お墓を購入する流れを徹底解説!費用相場や墓地の種類、立地に注意しよう

身内の不幸や、自身の死に向き合う時に考えなければいけないお墓の購入。この記事では、お墓を購入する時の流れや費用相場、お墓選びの注意点などを紹介します。墓地・霊園の特徴を学んだり、子孫のことまで考えたお墓の購入に役立ててください。

お墓を購入する流れを徹底解説!費用相場や墓地の種類、立地に注意しよう

お墓の購入から完成までの全体の流れ

お墓の購入から完成までの全体の流れ

お墓の購入から完成までにはいくつかのステップがあります。
墓地の場所や墓石のデザイン、依頼先によって所要期間は異なるため、半年程度見込んで計画的に購入することが大切です。

お墓完成までの流れ 所要期間
①どのようなお墓にしたいか納骨方法を決める ①~②で3ヶ月
②どこにお墓を建てるか(墓地)を決める ①~②で3ヶ月
③墓石を決め、石材店で相見積もりをとる 1~2ヶ月
④お墓を建て、完成した墓石を確認する 1ヶ月

お墓の購入から完成までの各ステップ

お墓の購入から完成までの各ステップ

先ほどの全体の流れで確認した各ステップをそれぞれ詳しく見ていきましょう。

どのようなお墓にしたいか納骨方法を決める

納骨はお墓にするもの、というイメージを持たれる方も多いかもしれません。
現在はお墓に納骨する以外の選択肢も豊富にあります。その選択肢とそれぞれの納骨方法の説明は以下の通りです。まずは、どのような方法で納骨したいか決めていきましょう。

納骨方法 説明
永代供養する 寺院や霊園などで永久的な供養を依頼して、共同墓地に納骨する
納骨堂に収める 多くの骨壺が安置されている屋内の施設に納骨する
散骨する 粉状にした遺骨を海や山に撒くこと
樹木葬 墓石の代わりに樹木をシンボルにして納骨する

どこにお墓を建てるか(墓地)を決める

遺骨は、都道府県知事が認定する墓地・霊園で埋葬しなければならないことが法律によって決まっています。
墓地・霊園は、運営母体によって以下の通り大きく3種類に分かれます。

・寺院墓地
・民営墓地(霊園)
・公営墓地

寺院墓地は宗教法人によって運営されています。そのため、宗旨・宗派が規定されます。民営墓地(霊園)と公営墓地は宗旨・宗派が問われないという特徴があります。

墓地の選び方には、アクセスのしやすさ、気候、治安、立地などのさまざまなポイントがあります。現地に見学に行ったり、数年後や数十年後も利用することを想定したりして、納得のいく墓地を決めていきましょう。

墓石を決め、石材店で相見積もりをとる

墓地が決まったら、墓石を決めます。石材店に行って墓石やデザインを選びましょう。
そのうえで、ほかの石材店で相見積りを取ることがおすすめです。複数の見積りを取ることで、おおむねの目安が分かってくるでしょう。
墓地によっては提携先の石材店が決められている場合があります。石材店を複数社から選定したい場合には、墓地を選ぶ際に指定石材店があるかどうかを確認しておきましょう。

お墓を建て、完成した墓石を確認する

墓石の施行工事期間は、通常1〜2ヶ月ほどです。墓石が完成したら、注文した内容と合っているかなど、実際に足を運んで周囲の様子と合わせて確認をしましょう。

宗派によっては、お墓完成後に僧侶を呼んで「開眼供養」を行う場合もあります。開眼供養は、納骨式と同日に行うこともあるため、僧侶とのスケジュール調整も必要な可能性があります。

お墓の購入にかかる費用

お墓の購入にかかる費用

お墓の購入にあたっては、永代使用料、墓石の購入費用、墓地の工事費用、墓地完成後の開眼供養・納骨供養の費用などの費用がかかります。それぞれの費用について詳しく見ていきましょう。

墓地の使用料(永代使用料)

1948年に制定された「墓地、埋葬等に関する法律」により、地方自治体が認可した場所だけにしかお墓を建てることができなくなりました。
お墓を建てるには、霊園や寺院に「永代使用料」を払わなくてはなりません。

永代使用料とは、土地を利用する使用料です。墓地を購入するわけではないため、必ずしも永代、つまり子々孫々にわたって使用できる権利が得られるわけではありません。

永代使用料は霊園・寺院の立地条件や設備、あるいは建てる墓地の広さなどによって設定されます。
永代使用料の全国平均は、67.73万円となっていますが、東日本では64.27万円、西日本では76.71万円となっており、地域によっても価格差があります。墓地を決定する際には、永代使用料の1平方メートルあたりの価格で複数の墓地を比較するといいでしょう。

