オーロラは日本で見られる?歴史・仕組み・観測地まで徹底解説
今回はオーロラを見るための条件や時期、どこで見られるかといった情報をご紹介します。日本でも、特定の条件さえ揃うと2030年頃にオーロラを観測できます。見逃さないためにも、オーロラが観測できる可能性のある場所や観測条件などを確認していきましょう。

「人生で1度でもよいから、オーロラを見てみたい」
「海外まで行かずに、日本でオーロラは見られないの?」
などとオーロラ観測について疑問に思った方もいるのではないでしょうか。
じつは、日本でも条件さえそろえばオーロラ観測が可能です。今回はオーロラを見るための条件や時期、どこで見られるかといった情報をご紹介します。
国内で見られるオーロラは非常に貴重です。見逃さないためにも、まず日本で観測されたオーロラの歴史から確認していきましょう。
日本で記録されているオーロラの歴史

日本や中国では、昔から「赤気(せっき)」という名でオーロラが観測されています。
日本における一番古い赤気の記述は日本書紀にあり、年代でいうと620年頃。その後、鎌倉時代に藤原定家の日記である「明月記」で、京都で赤気を見たと書かれていることから、オーロラが再び確認されたとわかります。
また、1770年には、松前藩(北海道)から薩摩藩(鹿児島県)でオーロラを観測できたと、「星解」という書に記録されていました。さらに明治になり、「極光」という名を付けられて、日本各地で度々オーロラは目撃されています。
このように、昔は北海道のような高緯度の場所だけではなく、京都や鹿児島でもオーロラの観測ができることがありました。
現在より日本の磁気緯度が高かったため、本州でもオーロラを見ることができたと考えられています。しかし、2021年7月現在は日本でオーロラを観測するのは難しいです。ただし、特定の条件が整うことで北海道ならオーロラを観測できる可能性があるでしょう。
【参考】日本最古の天文記録は『日本書紀』に記された扇形オーロラだった│研究成果│国立極地研究所詳しくはこちら
【参考】江戸時代のオーロラ絵図と日記から明らかになった史上最大の磁気嵐│研究成果│国立極地研究所詳しくはこちら
【参考】【プレスリリース】日本最古の天文記録は、『日本書紀』に記された扇形オーロラだった | 新着情報 | 国立大学法人 総合研究大学院大学詳しくはこちら
知っておこう!オーロラの基本

オーロラとは、太陽からの風が地球の磁場に触れたあと、大気が反応して宇宙で発生する現象です。
地球の内側で起きる自然現象ではなく、電離圏と呼ばれる上空100kmから400kmで発生します。国際宇宙ステーションがあるところといえば、電離圏がかなり遠い場所と分かるはずです。
オーロラがどこで発生しているか分かったところで、その仕組みや見えやすい場所について確認しましょう。
【オーロラの仕組みに関する事柄】
・要素は3つ!オーロラ発生の仕組み
・いつも光っているオーロラ|オーロラオーバルとは
・オーロラの形状と色合い
要素は3つ!オーロラ発生の仕組み
オーロラの仕組みは、いまだ多くが解明されていません。
しかし、次の3つの要素が起こす反応でオーロラとなることは分かっています。
要素 | 説明 |
---|---|
太陽風 | 太陽フレアといった爆発現象によって、太陽から噴き出す100万度以上のプラズマの風 |
地球磁気圏 | 宇宙からやって来る有害な放射線から地球を守る強い磁場 |
大気 | 地球を包む空気 |
簡単にまとめると、次の3ステップでオーロラができます。
【オーロラが出来上がる3つのステップ】
1.太陽風が地磁気にぶつかり、地磁気が歪む
2.地磁気が歪むことで、大きな電気が発生する
3.発生した電気によって、大気中の酸素や窒素が発光する
この発光した現象が、オーロラです。じつは、目に見えないだけでオーロラはいつも地球の上で起こっています。しかし、大気中の酸素や窒素が発光していても、光が見えやすい場所でないと観測できません。
いつも光っているオーロラ|オーロラオーバルとは
オーロラを観測しやすい場所は、オーロラオーバルの下となります。オーロラオーバルとは、発生した電流が卵型の環状に集まる領域のことです。
電流によって大気中の酸素や窒素が発光することで、オーロラになることを考えると、オーロラオーバルは条件が揃った環境といえます。このオーロラオーバルは、地球の北と南それぞれにあって、ほぼ対称で広がったり縮んだりしています。
カナダや北欧といったオーロラで有名な地域は、オーロラオーバルに近い位置にあるためオーロラを見やすいのです。理論上、オーロラはいつも上空で発生していることから、オーロラオーバル下ならいつでも観測ができます。
しかし、私たちの想像する鮮やかなものでないほか、大きさや天候によって左右されることで肉眼では認識しづらいこともあります。
オーロラの形状と色合い
オーロラの形は、大きく分けて以下の5つとなります。
形状の名前 | オーロラの見え方 |
---|---|
アーク | 横に光が真っ直ぐ伸びる |
バンド | 横に光が波状に伸びる |
パッチ | 雲のように空の一部が光る |
レイ | 地上から上空に向けて光る |
ベール | 空全体が光る |
アークからバンドといったようにオーロラは常に変化するため、ずっと同じ形状ではありません。また、酸素や窒素が発光するときの色は、高さによって変わるため、赤・緑・紫・ピンクがあります。
たとえば、上空100kmくらいだと緑、さらに上空になると赤といったように変化するわけです。しかし、オーロラでよく見られる緑色は、なぜ緑に光るのかまだ解明されていません。
形状や色合いについては、今後も研究が続けられるはずですので続報を待ちましょう。
日本では低緯度オーロラを観測できる

