信用スコアとは?メリットや上げ方を知って試してみよう!

年齢・性別・行動履歴・活動結果・決済情報などから個人を評価する「信用スコア」。この記事では、信用スコアとは何なのかや信用スコアの活用事例、メリット・デメリットを紹介します。信用スコアが活用されているサービス等を自身の生活に取り入れてみてください。

信用スコアとは?メリットや上げ方を知って試してみよう!

信用スコアとは、個人を年齢・行動履歴・活動結果・決済情報などあらゆる側面から評価するものです。信用スコアは、LINEやYahoo!、NTTドコモでも利用されており、日本でも広がりつつあることがわかります。

しかし、企業で取り入れられているとはいっても、個人レベルではまだあまり馴染みがなく、どういったものなのかイメージしにくいですよね。この記事では、信用スコアとは何なのか、日本の信用スコア活用事例やメリット・デメリットも含めてわかりやすくご紹介します。

信用スコアについての理解を深めて、信用スコアが利用されているサービス等を普段の生活にも取り入れてみてください。

【参考】総務省の令和2年版|スコアリングサービスの広がり詳しくはこちら

信用スコア・点数とは

信用スコア・点数とは

信用スコア・点数とは、「個人にひもづくさまざまなデータをもとにAIが個人の信用力を評価し、スコア(点数)化したもの」です。

「この人はこのくらい信用できる」という目に見えない信用力が、収集した情報に基づいて客観的に判断できます。消費者を格付けするようなイメージを避けるため、スコアリングサービスと呼ばれることもあります。

信用スコアに利用される個人に関するさまざまなデータの例は以下のとおりです。

【信用スコアに利用される個人に関するデータ例】
・年齢
・学歴
・職業
・財産
・家族構成
・ネット通販の利用履歴
・公共料金の支払い履歴
・キャッシュレス決済
・クレジットカードなどの決済実績

出典 

こうした情報は、信用スコアサービスを提供する企業が自ら保有するサービスや、提携企業を通じて収集されます。

自動的にデータが収集されるわけではなく、情報を提供する本人の同意が必要です。同意したデータに基づいて、数値や目に見えるグラフなどでスコア化したものを「信用スコア」と呼びます。

【参考】総務省 個人信用スコアの社会的意義|慶應義塾大学寄稿論文詳しくはこちら

日本の信用スコアはこれから

日本ではあまり耳にしない信用スコアですが、すでに中国やアメリカで企業による活用が進んでいます。

たとえば、芝麻信用(Zhima Credit)という信用スコアを使ったサービスがあります。中国のアリババグループ金融関連会社であるアントフィナンシャル社が、信用力を数値化して提供している信用スコアサービスです。

芝麻信用(Zhima Credit)が信用評価のために利用しているデータの代表例は、以下のとおりです。

【芝麻信用(Zhima Credit)が信用評価のために利用しているデータの代表例】
・学歴
・職業
・資産
・交友関係
・消費の特徴
・キャッシュレス決済
・クレジットカードの決済履歴

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こうして導き出された信用スコアは、以下のようなサービスに使われています。

【信用スコアが使われるサービス例】
・金融ローンの金利優遇や審査期間短縮
・ホテルやシェアサイクルのデポジットを免除
・敷金の支払い免除
・傘の無料レンタル
・出国手続きの簡素化

出典 

中国では、2015年1月から例に挙げたように信用スコアの導入がスタートしています。

日本ではまだ広く認知されていないため、耳にしたことがないという人もいるはずです。その背景として、信用スコアを使った有名なサービスがそれほど普及していないことや、キャッシュレス決済の導入が他の先進国より遅れていることが挙げられます。

しかし、これからは日本でもキャッシュレス決済の導入が急速に進んでいきます。また、一部の国内企業は、すでに信用スコアを使ったサービスを始めつつある状況です。

次は、日本で実際に使われている日本の信用スコアをみていきましょう。

【参考】総務省|令和2年版 情報通信白書|スコアリングサービスの広がり詳しくこちら

実際に使われている日本の信用スコア活用事例

実際に使われている日本の信用スコア活用事例

先ほど、日本でも信用スコアの活用が始まっていることをお伝えしました。

これから紹介する活用事例をみてみると、馴染みのある身近な企業でも信用スコアが使われていることがわかります。

【信用スコアの活用事例】
・メルカリ/メルペイの後払いサービス
・LINE Scoreのキャンペーン通知
・NTTドコモの個人ローン情報

出典 

それぞれ、参考にしてみてください。

後払いサービス|メルカリ/メルペイ

1つ目の活用事例が、メルカリの子会社でキャッシュレス決済サービスを展開するメルペイです。信用スコアは、「後払いサービス」と呼ばれる、支払金額を翌月にまとめて支払えるサービスに使われています。

