら入社~退職まで)の保険料の納付状況によって決まります。しかし、転職等で勤務先が変わったり、何らかの理由で無職の期間等がある人は、自分の納付記録であっても、記憶は曖昧になるものです。

年金定期便によって、自分の保険料の納付状況や年金に関する個人情報を確認することができるでしょう。

節目の年度には封書も届く

「ねんきん定期便」は、毎年、被保険者の誕生月にハガキで送られてきます。
この「ねんきん定期便」には、直近1年間の年金記録情報が記載されています。ただし、直近1年間の記録だけでは全体像が掴みにくいので、節目の年齢(35歳、45歳)と、年金受給が差し迫った年齢(59歳)の誕生月には、ハガキではなく封書で全期間の年金記録情報が送られてきます。

【年齢別】毎月いくらもらえる?「ねんきん定期便」の見方

【年齢別】毎月いくらもらえる?「ねんきん定期便」の見方

「ねんきん定期便」は、年齢によって記載内容が3通り(50歳未満、50歳以上、年金受給者)あります。
まずは、どんな内容が記載されているのか、以下の表に、その項目を整理しました。

ねんきん定期便に記載されている内容

内容 50歳未満 50歳以上 年金受給者
照会番号
お客様へのお知らせ
国民年金納付状況
加入区分
標準報酬月額・標準賞与額・保険料納付額
これまでの保険料納付額(累計額)
これまでの加入実績に応じた年金額 - -
老齢年金の種類と見込額(年額) - -
お客様のアクセスキー
音声コード

※ ◎は、その年代の「ねんきん定期便」固有の内容であり、下記で説明します。
※ 日本年金機構のサイトを基に筆者作成

老齢年金は長期にわたる加入月数および保険料の納付額によって、その受給額が計算されます。したがって、それぞれの「ねんきん定期便」について、共通の確認事項としては、「国民年金納付状況」、「標準報酬月額・標準賞与額・保険料納付額」、「年金加入期間」について、「漏れ」や「誤り」がないか、特に注意して確認してください。
では、年齢によって異なる「ねんきん定期便」の見方の注意点を示します。

50歳未満の人の「ねんきん定期便」の見方

50歳未満のねんきん定期便の見方

50歳未満の人は、年金支給開始年齢まで相当な年数があることに加え、今後の給与額の変動などによって、納付する保険料が変わってきますので、あくまでも「これまでの加入実績に応じた年金額」が記載されています。今後保険料をさらに支払っていくことで、将来受け取れる年金額は増えていくでしょう。

50歳以上の人の「ねんきん定期便」の見方

50歳以上の人は、徐々に年金支給開始年齢が近づいてきます。そのため、自身の老齢年金の見込額を具体的に知りたいというニーズが高くなってきます。
とはいえ、50歳以上の人も、給与額の変動などによって、納付する保険料も変動します。そこで、「老齢年金の種類と見込額(年額)」として、以下のように区分して作成されています。

50歳以上ののねんきん定期便の見方

50歳以上60歳未満の人

現在の年金制度に、年収等が変わらないまま60歳まで継続して加入(保険料を納付)したと仮定して、65歳から受け取れる年金見込額が表示されています。

60歳以上65歳未満の人

「ねんきん定期便」の作成時点の年金加入実績に応じて、65歳から受け取れる年金見込額が表示されています。

65歳以上の人

65歳時点の年金加入実績に基づいて計算されています。

現役被保険者(年金受給者で働いている人)の「ねんきん定期便」の見方

年金を受給しながら働いている人(現役被保険者)にも、「ねんきん定期便」は送られてきます。このような人の場合、すでに受給している年金額については、「年金振込通知書」で確認するとともに、「ねんきん定期便」で、「これまでの保険料納付額」や「これまでの年金加入期間」等の記載内容を確認してください。

年金をもらっている人の年金定期便の見方

確認した年金記録情報に「漏れ」や「誤り」がある場合には、「年金加入記録回答票」に必要事項を記入して、年金事務所に提出してください。
回答票に基づいて、日本年金機構において年金加入記録の調査・確認が行われます。その結果が届きましたら、改めて内容を確認してください。
なお、「年金加入記録回答票」は、以下の日本年金機構のサイトからダウンロードすることもできます。

【参考】日本年金機構 詳しくはこちら

年金定期便に関するよくあるQ&A

ここでは年金定期便に関するよくある質問をまとめました。老後の資産形成や年金の仕組みについて関心を深めるとともに、将来的にお金や生活に困らないように、今のうちにできることを始めましょう。

Q. 年金定期便が届いたら何か手続きをする必要はある?

年金定期便が届いた時に行う手続きはありません。記載内容に誤りがないことや保険料の納付状況を確認しましょう。

特別な手続きがないからといって何もせず放置することはおすすめしません。年金定期便が送られてくることに意味を感じて、自分ごととして関心を持っておきましょう。

Q. 届いた年金定期便を紛失した場合、再発行は可能?

年金定期便を紛失してしまった場合、再発行することができます。年金定期便・ねんきんネット専用番号に電話をしましょう。

問合せの際に年金基礎番号が必要ですので、年金手帳や以前の年金定期便などを手元に用意します。年金定期便の再発行には、約2ヶ月ほど時間がかかる点も注意しましょう。

Q. 年金定期便が届かない場合は?

年金定期便が届かない場合、原因としては3つ挙げられるでしょう。

・年金機構に登録されている氏名や住所が間違っている
・基礎年金番号導入時(1997年1月)以降で年金制度に加入したことがない
・基礎年金番号を持っていない

出典 

年金機構に登録されている情報が間違っている場合、国民年金第一号被保険者の方は市町村役場の年金担当窓口にいきましょう。国民年金第二号被保険者の方、第三号被保険者の方は、ご自身や配偶者の勤務先の担当部署に問い合わせます。

年金制度に加入したことがない方や基礎年金番号を持っていない方は、最寄りの年金事務所や年金相談センターに問合せをしてみてください。

Q. 年金定期便に記載の氏名や住所に誤りがある場合は?

年金定期便に記載されている氏名や住所に誤りがある場合は、各窓口に「氏名変更届」や「住所変更届」を提出する必要があるでしょう。

被保険者資格によって窓口が異なるので注意してください。

国民年金第1号被保険者:市区町村役場の国民年金担当窓口
国民年金第2号被保険者:勤務先の担当部署
国民年金第3号被保険者:配偶者の勤務先の担当部署

出典 

Q. アクセスキーとは?

アクセスキーとは、「ねんきんネット」のユーザIDを取得する際に使用する17桁の番号のことです。アクセスキーがあれば、日本年金機構の公式ホームページから自分の保険料の納付状況や年金に関する情報をみることができるでしょう。

アクセスキーを持っていない方は、日本年金機構の公式ホームページから申し込みをすることで発行が可能です。申し込みから5営業日程度でハガキにて郵送されます。

Q. ねんきん定期便の計算方法を知りたい

ねんきん定期便の情報から将来の年金受給見込みを計算することができます。日本年金機構の公式ホームページから試算することができるので、確認してみましょう。

まとめ

まとめ

「ねんきん定期便」は、毎年、同じような項目が記載されていますが、その中身は将来の老齢年金の受給額を決定する上で重要な記録の集積です。
また、これまでの給与月額や賞与額を思い返す機会にもなりますので、大切に保管しておきましょう。

ご留意事項
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