情報資産をリスクから分析!スマホを含め有形・無形に分類する簡単管理ガイド

情報資産とは、企業・組織が集めた「ヒト・モノ・カネ」に関する全ての情報を指します。情報資産は、価値が高いほどセキュリティ対策を講じて、漏えいのリスクを抑えなければなりません。本記事では、情報資産の定義や具体例、安全な管理方法やおすすめの管理サービスについて紹介します。

情報資産をリスクから分析!スマホを含め有形・無形に分類する簡単管理ガイド

「情報資産とはどのようなものだろう?」
「情報資産は資産運用のためにどうしたらよい?」

と気になりお調べですね。

情報資産とは、企業や組織が収集した「ヒト・モノ・カネ」に関する情報すべてのことです。お客様の情報や市場の情報、仕入先の情報など、適切に取り扱うことで正しい経営・運用ができます。

しかし、情報資産を単純に「お金」として考えると、情報漏えいといったリスクが少なからず出るものです。

そこでこの記事では、情報資産の定義から具体例、安全性に配慮した保管方法である情報銀行サービスまでご紹介します。

知識をつけて取り組みをスタートし、情報セキュリティを高めてリスクを低減していきましょう。

情報資産とは

情報資産とは

情報資産とは、企業や組織が収集した「ヒト・モノ・カネ」のすべてが詰まったデータです。また「ヒト・モノ・カネ」は企業を形成する基本要素であり、情報資産は第4の基本要素になります。

たとえば、パートナー企業や顧客とのやり取りで発生した履歴やログも、データとして残っているなら資産価値が生まれます。意識していなくても、いつの間にか資産価値のある「情報資産」が増えている可能性はあるわけです。

近年はITの技術も発展しており、情報資産とは別にIT資産とも呼ばれています。こうした動きを受け、情報資産の保存方法も柔軟に変化してきました。

【代表的な情報資産の保存方法】
・紙の書類
・クラウド
・USBメモリ
・SDカード
・パソコンのSSD・HDD

出典 

上記のように、さまざまな形態で情報資産を保存しています。しかし、IT技術の発展により、情報資産の管理も安全性に留意しながら対策しなければなりません。デジタル化された情報資産が、不正を働いている第三者によるサイバー攻撃や、内部からの情報漏えいといった形で会社の機密情報が漏れてしまうためです。

このように、情報資産とは価値が高く、漏えいすれば会社にとって大きな損害になることから慎重に取り扱うべきといえます。

情報資産の定義

IPAでは、資産として価値のある情報が情報資産の定義として位置付けられています。価値のある情報とは、顧客の個人情報や経営状況、新商品・サービスの開発情報などです。

情報資産は価値が高く、漏えいすることで会社にとって思わぬ大きな損失を与えることになります。反対に、同じ情報資産でも価値が高くない情報があります。

たとえば、一般の方にも公開しているような企業の所在地や電話番号、四季報等に載っている情報が当てはまるでしょう。このように定義を考えてみると、情報資産の価値を考えることで取り扱いにも大きな影響が現れることがわかります。

次は、情報資産を大きく大別する2つの種類をみていきましょう。

【参考】IPA|守るべき情報資産・情報リスクの考え方詳しくはこちら

有形資産と無形資産の2つに大別

有形資産と無形資産の2つに大別

情報資産は、以下の2つに大別できます。

【情報資産は大きく分けて2種類】
1.有形資産
2.無形資産

出典 

有形資産は、紙やハードディスクといった目にみえる形の資産です。

無形資産は、企業のブランドやイメージ、人間の知恵・知識などが該当します。

たとえば、特許や著作権といった知的資産や、従業員などの能力や技術などの人的資産が挙げられます。目にみえる形で保管されているデータが「有形」、それ以外を「無形」として考えるとよいでしょう。

