子供名義の銀行口座はメリットあり?開設の方法や注意点も

子供名義での銀行口座の開設は、将来設計に役立てるだけでなく、経済リテラシーの育成にもつながる可能性があります。本記事では口座を作ることのメリットや注意点、開設方法について説明します。進学費用など、子供の将来のために子供名義の口座開設をご検討中の方は理解を深めることができるので、ぜひチェックしておいてください。

子供名義の銀行口座はメリットあり?開設の方法や注意点も

子供名義の銀行口座を開設するメリット

子供名義の銀行口座を開設するメリット

子供名義の銀行口座を開設することにはどのような利点があるのでしょうか。ここでは3つのメリットを挙げます。

①家計と別管理になるので貯蓄がしやすい

子供用の貯金を生活費用の口座や、親の口座と別にしておくことで、貯蓄や口座管理がしやすくなります。

資金を一緒に保管していると、どこまでが子供用の貯蓄なのか区別が曖昧になってしまい、まとまったお金が必要なときなどに子供用の口座から出費してしまうかもしれません。子供専用の口座を開設すれば、分かりやすく区別して管理できます。

少額でも一定の額を定期的に貯金しておけば、普段の出費もそれらを含めてやりくりするようになるため、計画的な貯蓄が可能になるでしょう。

②子供の経済リテラシーを育成できる

②子供の経済リテラシーを育成できる

子供がお小遣い帳をつけるなど金銭管理にトライし始める年齢となったら、子供名義の口座を管理することを通して、金銭感覚などを養うことができます。

幼少期ならばお小遣いやお年玉、高校生以上だとアルバイト代など、自分用のお金を手にする機会は増えてくるものです。その際、どれくらいのお金を使ってもよいのか、貯蓄はいくらするのかなど将来のことも交えながらお金の管理について子供が学ぶことができるでしょう。

こうした金銭管理を通して、子供は支出と貯蓄のバランスや目標達成のための貯蓄の大切さ、また欲しいものと必要なものの違いや銀行口座の管理方法などの知識を身につけられます。子供名義の口座開設は、経済リテラシーを養うための最初のステップとなるのです。

③子供の将来設計の指標になる

子供名義の口座を通して、将来に対する考え方を形成することができます。

一般的に子供名義の口座で貯蓄した際、使い道として進学費用や将来の夢を叶えるための準備費用などが想定されます。しかし多くの場合、かけられる費用は家庭の経済状況に応じてある程度決まっているものです。子供名義の口座を通して、親がどの程度経済的サポートできるかを示すことで、子供は自分の将来設計について、家計の状況に鑑みて具体的に考えることができます。

例えば、大学進学や学費にかかる費用に対して貯金額が十分でないとき、どの大学を受験するかや足りない学費はアルバイトで補うのか、あるいは奨学金を借りるかなど、早い段階でさまざまな選択肢について自分で考える習慣が身につくでしょう。

また貯金額に関わらず、子供の将来に備えてコツコツと貯金したという事実は、親の愛情を子供に伝える1つのきっかけになるはずです。

子供名義の口座を開設する際の注意点

子供名義の口座を開設する際の注意点

子供名義の口座を開設する際には、2つのことについて注意しておかなければなりません。将来、子供へスムーズに貯金を渡したり、経済的なサポートをしてあげたりするためには、予め対策しておくことをおすすめします。

①贈与税が発生する場合がある

親が管理していた子供名義の口座管理を子供に引き継ぐ際、贈与税が発生してしまう可能性があります。現在の税制においては、1人に対して年間110万円を超えてお金を渡すと贈与税の申告および支払い義務が生じます。課税対象になるのは110万円を超過した分なので、例えば、1年間で200万円贈与した場合は90万円分に税金がかかります。

これは親が子供名義の口座を開設し、長年かけて少しずつ貯金した通帳を子供に渡す場合も例外ではありません。親としては貯金ごとに少しずつ子供にお金を贈っている感覚であっても、法律的に言えば贈与のタイミングは、贈与の受け手側(子供)が贈与の事実を認識し、その資産の管理を開始した時点になるからです。

裏を返せば、貯金額が110万円を超える前に口座の存在を子供に明かし、子供が自ら口座管理を行うようにすれば贈与税は発生しないことを意味します。この場合、口座の残高がその後110万円を超えたとしても、そのお金は子供自身が管理し、貯蓄した資産という見方になるからです。

具体的な対策として、毎年のお年玉を親子で一緒に銀行で入金するだけでも問題ありません。子供が成人するタイミングなどで初めて貯金の存在を子供に明かそうと考えている方もいるかもしれませんが、贈与税を懸念するならば早いうちから子供と口座を共同管理した方がよいでしょう。

ただし子供が口座を管理したとしても、年間110万円以上を親が子供の口座に入金した場合は贈与税の対象となる点に注意しておきましょう。

【参照】国税庁:「贈与税がかかる場合」 詳しくはこちら

②子供の成人後は親が自由に貯金を引き出せない

親が開設した口座であっても、子供が成人すればその口座管理は原則的に名義人である子供が行うべきものとみなされます。それゆえ、何かの事情で親が子供名義の口座のお金を必要としても、子供本人を通して手続きするか、子供から委任状を預かるなどしなければ引き出せません。

また、成人以前であっても、子供がある程度大きくなっている場合は、本人確認が求められる場合もあります。例えば、大学の学費のような絶対に確保しておかないといけない資金や子供本人に口座管理を任せるのが不安な資金については、親名義の口座で管理するなど用途や状況に合わせた貯蓄方法を選択した方がよいでしょう。

子供名義の口座の開設方法

子供名義の口座の開設方法

子供名義の口座はどのように手続きすれば開設できるかを説明します。口座開設は子供が0歳であっても可能です。一般的に子供名義の口座を開設する際には下記の書類が求められます。

■子供名義の口座を開設するときの必要書類

・子供の本人確認書類(マイナンバーカード、パスポート、健康保険証、住民票など)
・子供のマイナンバーカード
・親権者の本人確認書類(マイナンバーカード、パスポート、健康保険証、運転免許証など)
・親権者のマイナンバーカード
・子供との関係を証明する書類(子供の保険証、住民票、戸籍謄本、母子手帳など)
・銀行印(シャチハタ印は不可)

出典 

※顔写真のない本人確認書類は合計2種類の提出を求められる場合があります。

近年、銀行口座開設時にマイナンバーの届け出が要求されるケースが増えています。マイナンバーカードは本人確認書類も兼ねるため、子供・親権者共にマイナンバーカードを持参するのがおすすめです。また、上記はあくまでも一般的に求められる書類なので、実際に口座開設する際は該当する銀行のWebサイトや窓口などにお問い合わせください。

まとめ

子供名義の口座を開設するメリットとしては、「貯金管理がしやすくなる」「子供の経済観念を養える」「子供の将来設計に役立つ」などが挙げられます。また、子供の将来のために別口座を設けて貯蓄することは、一種の愛情表現にもなるでしょう。子供の将来に向けて、ぜひ計画的な貯金管理をしてください。

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