自動運転技術の仕組み!それぞれの今後の課題や必要な理由とは?

自動運転技術は、人が補助すれば自動で走行できるレベルにまで到達しています。今回は、自動運転に必要な技術や現在の自動運転レベルについて詳しく解説します。この記事を見れば、いま抱えている課題や自動車メーカーが取り組んでいることについても理解できるでしょう。

自動運転技術の仕組み!それぞれの今後の課題や必要な理由とは?

「自動運転を実現するにはどんな技術が必要?」「現在、自動運転技術はどれくらい発展しているんだろう?」と気になっていませんか。

自動運転技術は、人が補助すれば自動で走行できるレベルにまで到達しています。もしかすると、数十年後には完全自動運転ができるほどの技術発展をしているかもしれません。

今回は、自動運転に必要な技術や現在の自動運転レベルについて詳しく解説します。いま抱えている課題や自動車メーカーが取り組んでいることについても紹介するので、参考にしてください。

自動運転技術のレベルを知って、未来の交通事情を予想してみましょう。

自動運転を実現するための10の最先端技術

自動運転を実現するための10の最先端技術

自動運転を実現するために、以下の10の最先端技術が使われています。

【自動運転の10の最先端技術】
・位置の特定
・認識
・人工知能(AI)
・予測
・プランニング
・ドライバーのモニタリング
・通信
・HMI
・サイバーセキュリティ
・データの処理

どれか1つでも欠けてしまうと、安全なはずの自動運転車が頻繁に事故を起こしたり、渋滞解消に役立たなかったりするため、公道を走らせることができません。

それぞれどのような技術なのか順番に見ていきましょう。

位置の特定

自動運転されている車両がどこを走行しているのか、駐車しているのかといった位置を特定するための技術です。

人は運転をするときに自分で位置を確認して目的地に向かいますが、自動運転の場合も正確な現在地がわからなければ目的地に辿りつきません。

カーナビではGPSやQZSS(準天頂衛星システム)が使われていますが、トンネルや地下に入ると正確な位置の特定が困難です。自動運転ではGNSS(全地測位衛星システム)を使いつつ、トンネルなどではタイヤの回転数を計測できるDMIや角度(方向)・速度の変化を計測できるIMUの技術を使い、車両の位置を推定しています。

認識技術

認識技術とは、障害物の位置や動き、周辺の歩行者の状況などを認識するための技術です。車両に備えつけのカメラやミリ波レーダーなどのセンサーによって車両の周囲や道路状況を認識します。

また、交通ルールに従うためには、道路上の白線や標識などの認識も欠かせません。

自動運転の際には目で見たものを脳で判断するように、センサーで得た情報を人工知能(AI)に送ることになります。

人工知能(AI)

運転操作の判断をするために欠かせない技術が人工知能(AI)です。センサーで認識したものが何であるかを確認し、ハンドル・アクセル・ブレーキの操作を判断します。

例えば、センサーは子どもが飛び出てきたという情報を捉えます。もし、人工知能(AI)が「子どもだから急ブレーキを踏まなければならない」とただちに判断できなければ事故が多発するでしょう。

逆に、道に落ちているゴミにまで反応して急ブレーキを踏んでしまうと、後続の車に追突される恐れがあります。

繰り返し、人工知能(AI)に学習させ、さまざまなパターンにおける正しい判断ができなければ完全な自動運転の実現は難しいでしょう。

予測

安全な自動運転を求めるのであれば、予測技術も欠かせません。予測技術とは、予測できるリスクを想定して車両を制御する技術です。

例えば、雨の日は歩行者や自転車が見えづらいため減速するなど危険を回避することで事故を未然に防ぎます。

特定の場所での事故の多さや天気・災害情報、渋滞状況などから、リスクを想定する技術を搭載することで、安全な自動走行が実現するのです。

プランニング

プランニングとは、現在地から目的地までの最適ルートを算出し、走行ルートに反映させる技術です。リアルタイムの渋滞情報や気候・災害、工事の状況などを把握し、安全かつ早く目的地に到着するルートを算出します。