次項から、よりイメージできるように有形資産と無形資産の例を挙げています。ぜひ、参考にして情報資産の整理を始めてください。

有形情報資産の具体例一覧

有形情報資産の具体例一覧

有形情報資産の具体例

種類 具体的な情報 保存先
顧客情報 顧客リストの管理している情報 紙・ハードディスク
製品技術情報 生産計画・設計図・仕様書・手順書が入っている情報 紙・ハードディスク
財務情報 企業や個人の経営状況をまとめている情報 紙・ハードディスク・ネットワーク機器
人事情報 個人情報を含んだ細かい情報 紙・ハードディスク
設備情報 企業が仕事で使っている設備をまとめた情報 ハードディスク・ネットワーク機器

有形情報資産には、顧客リストや経営状態、設備をまとめた情報などが当てはまります。

生産計画や設計図、仕様書などが漏れてしまうと大きなトラブルになることは容易に想像できますよね。こうした有形資産は、個人事業主から大企業に関わらず、少なくとも思い当たる方が多いでしょう。

では、無形情報資産はどのような種類があるのでしょうか。

無形情報資産の具体例一覧

無形情報資産の具体例一覧

無形情報資産の具体例

種類 具体的な情報 保存先
インフラ資産 企業ブランドやイメージ等の情報 ソフトウェア
人的資産 従業員のスキルや知識を含めた情報 ソフトウェア・人事部
知的資産 企業の特許や商標権がわかる情報 経済産業省
機密資産 企業で使っているシステムをまとめた情報 ソフトウェア
設備情報 企業が仕事で使っている設備をまとめた情報 ハードディスク・ネットワーク機器

無形情報資産には、ブランドやイメージ、スキルなどが含まれています。

スキルや特許、商標権がわかる情報も自社で保有していることがないため、無形資産に該当します。ただし、人的資産に該当する従業員のスキルや知識を紙といった媒体に保管しているなら、有形資産として扱われるため注意してください。

有形・無形のどちらも、形があるかどうかの違いだけで「資産価値」があることに変わりありません。次は、どうして価値として資産を見るべきなのか解説します。

単純にお金ではなく価値としてみる

単純にお金ではなく価値としてみる

情報資産は、単純に金額として換算することが難しいと思います。そこでお金としてみるのではなく「価値」としてとらえた場合にその情報に価値があるかどうかを考えてみましょう。

たとえば、現在わかっているだけの情報資産は秘密にしておくべきなのか、または無くなったら困るのかを想像してください。もし、この時点で漏えいに対して不安を感じたり、無くなることでビジネスが成り立たないなら「価値がある」ことになります。

どれだけビジネスにインパクトを与え、今後に影響するかを考えたときには、単純にお金ではなく価値として認識する大切さに気づけるはずです。では、情報資産の価値に気づけたところで、より具体的にあなたの持つ情報資産をリストアップしていきましょう。

【参考】IPA|守るべき情報資産・情報リスクの考え方詳しくはこちら

自分の情報資産を洗い出しする具体的なステップ

自分の情報資産を洗い出しする具体的なステップ

自分の情報資産を洗い出しする、具体的なステップは以下の4つです。

【情報資産を洗い出す4つのステップ】
1.思いつく限りの情報資産を列挙する
2.情報資産の場所を明確にして分類する
3.情報資産は誰が使っているのか・管理しているのか明確にする
4.脅威・リスクは何が予想されるか

出典 

自分自身に限らず、自らが触れられる会社の情報資産まで洗い出します。

そして、漏えいして困る情報と困らない情報をきっちり分けて管理して、自分自身や会社を守れるようになりましょう。

ステップ1.思いつく限りの情報資産を列挙する

まずは、思いつく限りの情報資産を紙などの好きな媒体にメモしていきましょう。そして、情報資産は紙の書類なのか、パソコンや電子データとして保存しているのかまで記載しておきます。

さらに、紙の書類ならどのように、どの場所に保管されているのかをリストにまとめておくと後で使うときに便利です。その他にも、パソコンや電子データはパスワードやログインIDをリストにまとめてください。

思いつかない方のために、個人及び企業で考えられる情報資産をまとめました。

【個人及び企業で該当しやすい情報資産の例】
・顧客の個人情報(購入履歴なども含める)
・商品の仕入れ先、サービスの販売元の情報
・個人・企業間で交わした契約情報
・社内の人間のメールアドレス
・企業の人事情報
・個人や企業で使用しているシステム情報
・企業ブランドなどの知的資産の情報
・商品・サービスに関する情報
・企業の経営状況がわかる財務情報