日本では、低緯度オーロラを北海道で観測することができます。低緯度オーロラは、空が赤く染まるように光るのが特徴です。
日本のオーロラについて5つに分けて確認していきましょう。
【日本のオーロラに関する項目】
・空が赤く染まる低緯度オーロラ
・日本でオーロラが観測された場所をチェックしよう
・オーロラは過去に観測された場所で待とう
・日本でオーロラが見られる時期目安
・次は2030年前後!オーロラ観測に適した条件
空が赤く染まる低緯度オーロラ
オーロラオーバルは、磁気嵐が起こると低い緯度に下がり、日本でもオーロラを確認できることがあります。オーロラオーバルとは、発生した電流が卵型の環状に集まる領域のことでしたね。
このとき、通常と比べて低い緯度で見られることから、低緯度オーロラと呼ばれます。見た目にも違いがあり、よく知られているカーテン状のオーロラではなく、北の空が赤くなるといった様子です。
赤くなる理由は、オーロラの上部分である赤い光が地平線に見え、下部分の緑は地平線の下に隠れているためと考えられています。つまり低緯度オーロラは、オーロラの上部分だけが見えている状態です。
日本でオーロラが観測された場所をチェックしよう
日本では、1989年から1993年、2000年から2004年、2015年に低緯度オーロラが観測されています。
場所は、北海道の陸別、稚内、母子里といった高緯度の場所が主流でした。本州では、1958年に北海道だけでなく広島県や山口県でも目撃された事例もあります。
オーロラは、電流によって引き起こされるため、巨大な磁気嵐が起こったことで規模が拡大し、広島県など南の方でも見えたようです。そのため、相当な規模で再び磁気嵐が発生しない限りは、本州でオーロラを見ることは難しいでしょう。
オーロラは過去に観測された場所で待とう
では、「今、見たい」という人はどこに行けば良いのでしょうか。
過去にオーロラが見えた場所なら、可能性が高いです。もし挑戦するなら、2015年の観測に成功した北海道の陸別町をおすすめします。
なぜなら、銀河の森天文台というオーロラ研究も行われている施設があるからです。銀河の森天文台は、夜の時間も天文観測できる施設で、夜なら大人500円で利用できます。
ただし、オーロラを見るためにはタイミングが重要となります。太陽の動きが活発になり、磁気嵐が起こらないとオーロラオーバルから遠い日本では見えないためです。
オーロラを確実に見るためにも、2021年以降の観測の可能性を知っておきましょう。
【参考】銀河の森天文台詳しくはこちら
日本でオーロラが見られる時期目安
日本で観測されたオーロラは、太陽の11年周期に合わせて見えています。太陽の11年周期とは、太陽の活動が活発になる周期のことで、約11年ごとに活発になるタイミングが訪れます。
国立天文台によると、周期が数えられ始めてから2021年までで、太陽の周期は25回目です。2019年12月から新たな周期が始まっていて、2021年は2年目となります。太陽活動は11年目前後に活発になるため、ちょうど活動が終わって静まったところです。
このことから、2021年に日本でオーロラを見られる可能性はほぼないといえるでしょう。
【参考】国立天文台 太陽観測科学プロジェクト詳しくはこちら
次は2030年前後!オーロラ観測に適した条件
「じゃあ、いつなら日本で見えやすいの?」と考えた人も多いのではないでしょうか。2030年前後なら、日本でオーロラを期待できます。オーロラの発生は天候に左右されませんが、晴れていないと見えません。
また、過去のデータから9月~3月の21時以降が観測タイミングと考えられます。つまり、2021年以降の日本でオーロラを見たいなら、以下の条件を覚えておきましょう。
年 | 2030年前後 |
月 | 9月~3月 |
時間 | 21時以降 |
場所 | 過去にオーロラが観測されたことのある場所 |
天候 | 晴れ |
もし、2030年まで待てないなら、海外にオーロラを見にいくという選択肢も考えて見ましょう。オーロラで有名な国は、カナダ・アラスカ・フィンランドやアイスランドといった北欧諸国です。
また、中国でも見られる場所があります。
お金をかけてオーロラを見られる海外のスポットも巡ろう

お金をかけて、オーロラが見られる海外のスポットを巡るといった楽しみ方も1つの選択肢です。たとえば、中国の最北にある北極村では、オーロラを見られます。
2019年にオーロラや白夜を楽しめるテーマパークがオープンしていて、村を挙げて雄大な自然を観光資源にしています。日本からのツアーや中国の現地ツアーに参加すると、お得に北極村へ行きやすいです。
最後に、北極村ツアーを含め、オーロラツアーの相場を確認しましょう。
観測場所 | 旅行代の相場 |
---|---|
北極村 | 6万円~15万円程度(中国各都市発)※日本からのツアーはオーダーメイドとなるため、ガイドに要確認 |
カナダ | 20万円~50万円程度 |
アラスカ | 25万円~50万円程度 |
北欧諸国(スウェーデン・ノルウェー・フィンランド・アイスランド) | 20万円~50万円程度 |
ロシア | 20万円~30万円程度 |
ツアーの時期やプランによって値段に幅があり、安くても20万円以上が相場です。しかし、お金をかけることで、日本で見るよりも鮮やかではっきりしたオーロラを見ることができます。
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まとめ
日本でも、オーロラを観測できる可能性はあります。しかし、次にオーロラ観測を期待できるのは2030年前後です。
2030年前後であっても、低緯度の日本でオーロラの観測は立地的に不利となります。もし日本でオーロラを見ることができれば、非常に幸運です。オーロラを見たいなら、海外のオーロラツアーへの参加をおすすめします。
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