カーナビでもできているからすぐにでも実装できそうだと思うかもしれません。

しかし、予期せぬことが起きたときの判断もプランニング技術で行わなければなりません。事故による通行止めがあったときに違うルートにプランニングし直す力も求められる高度な技術です。

ドライバーのモニタリング

ドライバーのモニタリングとは、手動運転でのドライバーの動きを車内カメラで監視する技術です。

目線やまばたきの回数などを監視し、脇見運転や居眠り運転をしていないかをチェックします。万が一、安全運転が継続できない可能性を検知するとアラートが鳴り、反応がなければ車両を安全な場所に停止する仕組みです。

自動運転車と緊急時にドライバーが運転する先進安全自動車では、ドライバーのモニタリング機能の装備が義務付けられています。

通信

通信技術とは、自動運転の車両と外部を通信ネットワークでつなぐための技術です。通信技術を使って、混雑状況や事故状況などの情報を集めることは、車両を安全に走行させるために欠かせません。

自動運転に必要とされる通信技術は、3つあります。

【自動運転に必要な3つの通信技術】
・Cloud-to-Car
・車車間通信(V2V)
・路車間通信(V2I)

リアルタイムに情報を収集し、ビッグデータから必要な情報を取得するためには、次世代通信規格である5Gの普及も欠かせません。一度に大量のデータを送受信でき、遅延が起こりにくいことから、自動運転の実現に大きく貢献すると予想されています。

HMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)

HMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)とは、人間と自動運転システムが相互にやり取りするための技術のことです。自動運転車に乗って移動する際には、目的地を設定したり、エアコン・オーディオの制御をしたりしなければなりません。

タッチパネルで伝えることもできますが、音声やジェスチャーで指示できるとより快適です。逆にシステムから乗車している人に向けて情報を伝えるためにも、HMIは欠かせません。

サイバーセキュリティ

外部と自動運転の車両とが通信をするので、ハッキングを防ぐサイバーセキュリティを強化しなければなりません。なぜなら、自動運転システムの乗っ取りによる事故や事件が引き起こされるリスクがあるからです。

自動車業界全体のサイバーセキュリティを強化し、常に脆弱性や脅威を検出して攻撃を防げなければ、安全な自動運転は実現しないでしょう。

データの処理

自動運転の車両はリアルタイムで膨大なデータの通信を行うため、蓄積・高速処理をしなければなりません。1台の自動運転車両が通信するデータ量は1日でテラバイト級と言われており、大容量・高耐久のストレージが必要です。

また、データを収集するビッグデータ側のデータ処理も高速でなければ、必要なタイミングで必要な情報だけを取り出すことはできません。データを収集すると同時に瞬時に解析し、発信する技術が自動運転では求められます。

自動運転技術の5つのレベル

自動運転技術の5つのレベル

自動運転技術は、国土交通省の「運転支援技術・自動運転技術の進化と普及」によって5つのレベルに分けられています。

運転技術レベル詳細
レベル1運転支援:システムが前後・左右いずれかの車両制御を実施 例)自動ブレーキ・前の車について走る・車線からはみ出さない
レベル2特定条件下での自動運転機能(レベル1との組み合わせ) 例)車線を維持しながら前の車について走る 特定条件下での自動運転機能(高機能化) 例)高速道路に限られた自動運転モード機能 遅い車は自動で追い越す・高速道路の分合流を自動で行う
レベル3条件付き自動運転:システムがすべての自動タスクを実施するが、システムによる介入要求次第ではドライバーが対応することも必要
レベル4特定条件下における完全自動運転:特定条件下においてシステムがすべての運転タスクを実施する
レベル5完全自動運転:常にシステムがすべての運転タスクを実施する

【参考】運転支援技術・自動運転技術の進化と普及|国土交通省詳しくはこちら

レベル1〜2はドライバーの補佐程度の技術ですが、レベル3〜5は主にシステムによる運転ができる技術レベルです。そのため、レベル2とレベル3には、大きな技術的壁があります。