出典 

上記に列挙した情報資産を見つけたとき、価値があるのに意外とまとめられていないことに気づくでしょう。

このように、情報資産を見つけられたら「場所を明確にして整理」してください。

ステップ2.情報資産の場所を明確にして分類する

次に、情報資産の保存場所を明確にします。たとえば、会社で使っているコンピューターか、ノートパソコンか携帯電話(スマホ)なのかを調べます。

他にも、パソコン・携帯(スマートフォン、iPhone)・PDA・サーバー・USBメモリなどもあるはずです。情報によって保存している場所は違うので、わかりやすくリスト化しておきましょう。

どの情報がどこの媒体に入っているのかを確認しておかなければ、いざというときに情報が引き出せなくなります。そして、「見つけた情報資産の使い道はどこなのか」も合わせて明確にしておきます。

会社内なのか、取引先なのか、派遣先なのかといったように分類しましょう。どの場所で、そしてどの情報資産を扱っているのか明確にすると、情報が漏えいしたときに原因を追求しやすいです。

ステップ3.情報資産は誰が使っているのか・管理しているのか明確にする

情報資産は、誰が使っているのかを明確にすることも大切です。個人だけならよいですが、会社が保有する情報なら社員・パート、派遣先の社員、取引先など当てはまる項目が多くあります。

たとえば、情報資産がインターネット上に保管されている場合、仕事場に限らず無数のエリアから確認できます。セキュリティのことを考えると、本当に出てきた情報資産をどこで管理すべきなのか自然にわかるようになるはずです。

とくに、価値の高い情報資産が「外部の人間にアクセスされやすい環境」なら見直すべきです。情報資産を洗い出したときには、誰が使っていて、管理しているのは誰なのかまで明確にしておきましょう。

ステップ4.脅威・リスクは何が予想されるか

最後に、情報資産がどのような形で脅威に晒されるのかを予想します。なぜなら、情報資産は紙媒体に限らず、インターネットやクラウド上に保管されているなどリスクが以前よりも多岐に渡るためです。

以下のように、情報資産へアクセスできる手段はたくさんあります。

【代表的な情報資産のアクセス方法】
・第三者からの不正アクセスによる流出・漏えい
・コンピューターウイルスによってハッキング
・社内の人または知人が意図的に漏らす可能性

出典 

とくに、第三者のサイバー攻撃やウイルスを防ぐためにセキュリティ対策は重要です。お伝えした情報資産の洗い出しができたら、保護する方法まで考えて利用してください。

そして、今後も発展を続けていくために、安心・安全な情報の取り扱いができるようになりましょう。

情報資産の保護に情報銀行が将来的に浸透してくる見込み

情報資産の保護に情報銀行が将来的に浸透してくる見込み

従来、情報資産は各個人の意思に関係なく、さまざまな企業に収集・利用・販売されてきました。

そういった課題の解決に取り組む形で誕生したのが、三菱UFJ信託銀行の情報銀行サービス「Dprime」です。Dprimeでは、情報資産が勝手に収集・利用・販売されることはありません。

あなたの意思に基づいて、あなたがオファーを応諾した企業にだけ、情報資産が提供されます。また、個人を特定できない形で情報が提供されるため、安心して利用できるでしょう。

Dprimeでは、情報を提供するだけではなく、情報提供と引き換えに新しい体験やあなたに合ったサービスを受けることができます。

大切な情報資産を安全な方法で提供しつつ利活用する情報銀行に目を向けて、情報資産についてあらためて考えてみてはいかがでしょうか?

まとめ

情報資産は、お金と変わらない価値を持っています。情報の価値が高いほど、セキュリティ対策を徹底し、情報漏えいのリスクを低減する必要が出てくるでしょう。

従来、情報資産は各個人の意思に関係なく、企業によって利活用されていました。情報資産を安全に管理して、正しく活用するためにも情報銀行サービスを利用してみましょう。

情報資産の価値は高まる一方なので、個人個人が意識することが大切です。いま一度、情報資産の管理・活用について考えてみてはいかがでしょうか。

ご留意事項
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