日本の硬貨の重さはどれくらい?大きさ(直径)や材質などについても解説

日本では、紙幣と硬貨が通貨として流通しています。この記事では、硬貨に着目し、1円玉から500円玉まで全6種類の硬貨の重さや、大きさ(直径)などの基本知識をご紹介します。さらにお金にまつわる豆知識もご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

日本の硬貨の重さはどれくらい?大きさ(直径)や材質などについても解説

日本の硬貨の重さはどのくらい?

日本の硬貨の重さはどのくらい?

日本の貨幣は、独立行政法人造幣局が製造し、日本銀行から発行されています。日本銀行からのデータをもとに、下記に1円玉から500円玉までの重量を表にまとめました。

1円玉から500円玉までの重さ

種類 重さ
1円玉 1.0g
5円玉 3.75g
10円玉 4.5g
50円玉 4.0g
100円玉 4.8g
500円玉 7.0g

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1円玉がちょうど1.0gなのは有名な話ですが、1円玉7枚でちょうど500円玉の重さになることはご存知でしたか?それでは次に、硬貨の大きさについても確認していきましょう。

日本の硬貨の大きさ(直径)はどのくらい?

日本の硬貨はどんな材質でできている?

1円玉から500円玉までの硬貨の大きさ(直径)は、以下の通りです。

1円玉から500円玉までの硬貨の大きさ

種類 大きさ(直径)
1円玉 20.0mm
5円玉 22.0mm
10円玉 23.5mm
50円玉 21.0mm
100円玉 22.6mm
500円玉 26.5mm

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日本の硬貨はどんな材質でできている?

日本の硬貨はどんな材質でできている?

50円玉や100円玉は銀色に輝き、10円玉はほかの硬貨と比べ、銅の赤茶色が目立ちます。ここでは、それぞれの硬貨がどのような金属を使ってできているのかをご紹介します。

各硬貨の材質

種類 大きさ(直径)
1円玉 アルミニウム100%
5円玉 銅60~70%・亜鉛40~30%
10円玉 銅95%・亜鉛4~3%・スズ1~2%
50円玉 銅75%・ニッケル25%
100円玉 銅75%・ニッケル25%
500円玉 銅72%・亜鉛20%・ニッケル8%

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硬貨の色の違いは、このように素材やその配合の違いによって生まれています。ちなみに素材単体の重さを比べてみると、銅>ニッケル>スズ>亜鉛>アルミニウムとなっており、銅やニッケルを含む硬貨は重くなる傾向にあります。

日本の硬貨に描かれた図柄の意味とは?

10円玉には平等院鳳凰堂、100円玉には桜と、硬貨にはそれぞれ図柄がデザインされています。ここではその図柄の意味や、そのデザインが選ばれた経緯などをご紹介します。

1円玉

1円玉

1円玉のデザインは、表と裏それぞれ一般公募から選ばれたものです。表の若木のデザインは、伸びていく日本を表しています。昭和30年(1955年)からずっと同じデザインを保持してきました。

5円玉

5円玉

5円玉の表のデザインは、稲穂と水(下半分に描かれた横線)、そして穴(孔)の周りに描かれた歯車です。これは昭和24年(1949年)当時の日本の主な産業である農業・水産業・工業を表しています。また裏には左右に小さな双葉が描かれており、これは戦争を終えて新しく民主国家になった新生国家日本を象徴しているといわれています。

10円玉

10円玉

10円玉の表には平等院鳳凰堂と唐草、裏には常磐木(ときわぎ)が描かれています。平等院鳳凰堂は、藤原頼通が極楽浄土に見立てて建てたものです。現在は世界遺産にも登録されており、日本の象徴的な建造物だといえます。

