終活の「年賀状じまい」とは?文例や書き方のポイントなどを解説

スマートフォンの普及や終活の広がりにより、「年賀状じまい」を選ぶ方が増えてきています。年賀状じまいは、年賀状だけのやり取りとなってしまっている人間関係を整理し、年賀状を作成する手間や費用を抑えることにもつながります。本記事では、年賀状じまいをするメリット・デメリットや、実際の文例などをご紹介します。

終活の「年賀状じまい」とは?文例や書き方のポイントなどを解説

年賀状じまい(終活年賀状)とは?

年賀状じまい(終活年賀状)とは?

いざというときに家族が困らないよう行う「終活」には、身辺整理や財産・墓の生前準備、エンディングノートの準備など、やるべきことがさまざまあります。「年賀状じまい」も、そのうちの1つです。

年賀状じまいは「終活年賀状」とも呼ばれていて、「今後、私は年賀状のやり取りを行いません」という意思を周知させることにつながります。親しい仲であれば年賀状を止めることを口頭で伝えられますが、遠方にいる知り合いや、長らく会っていないものの年賀状だけのやり取りは続いているといった関係では、年賀状を送らないと伝えるのはなかなか難しいものです。

年賀状じまいは相手側への配慮にもなる

また、相手側からすると、ある年から突然年賀状が届かなくなると、「何かあったのだろうか」と心配させてしまうことにもつながりかねません。ご自身の終活の一環としてだけでなく、お世話になった方々へ感謝の気持ちとともに年賀状を送付しない意向を伝えるためにも、きちんと年賀状じまいを行ったほうがよいでしょう。

年賀状じまいのメリット・デメリット

年賀状じまいのメリット・デメリット

では、年賀状じまいには具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

人間関係の整理や費用・制作の負担減にも役立つ

メリットとしては、まず人間関係について整理できる点が挙げられます。年賀状は親戚や仕事上の関係者、共通の趣味を持つ人や地域の人など、いろいろな関係性の人とやり取りします。年齢が上がるにつれ、関わってきた人の数も多くなるため、年賀状じまいを通して本当に今後も必要な関係なのか、はがきだけのやり取りとなってしまっていないかなどを見直せます。

また、年賀状を作る・送るといった手間や費用を省けるもの利点です。年賀状作りは、誰に送るのか・送り先は変わっていないかなどの確認作業に始まり、挨拶文やレイアウトの作成、印刷、投函と工程が多く、特に年配になるとそれらが負担となる場合もあります。自らの負担を減らすためにも、年賀状じまいは有効な手段といえるでしょう。

近況の確認にはSNSなども活用しよう

これらのメリットがある反面、例えば年賀状のやり取りが途絶えることで、相手の近況がわからなくなるといったデメリットも持ち合わせています。ただ、今はメールやSNSなど連絡手段も数多くあるため、必要な人とは別の方法で近況を報告し合うようにするなど、新しいかたちで人間関係を続けていく工夫も可能です。

年賀状じまいの書き方のポイント

年賀状じまいの書き方のポイント

ここでは、年賀状じまいの書き方について解説します。

まず、通常の手紙やはがきと同じように、挨拶文から書くことが鉄則です。文頭で年賀状じまいする旨を書いてしまうと、場合によっては相手から「関係を断ちたいと思っている」と捉われてしまうことがあるので注意しましょう。

挨拶文のあとに、年賀状じまいをする旨について伝えます。ここでは、「年賀状じまいをすること」と「なぜ年賀状じまいをするに至ったか」の理由について述べます。そうすることで、相手にきちんと納得してもらえるうえ、年賀状を出さない意向もしっかりと文面で伝えられます。

また、今後もやり取りがしたいと考えている相手に対しては、メールアドレスやSNSのアカウントなど、別の連絡手段について記しておくと親切です。そうすることで、付き合いをやめたいわけではないということが伝わり、継続して連絡を取りやすくなります。これらの点に注意して年賀状じまいを作成しましょう。

なお、年賀状じまいを出すタイミングは、大きく寒中見舞いなどで伝える場合と、最後に出す年賀状を「終活年賀状」として出す場合の2つに分けられます。ご自身の祝年(いわいどし)や定年退職などの出したいタイミングに合わせて、文面なども変えていく必要があります。

年賀状じまいの文例集

年賀状じまいの文例集

年賀状じまいには、どのような文を書けば相手に対して失礼がなく、かつ気持ちが伝わるのでしょうか。以下では、年賀状にて年賀状じまいすることを伝えると仮定し、実際に年賀状じまいを作成する際に活用できる文例をご紹介します。

年齢を理由にした文例

年賀状じまいのきっかけとして最も多いとされているのが、高齢によるものです。前述のように、終活の1つとして行われるケースも多くあります。まずは、そのような際に利用できる文例から見ていきましょう。

親しい人向け

あけましておめでとうございます
旧年中は大変お世話になりました

私事ではありますが、高齢となり年始のご挨拶状も今年限りとさせていただくことといたしました
今後はメール(※メールアドレスを記載)にてご連絡いただければ幸いです
これからも変わらぬお付き合いのほど、何卒よろしくお願いいたします

ビジネス関係者向け

謹んで新年のお慶びを申し上げます
旧年中は大変お世話になりました 本年もよろしくお願いいたします

さて、誠に勝手ながら本年をもって、どなた様とも年賀状でのご挨拶をご遠慮させていただきたく存じます
今後のご挨拶や近況のご報告については、メール(※メールアドレスを記載)にてご連絡させていただければ幸いです

ご理解の程 よろしくお願い申し上げます
皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げます

定年退職など

終活だけではなく定年退職を機に、仕事上での人間関係を整理する意味で年賀状じまいを選択する方もいます。このケースでは、定年退職がきっかけとなったことを記しておくと、年賀状じまいの理由がより伝わりやすくなります。

親しい人向け

あけましておめでとうございます
旧年中は大変お世話になりました

さて、私事となりますが、去る○年○月をもって長年勤めた職場を定年退職いたしました
これを節目に、本年をもちまして新年のご挨拶状を最後とさせて頂きます
今後はメール(SNS)を通じて変わらぬお付き合いができれば幸いです

皆様のご健康とご繁栄を心からお祈りいたします

ビジネス関係者向け

謹賀新年
謹んで新年のお祝いを申し上げます

私事ではございますが、去る○年○月をもって長年勤めた職場を定年退職いたしました
御指導と御鞭撻により 大過なく職責を全うすることができましたこと厚く御礼申し上げます

誠に勝手ながら、これを一つの節目といたしまして
今後 年始のご挨拶状をご遠慮させていただこうと考えております

何卒ご容赦ください
皆様のご健康とご多幸を心よりお祈りいたしております

まとめ

まとめ

年賀状じまいは、年賀状を通じて関わりのある方との関係を整理したり、年賀状を作成する手間や費用を省いたりできます。年賀状じまいを作成する際は、相手側の立場になって考え、伝える際に失礼がないよう配慮しつつ、今後も連絡を取り合うためにはどうすればよいかをしっかりと記しておく必要があります。ご紹介した文例などを踏まえて、前向きな年賀状じまいとなるように進めてください。

三菱UFJ信託銀行「わが家ノート」
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