紅葉狩り(もみじがり)とは?なぜ「狩り」と言うのか?その意味や由来を解説!

「紅葉狩り」という名の自然の鑑賞は古くから行われており、「狩り」と呼ぶ由来も古い時代にあります。本記事では、紅葉狩りの言葉の由来や楽しみ方、各地域の見頃とおすすめの名所、かかる費用について紹介します。日本の美しい自然や四季の彩りを楽しんでください。

紅葉狩り(もみじがり)とは?なぜ「狩り」と言うのか?その意味や由来を解説!

紅葉狩りとは?何を意味するのか?

紅葉狩りとは?何を意味するのか?

秋の季節に山野を訪れて美しい紅葉を鑑賞・見物することです。「紅葉」は「こうよう」とも読めますが、この場合は「もみじ」と読んで「もみじがり」というのが一般的です。

紅葉とは色づいた落葉樹の葉のことであり、冬には落葉してしまいます。そのため、秋の行楽シーズンを迎えると紅葉狩りに行き、見ごろが過ぎる前に彩りをのが楽しむという方も多いでしょう。

紅葉狩りの起源

紅葉という言葉自体は、現存する中では最古とされている奈良時代の和歌集の「万葉集」にもあり、古くから親しまれている言葉です。当時は、「黄葉」と書いて「もみち」と読むのが一般的だったとされています。色づいた木の葉を眺めて楽しむという行為自体は、古くから存在していたようです。

紅葉狩りの歴史

昔は現代ほど気軽に山に出かけられるわけではなかったため、紅葉狩りが行事として定着した時期には諸説あるようです。起源は奈良時代ですが、平安時代では紅葉を美しいと感じるほかに無常、はかなさを感じていたという話もあります。

現代のように一般庶民が紅葉狩りを楽しむようになったのは、江戸時代からです。「名所図会」や「名勝図会」と呼ばれる、挿絵付き観光ガイドブックが次々と発行されたのをきっかけに、多くの人が紅葉の名所に出かけて楽しむようになったとされています。

紅葉狩りの由来

「狩る」という言葉は通常、獣を捕まえる行為を指すときに使います。では、「紅葉狩り」という言葉はどのように生まれたのでしょうか?その由来には以下のような説があります。

なぜ、紅葉「狩り」というのか?

【長野県】鬼女紅葉伝説(説明板)

【長野県】鬼女紅葉伝説(説明板)

平安時代の頃の貴族は、歩くのは品がないと見なしていました。そのため牛車で出かけることが多かったのですが、牛車で山の中を進むのは困難です。

そこで、山へ紅葉を鑑賞しに行くときは歩いていましたが、品がないとされる歩くという行為ではなく、狩りに見立てて、紅葉狩りと呼んだという説があります。桜狩りという表現もあり、植物の鑑賞を「狩る」と表現するのは昔の時代では一般的だったのかもしれません。

ほかには、鬼女紅葉伝説が由来という説があります。簡単に説明すると平維茂という武将が村を荒らす紅葉という鬼女を退治という話で、それが紅葉狩りの由来になったとのことです。

「紅葉」と書いて「もみじ」と読むのはなぜか?

秋の季節に葉や草が赤や黄に変わることを、動詞で「もみつ(紅葉つ、黄葉つ)」または「もみづ」と呼んでおり、それが名詞化したのが「もみち」です。平安時代では「もみち」という読み方が一般的でしたが、濁音がついて「もみぢ」となり、現在ではもみじと呼んでいます。

もうひとつの説では紅葉をもみじと呼ぶようになったのは、「揉み出ず(もみいず)」からきているという説もあります。「揉み出ず」とは、ベニバナなどの染色に使う花を揉み出すと黄色や赤に変わることです。
紅葉(秋の季節に葉や草が赤や黄に変わること)が「揉み出ず」様子に似ていることから、紅葉=「揉み出ず」といわれるようになり、「もみじ」という発音に変化したといわれています。

紅葉狩りの魅力・おすすめの楽しみ方

紅葉狩りの魅力・おすすめの楽しみ方

紅葉狩りの魅力や楽しみ方は様々ですが、その中でも代表的な例を紹介します。

ハイキングしながら紅葉を楽しむ

【長野県】栂池自然園

【長野県】栂池自然園

雄大な自然の中を歩きながら紅葉を眺める、ハイキングがおすすめです。一般的な観光名所となると渋滞や人混みに巻き込まれやすいですが、ハイキングなら紅葉をじっくりと満喫できるでしょう。長く歩けるか不安な方は、ロープウェイなども利用できる場所をセレクトすれば安心です。

秋の味覚を食べながら紅葉を楽しむ

秋の味覚を食べながら紅葉を楽しむ

秋の味覚も楽しみたい場合は、紅葉狩りの前後に、ぶどう狩り、梨狩り、柿狩り、栗拾いなどを組み合わせてみるのもおすすめです。農園によっては食べ放題ができるところもあります。旬の時期に食べる果物の味は格別です。