自動運転技術の現状と今後の見通し

いままで市販車へ搭載されている技術はレベル2「特定条件下での自動運転機能」まででした。

しかし、2021年3月にHondaが世界初となる認可を受け、Honda SENSING Eliteを搭載した「LEGEND」を発表しています。自動運転レベル3に適合する先進技術が駆使されており、高速道路渋滞時などの特定条件下に限ってドライバーに変わって自動運転システムによる運転が可能です。

【参考】Honda | Honda SENSING Elite 搭載 新型「LEGEND」を発売詳しくはこちら

Honda SENSING Eliteの主な機能は以下の通りです。

【Honda SENSING Eliteの主な機能】
・ハンズオフ機能
・渋滞運転機能(トラフィックジャムパイロット)
・緊急時停車支援機能
・HMI

レベル3の技術が正常に動いているときには、ハンズフリーに加えてフットフリー・アイズフリーも法律で許可されます。今回は、法人リースのみで100台限定販売ですが、ドライバーにとって便利で安心な自動運転技術の実現が今後期待できるでしょう。

なぜなら、国土交通省の「運転支援技術・自動運転技術の進化と普及」によると、2025年を目処にレベル4が実現される見通しだからです。完全自動運転であるレベル5の実現の時期は未定ですが、遠くない未来で実現されるでしょう。

【参考】運転支援技術・自動運転技術の進化と普及詳しくはこちら

自動運転が抱える課題

自動運転が抱える課題

自動運転技術を実現するには、まだまだ課題が山積みです。

多くの技術が発達しているにもかかわらず、完全自動運転普及の目処が立っていないのは以下のような課題があるからです。

【自動運転技術の課題】
・事故が起きたときの責任
・国際的なルール作り
・AIの完成度
・情報通信インフラの整備とセキュリティの強化

自動運転の実現の妨げになっている課題について詳しく確認していきましょう。

事故が起きたときの責任

事故が起きた場合、誰が責任を負うべきかは大きな論点です。自動運転の技術が発達しても予期せぬ事故を完全に防ぐことはできません。

完全自動運転車の事故の責任は、ドライバー・自動車メーカー・ソフトウェア提供元のいずれかにあると想定されます。しかし、責任の所在を明確にしなければ自動運転技術が向上したとしても普及は難しいでしょう。

また、完全自動運転車同士の場合、ドライバーのいる自動車と完全自動運転車との場合、完全自動車と人や自転車の場合など、あらゆるケースを想定しなければなりません。今後も、議論される課題でしょう。

国際的なルール作り

自動運転車が市場に出回るためには、国際的なルール作りが不可欠です。なぜなら、日本で販売された自動車も海外に出回り、逆に海外から日本に入ってきて公道を走行することになるからです。

現在、「車は人が運転するもの」と定義されているジュネーブ道路交通条約が締結されています。今後は、ジュネーブ道路交通条約の解釈を変えたり「車は自動運転システムが運転することもある」という前提に変えられることが想定されます。自動運転車が普及したときの国際的なルール作りが必要になるでしょう。

【参考】ドライバーと自動運転システムの役割分担の考え方詳しくはこちら

人工知能(AI)の完成度

さまざまな判断を瞬時に行う必要のある人工知能(AI)の完成度が未熟だと、安全な自動運転の実現は難しいです。人工知能(AI)の判断ミスは事故に直結します。

人工知能(AI)の判断ミスを減らすため、自動車メーカーやソフトウェア開発会社は繰り返し、人工知能(AI)に学習をさせて精度を上げています。「決してミスをしない」という確証を得られるまでは、完全自動運転の実現は難しいでしょう。

情報通信インフラの整備とセキュリティの強化

情報通信インフラが整わなければ、膨大な通信を行う自動運転システムに遅延が発生してしまいます。ほかの自動運転車が取得した渋滞情報や道路状況をリアルタイムに受信できず、自動運転の精度・効率性が落ちる原因になります。

次世代通信規格5Gの普及が進められているため、膨大なデータを低遅延で通信できるようになるでしょう。しかし、世界中のどこで運転しても5Gの環境が整っている状況を目指すには時間がかかるかもしれません。
 
