終活の年賀状じまいとは?相手に合わせた伝え方やタイミング、例文を紹介

終活の一環や、ほかの連絡ツールへの移行などが理由で「年賀状じまい」をする人が増えてきています。本記事では、年賀状じまいをする方法や注意点、実際の文例などをご紹介します。年賀状じまいをすることで、人間関係の整理はもちろん、作成する手間や費用を抑えることが可能です。

終活の年賀状じまいとは?相手に合わせた伝え方やタイミング、例文を紹介

年賀状じまい(終活年賀状)とは?

年賀状じまい(終活年賀状)とは?

いざという時に家族が困らないように行う「終活」には、身辺整理や財産・墓の生前準備、エンディングノートの準備など、さまざまなやるべきことがあります。そのうちの1つが「年賀状じまい」です。

年賀状じまいは「終活年賀状」とも呼ばれており「今後、私は年賀状のやり取りを行いません」という意思を周知させることを目的としています。
親しい友達であれば、年賀状を止めることを口頭で伝えられるでしょう。
しかし、遠方にいる知り合いや、長らく会っていないものの年賀状だけのやり取りは続いているといった関係では、年賀状を送らないと宣言するのはなかなか難しいです。


また、相手側からすると、ある年から突然年賀状が届かなくなると「何かあったのだろうか」と心配させてしまう恐れがあります。
自身の終活の一環としてだけでなく、お世話になった方々へ感謝の気持ちとともに年賀状を送付しない意向を伝えるためにも、適切なタイミングや方法で年賀状じまいを行うことが大切です。

年賀状じまいの方法とタイミング

年賀状じまいの方法とタイミング

年賀状じまいをする方法として、主に以下の5つが挙げられます。タイミングも合わせて確認していきましょう。

今年の年賀状で来年から出さないと伝える

最もポピュラーなやり方として、年賀状に「来年は送らない」という旨を書いたうえで送る「終活年賀状」という方法があります。年賀状のやり取りをしている人すべてに直接伝えることができるため、より確実に相手に周知させることができるでしょう。

会った時に来年から年賀状を出さないと直接伝える

会う機会がある人に対しては、今後年賀状を出さないことを直接口頭で伝えるのも1つの手です。直接伝えることで年賀状じまいをする背景や終活の事情なども理解してもらいやすい、というメリットがあります。

早い人は10月ごろから年賀状の準備をするため、なるべく早いタイミングで伝えるように心がけましょう。会う機会がないけれど、直接伝えたい場合は電話やLINEでもよいでしょう。

寒中見舞いで今年は年賀状を出さないと伝える

年賀状を出さずに、寒中見舞いに年賀状をやめた旨を記載して送るのも1つの手です。
年賀状は「新年を祝うおめでたいもの」であり、年賀状をやめるといった記載を書くことに対して縁起が悪いものと考える人もいます。
伝える相手によっては、寒中見舞いや喪中のタイミングで伝えるとよいでしょう。

SNSで今後は年賀状を出さないと伝える

SNSでフォローしている人に向けて伝えるという方法もあります。ただし、投稿自体をみていない恐れや、フォロワー全員に伝わってしまう点に注意が必要です。
SNSでやりとりをしている人には、DM(ダイレクトメッセージ)を利用して伝えると確実でしょう。

Facebookなどで、年末に一年の振り返りの投稿をする際や、新年の挨拶にSNSを利用する場合がタイミングとして適切でしょう。

何も伝えず出すのをやめる

年賀状のやり取りのみで普段の交流が全くない場合、何も伝えずに出すのを止めてもよいかもしれません。お互い「今までやり取りをしていたから」という理由だけで、義務的に年賀状を送り合っていた可能性があるからです。

今後の交流がないのであれば、何も伝えずに年賀状を止めても問題ないでしょう。

年賀状じまいの注意点

年賀状じまいの注意点

年賀状じまいを行う際は、以下のポイントに気を付けて行うように心がけましょう。

交友関係が途絶えてしまわないか考える

年賀状だけでやり取りを行っている場合、年賀状をやめた際に代わりとなる連絡手段や、関係を続ける方法があるかを考える必要があります。
もし連絡手段がない場合には、年賀状じまいの記載をする際に、メールアドレスなどを書き加えるとよいでしょう。

年に一度の年賀状が関係を保つためにベストな手段である場合もあります。改めて、年賀状じまいが必要な相手なのか、注意して判断しましょう。

関係上、失礼にあたらないか考える

友人ではなく、ビジネスの取引先や親戚を交えて長年の付き合いがある人であれば、年賀状をやめることが失礼にあたる恐れがあります。
今後の付き合いに悪影響を及ぼさないか、自分以外の人に迷惑がかからないか、年賀状による影響を今一度考えるようにしましょう。

年賀状じまいをする理由を伝える

年賀状じまいを伝えられた側としては、理由が気になる人も多いことから、なるべく理由を記載したうえで伝えることをおすすめします。
とはいえ、年賀状じまいをする理由は人それぞれであり、理由を書きたくないケースもあるでしょう。その場合には、相手が不快に思わないような文面で丁寧に伝えることが大切です。

相手との関係性を考えて適切な方法で伝える

先にも述べたように、相手に年賀状じまいを伝える際にはいくつかの方法があります。方法によっては失礼にあたる相手や、相手からの印象を損ねてしまう場合もあります。

相手との関係性を考慮したうえで、適切な方法で年賀状じまいを行うように心がけましょう。

年賀状じまいの書き方のポイント

年賀状じまいの書き方のポイント

ここでは年賀状じまいの書き方のポイントについて、いくつか解説します。

まず、通常の手紙やはがきと同じように、挨拶文から書くことが鉄則です。文頭で年賀状じまいをする旨を書いてしまうと、場合によっては相手から「関係を断ちたいと思っている」と捉えられてしまう恐れがあるため注意しましょう。