温泉に浸かりながら紅葉を楽しむ

温泉に浸かりながら紅葉を楽しむ

紅葉の眺めがよい旅館で温泉に浸かりつつ、景色を楽しむという選択肢もあります。美しい紅葉を見ながらゆったりと湯に入り、日々の疲れを癒してはいかがでしょうか。部屋からのロケーションや露天風呂をポイントにして温泉を選んでみるのもいいでしょう。

地域別「紅葉」の見頃と名所をご紹介

地域別「紅葉」の見頃と名所をご紹介

紅葉は気温が低くなる頃に葉の色が変わってくるため、紅葉の見頃は寒い地域から始まります。各地域の例年の見頃や代表的な名所は以下です。エリアやその年の気温、標高の高さなどの地域性などによって紅葉が見られる時期は異なるため、最新の情報も確認することをおすすめします。

北日本

【青森県】奥入瀬渓流

【青森県】奥入瀬渓流

北海道では9月中旬~10月が例年の見頃です。紅葉の名所としては、国内で最も早く紅葉を楽しめる大雪山エリア、中でも最高峰の旭岳付近では10月に降雪することもあり、紅葉と雪のコントラストを楽しめることもあります。また、札幌の定山渓温泉、函館の香雪園、知床半島にある知床五湖などが有名です。

東北では10月上旬~11月上旬が例年の見頃です。代表的なスポットを挙げると、青森の八甲田山、奥入瀬渓流(おいらせけいりゅう)、温泉も楽しめる秋田の抱返り渓谷、宮城の鳴子峡磐梯吾妻(ばんだいあづま)スカイライン、ロープウェイがある山形の蔵王温泉などが知られています。

東日本

【東京都】高尾山

【東京都】高尾山

関東や東海では10月中旬~12月上旬あたりが例年の見頃です。東京都で有名なスポットとしては、六義園などの庭園や、ケーブルカーから楽しめる高尾山があります。栃木の日光では竜頭ノ滝、箱根では富士山も眺められる芦ノ湖が名所です。千葉の養老渓谷、茨木の花貫渓谷、愛知の香嵐渓(こうらんけい)もおすすめです。
甲信越は、9月下旬から11月上旬が例年の見頃です。長野の上高地、新潟のもみじ園など多くの美しい紅葉スポットがあります。

西日本

【和歌山県】高野山

【和歌山県】高野山

地域にもよりますが、基本的に紅葉のシーズンは関東よりも遅いです。10月下旬~12月上旬ぐらいが紅葉のシーズンになります。

紅葉の名所としては京都がおすすめで、嵐山高台寺など様々なスポットがあります。大阪府民の森ほしだ園地、鹿がいる奈良公園や歴史ある高野山、兵庫の原不動滝も名所として知られています。
広島の宮島にある紅葉谷(もみじだに)公園、香川の小豆島にある寒霞渓(かんかけい)、大分の深耶馬溪(しんやばけい)などもぜひ行ってみたいスポットです。

紅葉狩りにはいくらかかる?紅葉狩りに必要な費用を解説

紅葉狩りにはいくらかかる?紅葉狩りに必要な費用を解説

紅葉狩りに必要な費用や無料で楽しめるスポット、食や日帰りに注目したプランを以下で紹介します。

無料で絶景が見られるスポット

【東京都】芝公園

【東京都】芝公園

道路や街道、渓谷や湖といった自然のスポットは、距離があるため交通費はかかりますが、鑑賞自体は無料の場合が多く、雄大な自然を楽しめるのでおすすめです。
神社や寺、庭園や公園は、拝観料や入場料がかかるところもありますが、なかには無料で入場できるところもあるため、それぞれの公式サイトなどで確認してみましょう。

秋の味覚を味わえるプラン

秋の味覚を味わえるプラン

農園によって異なりますが食べ放題や味覚狩りは700円~2,000円前後に設定されていることが多いです。味覚狩りの場合は、重さに応じて料金がかかることがあります。

日帰りバス旅行or温泉プラン

【富山県】弥陀ヶ原

【富山県】弥陀ヶ原

日帰りバス旅行では1万円前後の料金で、紅葉の絶景スポットや神社仏閣巡りをツアー形式で楽しめます。なかには6,000~7,000円のプランもあり、お得に紅葉を楽しみたい場合におすすめです。

温泉の場合、料金は各温泉によって異なりますが、日帰り入浴のみなら500~1,500円程度が主流です。昼食付の日帰り温泉プランだと5,000円前後、宿泊が前提だと一人あたり平日1泊2食付きの場合で1万5,000~2万5,000円程度は必要でしょう。

まとめ

紅葉狩りは古くから行われていましたが、行事として一般的になったのは江戸時代からです。現代でも紅葉を楽しむスポットはたくさんあるので、秋が来たらぜひ堪能してみましょう。

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