また、自動運転車を利用する個人の位置情報がビッグデータに集約されてしまうため、政府・自動車メーカーに個人情報を提供することになりかねません。このような個人情報は本来価値あるものです。

たとえば、情報銀行「Dprime」は自分の選んだ企業にパーソナルデータを提供することで、商品がお得に購入できたりサービスの優待を受けられたりします。

もちろん、パーソナルデータは提供するものの、提供する企業が選べたり、渡すパーソナルデータを選んだりできるので安心して利用できるでしょう。

自動運転技術が抱える課題解決のために

自動運転技術が抱える課題解決のために

自動運転技術が抱える課題解決や事故を起こさない自動運転車の実現のために、自動車メーカーは繰り返しシミュレーションと実証実験を行っています。

例えば、自動運転レベル3に適合するHonda SENSING Eliteを搭載した「LEGEND」を発売したHondaでは、以下のような取り組みが書かれていました。

【自動運転に対する取り組み】
・リアルに起こりうる状況を網羅的に再現し、約1,000万通りのシミュレーション
・全国約130万kmを走行する実証実験
・グローバル展開に向けた海外での実証実験

【参考】自動運転技術の取り組み|HONDA詳しくはこちら

こうした実証実験が各自動車メーカーで行われ、事故のない安心・安全な自動運転車の開発を目指しています。

自動運転技術により期待される生活の変化

自動運転技術の発展によって得られる生活の変化

なぜ、自動運転技術の発展や自動運転車の普及を国土交通省や自動車メーカーが目指しているのでしょうか。その理由は、自動運転車の普及が進むことで私たちの生活が豊かになるからです。

具体的には、以下のような3つの生活の変化が期待できます。

【自動運転技術により期待される生活の変化】
・交通事故の減少
・交通渋滞の解消
・高齢者の移動手段の確保

自動運転車が街に普及したときの生活を想像してみましょう。

交通事故の減少

交通事故の減少は、自動運転技術向上の最大のメリットと言えるでしょう。

人が運転している交通事故の要因は、以下のようにドライバーの不注意によるものが多いです。

【交通事故の要因】
・確認不足や判断ミス
・前方不注意
・脇見運転
・居眠り運転
・飲酒運転

人の運転は完璧ではありません。ストレスを抱えていたり、体調が悪かったりすることがミスを引き起こすこともあります。しかし、自動運転になればシステムが作動するため、人的ミスによる交通事故は少なくなるでしょう。

特に、車両周りのセンサーは人よりも敏感で、反応速度も早いため、交通事故は大幅に減少することが期待されるでしょう。

交通渋滞の解消

自動運転車の普及により、交通渋滞の解消が期待されます。

ほかの車のデータをクラウド上で把握できるため、それぞれの車が効率のよいルートで走行するようになるためです。人間のドライバーよりもはるかに多いデータを収集して瞬時に分析するため、的確なルートを選べます。

イライラする交通渋滞が解消され、スムーズに目的地まで辿り着けるようになるでしょう。

高齢者の移動手段の確保

高齢者ドライバーによる交通事故が増えているなか、高齢者の移動手段の確保が必要だと各地で課題となっています。

いままでは移動のために仕方なく車を運転していた高齢者も、完全自動運転の車が普及すれば乗るだけで移動できるようになるのです。高齢者の多い地域や交通が不便な地域では、自動運転のタクシーが普及するかもしれません。

高齢化の進む日本において、自動運転車は画期的な活躍を見せてくれるでしょう。

まとめ

自動運転を実現するためには10の先端技術が不可欠です。

各自動車メーカーや国土交通省は完全自動運転を目指していますが、現在は「条件付き自動運転」が実現できるレベルに留まります。

位置情報や空間認識の情報などのさまざまなデータによって自動運転技術は大きく前進しました。このように、情報は新たなサービスを生み出しています。

情報銀行サービスである「Dprime」ではパーソナルデータを提供することで、対価として割引券などのギフトを得られます。情報提供先のサービスや商品を受け取ったり、クーポンや優待券を使えたりするため、お得です。パーソナルデータを賢く提供して、より豊かな生活を実現させましょう。

  • Dprime
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