墓石の購入費用

墓石の値段は、石の種類や使用料、墓石のデザインなどによって大きく違います。
また、お墓の中心に建つ竿石や台石だけと思われがちですが、これに外柵・納骨棺・花立て・香炉などの石材一式、彫刻料(家名など)・据え付け工事費用・金物付属品(香皿など)代を含めた総額が墓石代となります。
墓石の購入費用は、全国平均で133.83万円となっています。

墓地の工事費用

お墓を建てるためには、墓地の工事費用もかかってきます。
基礎工事から始まって、外柵を設置する工事、そして石碑を設置する工事を行います。
工事費は、墓地の場所や広さなどの条件によって異なります。平米あたり3~5万円ほどが単価相場となります。

墓地完成後の開眼供養・納骨供養の費用

墓地が完成したあと、仏教式の場合には「開眼供養」「納骨供養」を僧侶に依頼します。その際には料金をお寺に支払います。
一般的には「開眼供養」で2~5万円、「納骨供養」で2~5万円、お車代・お膳代として1万円程度とされています。

【参考】いいお墓「お墓の価格相場全国一覧」詳しくはこちら

お墓を購入する時の注意点【お墓選び編】

お墓を購入する時の注意点【お墓選び編】

お墓を購入する際には自分がどんなお墓に入りたいのかだけでなく、家族や親族がお墓参りをしやすい場所にあるか、管理料は手ごろであるかなどよく考えて選ぶ必要があります。ポイントは以下の2点です。順番に解説していきます。

・後継者が管理しやすい立地を選ぶ
・墓地・霊園の種類や特徴を把握しておく

後継者が管理しやすい立地を選ぶ

お墓は、故人の後継者がいる限り永久的に引き継がれていきます。今の自宅の近くや駅にこだわるのではなく、後継者となる子供たちの利便性を優先的に考える必要があります。

また、永代使用権は、管理料を払う後継者が絶えれば取り消されてしまいます。お墓の購入時には、できれば子供や親族の中から後継者を決めておき、その後継者の事情を優先してお墓を選ぶといいでしょう。

墓地・霊園の種類や特徴を把握しておく

先述した通り、墓地・霊園には3種類あります。寺院墓地、民営墓地(霊園)、公営墓地です。それぞれの特徴を把握しておくことが大切です。

寺院墓地は、宗教法人が運営している墓地です。
寺院墓地でお墓を建てる際には、基本的にはその寺院の「檀家」となる必要があります。ご自身の信条が檀家となる寺院と一致していることが大前提となります。
檀家となると、代々その寺院を信仰する家として登録され、お布施などを定期的に支払う場合もあります。基本的には法要などをその寺院の住職に依頼することになるでしょう。

民営墓地(霊園)は、民間業者や公益法人が運営している墓地です。
宗教法人が運営しているわけではないので、宗旨宗派が自由であることに特徴があります。ペット霊園や、友人同士でお墓を共同購入するなど、あらゆる面で自由です。
施設にもよりますが、費用が割高となるのは注意すべき点です。

公営墓地を運営するのは、自治体です。住民のための墓地であるため、宗旨・宗派が自由であること、また割安であることが特徴として挙げられます。
基本的には抽選で決定されるため、地域によっては必ずしも募集がないような場合もあるでしょう。また手元に遺骨があることが条件となっていることが多く、生前にお墓を探す「終活」には向かないことにご留意ください。

お墓を購入する時の注意点【費用編】

お墓を購入する時の注意点【費用編】

お墓を購入する時には、費用面でも注意が必要なポイントがあります。ここでは以下の2点について詳しく解説していきます。

・お墓を購入した後にも費用が掛かる
・お墓の購入費用は所得控除の対象にならない

お墓を購入した後にも費用が掛かる

お墓を予算内で購入できたら、それで一安心ではありません。購入後も定期的にかかってくる費用として、お墓の年間管理費が挙げられます。

お墓の管理費の平均金額は、1年あたり5,000円~2万円程度です。寺院墓地の場合、お布施や寄付金などが必要になるケースもあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

お墓の購入費用は所得控除の対象にならない

お墓の購入費用は、確定申告の時の所得控除の対象とはなりません。また、相続の際、葬儀費用は相続財産から控除することができますが、お墓の購入費用は相続財産の控除もできませんのでご注意ください。

まとめ

お墓の購入から完成までには、半年ほどの期間が必要で、さまざまなステップがあります。これからお墓を購入する場合には、墓石代・永代使用料がかかり、お墓を継続していくかぎり管理費がかかります。
それぞれのステップでのポイントや注意点、費用の相場を把握しながら、適切なお墓を建てましょう。

墓地・霊園の特徴をよく調べたうえで、子供や孫に負担がかからない墓を選んでいくことも大切な視点です。

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