50円玉

50円玉

50円玉は、表に菊の花がデザインされています。このデザインも、1円玉と同様一般公募から選ばれました。ちなみに現在の50円玉のデザインや大きさは昭和42年(1967年)からのものです。
昭和30~41年(1955~1966年)の間は別のデザインが採用されていました。その当時、50円玉は穴が開いておらず、大きさも今より大きいものでした。デザインは異なりますが、現在同様菊の花が描かれていました。
しかし色が同じ100円玉と見間違いやすいことから、50円玉は穴を開けてサイズを小さく変更し、それに合わせてデザインも現在のものへと変更されたのです。

100円玉

100円玉

100円玉の表には、桜の絵が描かれています。過去の100円玉は鳳凰や、稲穂のデザインでした。素材も銀から銅・ニッケルに変更されています。

500円玉

500円玉

500円玉の表には桐が描かれています。裏には上下に竹、左右に橘(たちばな)の図柄があります。また平成12年(2000年)以降は、偽造防止のため、裏の500円の0の中に字が見え隠れする「潜像」という加工がされるようになりました。

2021年11月から新500円玉を発行

財務省は偽造防止の対策として、新1万円札は渋沢栄一、新5千円札は津田梅子、新千円札は北里柴三郎を新たな肖像に使った新紙幣の発行を2019年4月に決定。同時に新500円硬貨の導入も発表しました。

発表当初は、新紙幣は2024年度上半期、新500円硬貨は2021年度上半期導入予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大により利用できる機械(ATMや券売機など)の改修が追い付かず、11月に延期となりました。

新500円玉にはバイカラー・クラッドと呼ばれる技術が採用されています。異なる種類の金属板を3層構造にした円盤(クラッド)を別の金属で作ったドーナツ状の板にはめ込んで作成されます。

また、現行の500円硬貨は縁のギザギザの方向が同一ですが、新500円硬貨では一部が異なる形状に。裏面の端には「500YEN」「JAPAN」と小さく刻印されます。

2021年11月に発行される予定ですが、現行の500円硬貨と完全に入れ替わるにはかなりの年数がかかると予想されています。

日本の硬貨についての豆知識

日本の硬貨についての豆知識

5円玉や50円玉には穴が開いていますが、なぜ穴が開いているのかご存知ですか?ここでは日本の硬貨にまつわる豆知識をご紹介します。

硬貨に開いている穴には意味がある

5円玉と50円玉に開いている穴。これは他の硬貨との識別を容易にするため、というのが主な理由だそうです。特に50円玉と100円玉は使われている素材が同じなので、穴の有無で識別を容易にしているのです。また偽造防止の意味もあります。

偽造防止に使われている加工

穴開き以外にも、硬貨に使われている偽造防止加工があります。たとえば500円玉の縁(ふち)に入っている斜めのギザ加工は、大量生産型の貨幣で世界初といわれる偽造防止加工です。また500円玉には、小さな穴を彫る微細点加工や、髪より細い線の模様を施す微細線加工なども行われています。

日本の偽造防止技術は高く海外貨幣も製造している

上記で紹介したような日本の貨幣に施されている偽造防止加工技術は、世界的にも評価されており、日本では海外貨幣の製造も行っています。ニュージーランド・スリランカ・バングラデシュ・カンボジア・ブルネイ・ミャンマーの記念貨幣の製造を受注、またバングラデシュからは一般流通貨幣の製造も受注しました。
近年は電子マネー、プリペイドカード、クレジットカードなどの利用拡大により、貨幣の製造量が減少しています。そのため余った設備や技術を上手に活用するために、海外貨幣の受注に力を入れているのです。財務省は、日本の貨幣加工技術における水準の高さをアピールし、貨幣製造の受注案件を増やしていく考えです。

まとめ

まとめ

この記事では、日本で流通している貨幣の重さや大きさなどの基本情報や、デザインや発行の歴史などの豆知識をご紹介しました。日本の貨幣には、世界的にも評価されている高度な加工技術が施されています。今後財務省は、この技術を利用して、海外貨幣の製造にも取り組む予定です。
近年では現金を使う機会が減ってきてはいますが、現金を手に取ったときは、ぜひそのデザインや加工技術に注目してみてください。

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