リバースモーゲージとは?仕組みやマンションの場合の適応条件を解説

リバースモーゲージとはどのような仕組みなのでしょう。仕組みや担保となる住宅の条件などを解説します。マンションの場合は、築年数や利用者の年齢など審査条件が厳しいので注意が必要です。リバースモーゲージを活用して老後の生活資金を確保しましょう。

リバースモーゲージとは?仕組みやマンションの場合の適応条件を解説

リバースモーゲージとは?

リバースモーゲージとは?

リバースモーゲージとは、主に老後の生活資金をまかなうために自宅を担保に金融機関から融資を受けられるローン商品です。

融資された資金の受け取り方法は、年金のように定期的に受け取る方式か、一時金として一括で受け取る方式を選ぶことができます。返済方法もさまざまで、一般的な融資のように生前から元利払いを行うものや、生前は利息のみ支払うものが主流でしょう。
最近では、生前の元利払いの返済が一切ないものもあらわれるなど、金融機関もさまざま商品ラインナップを用意するようになりました。

住み続けながら自宅を現金化し、まとまった資金を得ることができる数少ない方法のひとつであるために利用者が増えています。融資残高は過去3年でプラス500億円、総額で推定1,600億円を超えたとの報道もあります。

リバースモーゲージの仕組みと注意点

リバースモーゲージの仕組みとリスク

リバースモーゲージの仕組みは、不動産を担保に金融機関から借り入れを行うという点においては、一般の不動産融資と変わりません。リバースモーゲージは、生前に借入元本の返済をなくすことによって返済の負担を軽減し、借り入れた資金は死後に不動産を売却することによって返済するという仕組みです。高齢になると融資を受けにくくなるので、高齢者にとって利用しやすい商品設計になっています。

しかし一方で、自宅の価値が下落するリスクについては理解しておかなければなりません。
不動産の価値は一定ではありません。特に建物については経年劣化によって価値が下がっていくでしょう。また、経済的要因や政治的要因によって不動産市況が変動する可能性もあります。

担保となる自宅の価値は金融機関によって一定期間ごとに査定されます。融資額が担保価値を上回る場合には、追加の担保を求められたり足りない分の返済を求められたりすることがあるでしょう。金融機関によって異なるので、契約の際に確認することをおすすめします。

また、金利が上昇する可能性も考えておきましょう。

「マンション」はリバースモーゲージ対象外になるのか

「マンション」はリバースモーゲージ対象外になるのか

リバースモーゲージは、担保とする自宅がマンションの場合は対象外になってしまう可能性があります。なぜならば、自宅を担保として借り入れを行う仕組みであるために、自宅の不動産としての価値が審査の通りやすさに影響するからです。一戸建てと比較してマンションの場合には、床面積や築年数など細かい審査条件が設定されています。

マンションが対象外になる理由

マンションが対象外になってしまう最大の理由は、金融機関が土地を主体に担保評価を行うことにあります。
マンションの場合、土地自体を所有しているわけではなく、敷地権をマンションの床面積で按分してマンションの所有者全員で共有するという形をとっています。そのため、1所有者当たりの土地の敷地権の価値は、一戸建ての場合よりも小さくなりがちです。

マンションを担保にリバースモーゲージを利用できた場合でも、担保評価によっては期待したような資金を得られないことも多いでしょう。
また、マンションの場合は土地と建物を切り離せないために、金融機関による処分の方法が狭まってしまうことも敬遠される理由のひとつになっています。

一軒家(一戸建て)の場合は対象になりやすい

一方で、一軒家の場合にはマンションのように広さや築年数についての審査がなく、リバースモーゲージの審査が通りやすいといえます。これは、土地が独立しているため、担保評価がしやすいことが大きな理由です。また、一軒家を売却するときも、老朽化した建物を解体撤去して更地にしたり、隣地とともに売却したりすることで価値が上がる可能性があります。このように、金融機関の自由度が高いこともリバースモーゲージに向いている理由といえます。

リバースモーゲージの対象になりやすいマンションの条件

リバースモーゲージの対象になりやすいマンションの条件

マンションの場合、リバースモーゲージの活用を制限される場合があることは確かですが、全く利用できないわけではありません。マンションの価値や利用者の年齢などを総合的に考えたうえで担保としての価値があると判断されれば審査が通るでしょう。
それでは、自宅マンションをリバースモーゲージに活用するための条件について考えてみましょう。

マンションの立地

駅から近かったり、大都市へのアクセスが便利だったりするマンションは、いつの時代も人気が落ちません。このような交通の利便性が高いマンションは売却時の資産価値の予測がつきやすく、リバースモーゲージに向いているといえるでしょう。反対に、駅から遠かったり、将来人口が減少する可能性がある郊外エリアにあるようなマンションは、資産価値が思ったほど高くない場合が多いです。所有者の死後、売却時にどのぐらいの資産価値になっているかの判断がしにくいために、リバースモーゲージの適用対象外となりやすいのです。

マンションの築年数

築年数が浅い物件もリバースモーゲージに向いているといえます。審査基準は金融機関によって異なりますが、築年数が15年から20年程だと融資を受けやすいと言われています。
マンションは築年数が浅いほど人気があり、資産価値は高くなります。築年数が浅いうちにリバースモーゲージを組んでおけば、所有者の死後に売却して返済資金に充てやすくなるでしょう。

逆に築年数がかなり古い物件になると、売却時に買い手がつきづらく、また建て替えや取壊しの問題が発生することがあるでしょう。そのため、リバースモーゲージの担保価値が認められず審査に通らない可能性があるのです。

入居者の年齢

審査条件の中には、入居者の年齢についても規定されています。年齢条件は融資条件や返済方法によっても異なりますが、55歳前後から利用でき、上限が80歳から85歳程度に設定されていることが多いでしょう。

年齢によって返済方法も異なる場合があるでしょう。生前は利息のみ支払う場合には早い年齢から利用することができるのに対して、満期に一括返済するタイプでは年齢の下限が70歳以上となっているものもあります。

金融機関にとって、金利がかさめばかさむほど売却資金で返済資金をまかなえないリスクが高くなります。そのため、一括返済タイプの場合には、利用年齢の下限が設定されているのです。

まとめ

まとめ

リバースモーゲージは、まとまった老後資金を得ることができる数少ない方法のひとつで、近年急速に人気が高まっています。融資を受けにくい高齢者でも利用しやすく、商品によっては生前の元利払いが不要であるものもあり、返済リスクが軽減されています。

一方で、マンションの場合には築年数や床面積などの審査条件を満たす必要があり、エリアによっては対象外としている金融機関もあるために注意が必要です。
老後資金を確保して充実した人生を送るために、一度リバースモーゲージの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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