【2人の快適空間】DINKS向けマンション、間取りの選び方と注意点

共働きでお子さんのいらっしゃらない夫婦であるDINKS(Double Income No Kids)には、ファミリー向けマンションよりもライフスタイルに合わせたDINKSマンションが経済的でおすすめです。ここでは、DINKSマンションの特徴、間取り、老後に向けての注意点やお得に購入するためのポイントをご紹介します。

【2人の快適空間】DINKS向けマンション、間取りの選び方と注意点

DINKS向けマンションとは

DINKS向けマンションとは

DINKS(ディンクス)マンションとは、共働きでお子さんのいらっしゃらない夫婦向けのマンションです。

2000年以前のマンションといえば、70㎡以上のファミリー向けや、20㎡台のシングル向けが中心でした。しかし、2000年を境にこれらの中間的存在として、30㎡以上60㎡未満の「コンパクトマンション」が生まれました。このマンションがDINKSのニーズと一致し、今ではDINKS向けマンションとして取り扱われることが増えてきています。

DINKSマンションは広さ以外にも、駅が徒歩圏内、夜遅くまで営業しているスーパーがそばにあるなど、共働き夫婦の生活スタイルに沿うように配慮されています。また、高級マンションに設置されている子育て用の共用施設の代わりに、フィットネスジムやバーなど大人向けの共用施設が併設されているマンションもあります。このような利便性の高さから、都内をはじめとした都心部での供給が目立ちます。都心部でバリバリ働くDINKS夫婦なら、DINKS向けマンションは比較的容易に見つかるでしょう。

DINKSにおすすめの間取り

DINKSにおすすめの間取り

DINKSの2人が快適に暮らせる最適な間取りは、ライフスタイルやライフプランによって異なります。ここでは間取りごとにどのような特徴があるのか、どういった夫婦におすすめなのかを紹介していきます。

1LDKがおすすめの夫婦

リビングと寝室があれば十分という夫婦であれば、1LDKがおすすめです。家にいる時間を自然と2人で一緒に過ごすことができます。しかし、自宅に仕事を持ち帰ることが多い方や、そもそも自宅を仕事場としている方がいる場合は、お互いが快適に過ごすためにもリビングとは別にもう1部屋設ける間取りの方がよいでしょう。また、プライベート空間が欲しいという方にもおすすめできません。

2LDKがおすすめの夫婦

2LDKはリビングと寝室、書斎の3部屋として使われることが多い間取りです。リビング・寝室に加えて、仕事部屋としての空間ができるので、作業に集中することができます。また、リビングとそれぞれの私室兼寝室という部屋の分け方もでき、お互いのプライベート空間を作ることも可能です。ただし、前者の分け方をする場合は書斎を共有しなければならないので、それぞれの仕事部屋を独立して設けたいときは3LDKの間取りを選びましょう。

3LDKがおすすめの夫婦

3LDKは、リビング・寝室・それぞれの書斎という部屋の分け方をすることができ、普段一緒に生活しながらも、必要なときはそれぞれが作業部屋に籠もることができるというメリットがあります。夫婦どちらかまたは両方が在宅ワークの場合などは3LDKがおすすめです。しかし、部屋数が増えると、それだけ掃除や家賃の負担が増えます。4DKや4LDKの物件はさらに部屋数が増えるため、DINKSにはあまり向いていません。選択肢に挙げる場合はしっかりと部屋の用途を相談するようにしましょう。

お得にDINKS向けマンションを購入するには

お得にDINKS向けマンションを購入するには

DINKS夫婦がお得にマンションを購入したい場合、多くの人が重視する条件をあえてこだわらないことで、購入費用を安く抑えられる可能性があります。共働き夫婦ならではの観点から特に重要視しなくてもよいと考えられるのが、キッチンスペースと日当たりです。

キッチンスペース

共働き夫婦が家事をする時間は、一般的な家族と比べて少なくなりがちです。特に外食や総菜で食事を済ませることが多いなどキッチンに立つことが少ない夫婦は、キッチンの広さよりも、キッチンや玄関、洗面所などの往来がしやすい「シンプルな導線」になっているかどうかを確認するとよいでしょう。

日当たり

日当たり

部屋選びでよくポイントとして挙げられるのが、日当たりです。日当たりのよい部屋は、洗濯物が乾きやすく、日中も明るいというメリットがあります。しかし、共働きで朝から仕事に出掛ける場合、家で過ごすのは主に夜の時間帯になるので、日差しがあってもなくても関係ないという考え方もあります。日差しが入りにくくても問題ないのなら、価格が低めに設定されている北向きの部屋を選ぶことで、購入価格を抑えることができます。また、北向きだから暗すぎるということはほとんどありませんし、日差しが柔らかいため家具の劣化が進みにくいというメリットもあります。

このように、ある条件をこだわりから外した結果、購入費用を抑えて老後の資金を貯めることができたり、より利便性の高い場所を選べたりと、マンションの選択の幅が広がります。キッチンや日当たり以外にも、考慮しなくてよい条件があればさらに安く抑えることもできるでしょう。マンションの購入前には、今一度条件について確認してみてください。

DINKS夫婦が老後に向けて気を付けたいこと

DINKS夫婦が老後に向けて気を付けたいこと

DINKS夫婦は子どもの養育費がかからない分、経済的に余裕があり、老後も安泰だと考えがちです。しかし、DINKS夫婦ほど老後の資金を考えた方がよいという意見もあります。

まず、DINKSは老後も自分たちの力だけで生活していかなければなりません。また、普段から浪費癖がついていると、退職したあともお金を使いすぎてしまい、足りなくなってしまうということが考えられます。では老後の生活にはいったいどのくらいのお金が必要なのでしょうか?

生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」によると、老後の最低限必要な生活費は毎月約22万円、ゆとりを持って生活するなら毎月約35万円必要だとされています。現在、厚生年金の平均額は14万5,000円なので、2人分で約29万円の受給が期待できます。毎月35万円支出があると考えると不足分は6万円となり、1年では6万円×12カ月で72万円、老後の生活が30年続いたとして72万円×30年で2,160万円が必要になります。働き盛りの今のうちから老後の資金についてパートナーと話し合い、計画を立てておくことが大切です。

【参考】公共財団法人 生命保険文化センター:「生活保障に関する調査(平成28年度) 第Ⅲ章 老後保険」※詳しくはこちら 
【参考】厚生労働省年金局:「厚生年金保険・国民年金事業の概況(平成29年度)」※詳しくはこちら

まとめ

DINKSマンションはほかの賃貸や一戸建てと比べて子供のいない共働きの夫婦が過ごしやすい空間になっており、近年人気を集めている物件です。それぞれの家庭にもよりますが、一人で過ごせる空間も設けられる間取りであれば、お互いが気持ちよく過ごせることでしょう。ただしDINKSの家庭は、老後の生活を自分自身で賄う必要があるので、十分な資金を貯めなければならないという注意点もあります。これらの条件を踏まえると、ファミリー向けマンションより価格の抑えられたDINKS向けマンションの購入をおすすめします。

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