挨拶文が書けたら、つづけて年賀状じまいをする旨について伝えます。ここでは「年賀状じまいをすること」と「なぜ年賀状じまいをするに至ったか」の理由について述べることが大切です。
たとえ、理由を書きたくない場合であっても丁寧な文面を心がけるほか、相手にきちんと納得してもらえるような年賀状じまいをこころがけましょう。

今後もやり取りがしたいと考えている相手に対しては、メールアドレスやSNSのアカウントなど、別の連絡手段について記しておくと親切でしょう。連絡先を記載することで、付き合いをやめたいわけではないということが伝わり、継続して連絡を取りやすくなります。

なお、年賀状じまいを行うタイミングによって、適切な文面は異なります。
例えば、終活年賀状や寒中見舞い、定年退職時などにふさわしい文面になっているかどうかも確認したうえで相手に送付しましょう。

年賀状じまいの文例集

年賀状じまいの文例集

年賀状じまいを伝える際は、相手に失礼がなく伝わるような文面にすることが大切です。ここでは、最もポピュラーな方法である終活年賀状で年賀状じまいを伝えることを仮定し、活用できる文例をご紹介します。

年齢を理由にした文例

年賀状じまいのきっかけとして最も多いとされているのが、高齢によってやり取りが難しくなったという理由です。前述のように、終活の1つとして行われるケースも多くあります。まずは、そのような際に利用できる文例からみていきましょう。

親しい人向け

あけましておめでとうございます
旧年中は大変お世話になりました

私事ではありますが、高齢となり年始のご挨拶状も今年限りとさせていただくことといたしました
今後はメール(※メールアドレスを記載)にてご連絡いただければ幸いです
これからも変わらぬお付き合いのほど、何卒よろしくお願いいたします

出典 

ビジネス関係者向け

謹んで新年のお慶びを申し上げます
旧年中は大変お世話になりました 本年もよろしくお願いいたします

さて、誠に勝手ながら本年をもって、どなた様とも年賀状でのご挨拶をご遠慮させていただきたく存じます
今後のご挨拶や近況のご報告については、メール(※メールアドレスを記載)にてご連絡させていただければ幸いです

ご理解の程 よろしくお願い申し上げます
みなさまのご多幸を心よりお祈り申し上げます

出典 

定年退職などを理由とした文例

終活だけではなく定年退職を機に、仕事上での人間関係を整理する意味で年賀状じまいを選択する方もいます。このケースでは、定年退職がきっかけとなったことを記しておくと、年賀状じまいの理由がより伝わりやすくなるでしょう。

親しい人向け

あけましておめでとうございます
旧年中は大変お世話になりました

さて、私事となりますが、去る○年○月をもって長年勤めた職場を定年退職いたしました
これを節目に、本年をもちまして新年のご挨拶状を最後とさせて頂きます
今後はメール(またはSNS)を通じて変わらぬお付き合いができれば幸いです

みなさまのご健康とご繁栄を心からお祈りいたします

出典 

ビジネス関係者向け

謹賀新年
謹んで新年のお祝いを申し上げます

私事ではございますが、去る○年○月をもって長年勤めた職場を定年退職いたしました
御指導と御鞭撻により 大過なく職責を全うすることができましたこと厚く御礼申し上げます

これを一つの節目といたしまして
今後 年始のご挨拶状をご遠慮させていただこうと考えております

誠に勝手ながら、どうぞご理解のほどよろしくお願いいたします
みなさまのご健康とご多幸を心よりお祈りいたしております

出典 

年賀状じまいをするメリット

年賀状じまいをするメリット

年賀状じまいには、主に以下の3つのメリットがあります。

人間関係の整理ができる

年賀状じまいをすることで、人間関係について整理できるのが大きなメリットです。
年齢が上がるにつれて、親戚や仕事上の関係者、地域の人など関わってきた人の数も多くなるでしょう。今後の関係性を続けていくかどうかを、一度考え直すきっかけとなります。

年賀状の作成にかかる手間や費用がなくなる

年賀状を作る・送る際に生じる手間や年賀はがきの費用を省けるのも、年賀状じまいのメリットでしょう。
年賀状作りは、誰に送るのか・送り先は変わっていないかなどの確認作業から始まり、挨拶文やレイアウトの作成、印刷や投函など工程が多くあります。
年齢を重ねてくると負担となるケースも少なくありません。自らの負担を減らすためにも、年賀状じまいは有効な手段といえるでしょう。

メールやSNSの活用で交流が増える

年賀状のやり取りをやめた後、メールやSNSを活用することで交流が増える可能性があります。昨今では、オンライン上でやり取りできるツールは数多くあるため、年賀状にとらわれず別の方法で近況を報告し合うのも1つの手です。

まとめ

まとめ

年賀状じまいとは、終活の一環や、ほかの連絡ツールへの移行などを理由に今後年賀状を送らないようにすることです。
年賀状じまいには、さまざまな方法があります。年賀状じまいを伝える際は、相手側の立場になって考え、失礼がないよう配慮することが大切です。紹介した文例などを踏まえたうえで、自身がやりやすい方法・タイミングで年賀状じまいを行うようにしましょう。

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