【最新】日本の消費税は高い?低い?世界の消費税と比較してみよう!

日本では、2019年10月から10%に定められた消費税。5%から8%、そして10%と徐々に上がっていく消費税に批判の声も多く上がっていましたが、そもそも世界の国々の消費税は何%に定められているのでしょうか。消費税が高い国、低い国をそれぞれ見ていきましょう。

【最新】日本の消費税は高い?低い?世界の消費税と比較してみよう!

消費税の最も高い国はハンガリー、最も低い国は台湾・カナダ

※ハーモナイズド消費税(HST)は、消費税(GST)と州税(PST)を合算したもの。州税がない州では、消費税(GST)のみとなる。

消費税の最も高い国はハンガリー、最も低い国は台湾・カナダ

日本では10%に定められている消費税ですが、世界で最も高いハンガリーではなんと27%もの税率が課せられています。逆に、最も低い国は台湾とカナダで、両国とも5%です。この部分だけ注目してみるとハンガリーの生活は大変なのかと思えますが、消費税はあくまで税金のひとつにすぎません。その部分だけを見るのではなく、他の税率や社会福祉のバランスも含めて各国の情勢を確認していきましょう。

【参考】財務省:「付加価値税率(標準税率及び食料品に対する適用税率)の国際比較(2019年10月調べ)」 詳しくはこちら

【高い国編】世界の消費税ランキング

【高い国編】世界の消費税ランキング

それでは消費税の高い国から順番に見ていきましょう。

1位・ハンガリー

1位は前述したようにハンガリーで、その値は27%です。とはいえ、ハンガリーには日本と同じ軽減税率が採用されており、穀物や小麦を使用した製品や宿泊施設は18%、牛乳、卵、鶏肉や豚肉といった食料品や医薬品、書籍などは5%となっています。一般的な生活に使うものの負担は抑え、贅沢品などの税率を上げるというスタンスは日本に通じるところがあります。ただ、ハンガリーでは経済の活性化のために外食サービスも税率を低く設定しています。

2位・クロアチア、スウェーデンほか

2位にはクロアチア、スウェーデン、デンマーク、ノルウェーの4国がランクイン。税率は25%とハンガリーとほぼ変わらない高さです。クロアチア以外の3国は、高福祉高負担で有名な北欧の国となっています。高い税金のかわりに、医療や教育に対する福祉が手厚いのが特徴です。クロアチアでは標準税率は25%ですが、パンと牛乳、書籍などは5%です。庶民の食卓に毎日上がる食料品などに手厚い軽減税率が適用されているのが特徴です。

3位・アイスランド、ギリシャ、フィンランド

3位はアイスランド、ギリシャ、フィンランドの3国で24%です。アイスランドとフィンランドも、税金が高く福祉が手厚い傾向のある北欧に位置する国です。ギリシャの消費税は日本と同じように段階的に上げられていき、そのたびに市民からは批判の声が上がっていたようです。ギリシャの軽減税率では医療品や書籍は6%となっています。

4位・アイルランド、ポーランド、ポルトガル

4位はアイルランド、ポーランド、ポルトガルの3国。課せられている消費税は23%です。北欧以外でも、ヨーロッパは全体的に消費税が高い傾向にあります。ただ、アイルランドは食料品や子どもの衣服、書籍などには消費税がかからず、医療に関しても高福祉です。ヨーロッパ各国を見ても、高い消費税の一方で生活必需品は非課税だったり一部の軽減が適応されていたりといった傾向が多く見られます。

5位・イタリア、スロベニア

5位はイタリア、スロベニアの2国で22%。ここまでは1%刻みで、ランクインした国はほぼ変わらない消費税の高さといっていいでしょう。イタリアでも軽減税率が導入されており、内容に応じて4%のものと10%のものがあります。イタリア人の食卓に欠かせないパンやチーズは4%、書籍、新聞、医療機器も含まれます。小麦粉や食肉は10%、さらに映画やレストランでの食事も10%です。

【低い国編】世界の消費税ランキング

【低い国編】世界の消費税ランキング

消費税が低い国は日本を含めてアジア各国が多い傾向にあります。それでは順番に見ていきましょう。

1位・台湾、カナダ<

消費税が導入されていない国を除いて、もっともその割合が低いのは台湾とカナダの5%です。ただ、カナダの消費税制度は少々複雑です。消費税は全部で3種類あります。5%は全土一律の消費税(GST)です。その他州税(PST)、ハーモナイズド消費税(HST)があります(※)。州税が設定されている州では、基本の消費税に加算されます。最大で合計15%の消費税が課せられている地域もあるので、一概にカナダの消費税は安いと言い切れないのです。

2位・シンガポール、タイ

2位はシンガポールとタイの7%です。シンガポールでは、消費税(GST)は登録制となっており、登録した企業でなければ国に申告できず、還付を受け取ることができないというシステムになっています。

タイでは付加価値税(VAT)が日本でいう消費税にあたります。これはタイ国内で消費される物品を対象にしているため、タイで購入して国外で消費する場合は、手続きが少々面倒ですが、出国時にVAT課税分を返金してもらうことができます。

3位・日本、韓国、カンボジアほか

3位の国は消費税10%で、日本・韓国・カンボジア・インドネシア・ラオス・ベトナム・オーストラリアです。日本を含むアジアの国々6か国がランクインしています。日本は2019年に10%に引き上げとなり、その際に軽減税率が導入されました。

韓国では、一部の農水産物や非加工食品は非課税とする免税制度もあります。例えば、一時的に持ち運びのために包装したり器に入れたりしているキムチは免税です。

ベトナムでも軽減措置が導入されており、生活に必要な品物やサービスは半分の5%が定められています。日本ではこの度初めて導入された軽減税率ですが、消費税の負担が同じ国々でも、このような措置によって税のバランスが取られているようです。

4位・フィリピン

4位はフィリピンで、その値は12%ですが、消費税ではなく付加価値税(VAT)が採用されています。フィリピンには軽減税率のような措置はなく、食料品なども一律12%となっています。そのため、負担が重いと感じている国民も多くいるようです。
この消費税と付加価値税ですが、課税の対象や範囲が異なるものの、物品を購入する消費者としてはあまり違いがないといえるでしょう。

ただ、物品ではないサービスには消費税とは違う「百分率税」というものが課せられており、水道やガスといった必需サービスは2%、海外通信費は10%などで、内容によって負担率が変わっています。さらにフィリピンでは宝石や自動車、たばこ、酒類などの贅沢品には物品税が課されます。こちらも物品によって税率が変わります。例えば、たばこなら付加価値税12%に物品税6%が加算され、18%の税金となります。

5位・中国

5位は中国の13%です。中国でも消費税にかわって「増値税」と呼ばれている付加価値税(VAT)が導入されています。13%とはこの増値税の値を示しています。

増値税にも負担を軽減する措置がとられています。品目ではなく、販売者の提供するサービス内容によって軽減税率が変わる仕組みです。さらに販売者側の売上高によって小規模納税者と一般納税者に分かれており、それぞれサービス別に13、9、6、3%の4種類の増値税率が設定されています。たとえば一般納税者の輸送サービスや郵政サービスは9%、小規模納税者の物品の販売、加工、修理サービスは3%といった具合です。その他農家が自販する農産品や古本などは免税となっています。

日本の消費税は高い?低い?

日本の消費税は高い?低い?

日本の消費税の負担率は、数字だけ比べれば世界各国の中でも低い方だということが分かります。世界的に見れば安い方とはいえ、5%から8%そして10%への増税の際は国民の間から批判の声もあがってきました。

日本は医療の面では世界的に見ても高い水準を保っています。一方で、年金制度や教育・子育て支援など不安を抱えた点も多く、一概に高福祉とは言い切れないところもあります。この度の消費税増税の目的のひとつに、今まで不足とされていた、育児支援を手厚くするという方針も打ち出されています。重くなった税金が福祉に役立てられるよう願うばかりです。

まとめ

まとめ

消費税のみを比較してみると、ヨーロッパ諸国の消費税が高く、アジア諸国は安いという傾向があるようです。この度日本に導入された軽減税率に関しても、あらゆる国で同じようなシステムが採用されています。消費者としては上がって欲しくない消費税ですが、今後消費増税などの機会には各国の消費税や軽減税率などの制度なども比較して、さまざまな視点から日本の消費税を考えるのも良いかもしれません。

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