メルペイの後払いサービスの概要を、下記にまとめました。

【メルペイの後払いサービスの概要】
・メルカリ、全国のメルペイ加盟店でのお支払いを翌月にまとめて支払える
・後払いできる金額の上限は1ヶ月あたり20万円
・利用は18歳から
・後払い金額の精算方法はさまざま(口座引落、コンビニ・売上金・ポイント支払いなど)

出典 

こうしたメルペイの後払いサービスには、信用スコアを算出するためのデータとして、フリマアプリメルカリにおける利用実績が使われています。具体的には下記のとおりです。

【使われる利用実績の例】
・購入者へのお問い合わせ対応
・商品発送
・商品の質

出典 

メルペイが定めた独自の算出方法を用いて個人の信用スコアをつけていることから、利用者には自分の数値がいくつなのかは分かりません。メルペイは、このような信用スコアを用いたさまざまなサービスを、今後も展開していくことを表明しています。

メルカリのような「フリマアプリ」は、素性の分からない出品者と購入者がやりとりするサービスです。取引する相手が信用できるかどうか個人で判断するのは難しいでしょう。

そこで、信用スコアを使って信用力を客観的に表示すれば、出品者や購入者の不安を軽減する1つの基準になるというわけです。

【参考】メルペイ - メルカリアプリでかんたんスマホ決済・QRコード決済詳しくはこちら

キャンペーン通知|LINE Score

2つ目の活用事例が、LINE Creditが提供する「LINE Scoreのキャンペーン通知」です。信用スコアは、登録されている個人のデータを収集して算出されます。

LINE Scoreとは、登録情報されたライフスタイルにあったキャンペーンや特典を受けられるサービスです。キャンペーン・特典などの代表例は下記のとおりです。

【LINE Scoreのキャンペーンや特典の代表例】
・お得な割引クーポン
・洋服やアクセサリーなどの無料レンタルサービス
・試写会チケットプレゼント
・スコアが一定を超えるとLINE Payで最大5%の還元
・スコアが高いほどLINE Pocket Moneyにて有利な条件での借入れが可能

出典 

LINE Scoreのサービスでは、100~1,000点の間で点数を付与することで信用スコアとし、自分が何点なのか確かめることも可能です。信用スコア算出のデータとして使われているのは、下記のとおりです。

【信用スコア算出のデータの例】
・LINEサービスの利用状況(通話・チャット内容は含まれない)
・ライフスタイルに関する15の質問(家族構成、年収、職業情報など)に対する回答

出典 

例えば、本人確認やLINE Pay・LINE家計簿を利用すると、入力されたデータによってスコアが日々変化します。

ちなみに、登録してすぐに入力したスコアが使われることはありません。本人がLINE Scoreに関する利用規約やプライバシーポリシーに同意することで、入力されたデータから信用スコアの算出が行われて適用されます。

【参考】LINEスコア/LINEポケットマネー 公式ブログ詳しくはこちら

個人ローン情報|NTTドコモ

3つ目の活用事例は、NTTドコモが提供する「ドコモスコアリングの個人ローン情報」による信用スコアです。

ドコモスコアリングとは、ドコモが自動的に算出した信用スコアを金融機関の審査に活用できる仕組みです。スコアリングサービスは、ドコモ回線を契約して使っている人だけが利用できます。

ドコモスコアリングでは、信用スコアを算出するためにドコモが展開している各種サービスの利用状況などがデータとして使われます。金融機関は、この信用スコアを1つの参考指標として利用し、その他の情報と合わせて審査することで、ユーザーに合った適切な金利や融資金額を設定できる仕組みです。

また、ドコモスコアリングは本人の同意があった場合に限り活用されますので、入力したデータは同意がない場合は信用スコアの算出に使用されません。

こうしたドコモスコアリングは、ドコモが金融機関向けに開始した「ドコモレンディングプラットホーム」の施策のうちの1つとなっています。

ドコモレンディングプラットホームとは、金融機関がドコモ回線を利用するユーザーに向けた新たな融資サービスを提供する仕組みのことです。ドコモスコアリングのほかには、レンディングマネージャーというスマートフォンアプリが提供されています。

【参考】報道発表資料 : (お知らせ)金融機関向けに「ドコモ レンディングプラットフォーム」の提供を開始 | お知らせ | NTTドコモ詳しくはこちら

信用スコアは融資の際にも重要な指針となる

信用スコアは融資の際にも重要な指針となる

信用スコアを利用することメリットとしては、融資を受ける際にも重要な指針となることが挙げられます。

例えば、スマホで申し込みから入金まで完結できる個人向けの融資サービスに、「LINEポケットマネー」があります。従来の信用情報や金融機関による与信審査と、 LINEの利用パターンやデータから算出した独自の信用スコア「LINEスコア」によって利用可能額を決定するといった流れです。

信用スコアが取り入れられると、これまで与信審査だけではお金が借りられなかった方でも融資を受けられる可能性があります。現在、一般に信用が低いとされる個人事業主や非正規労働者でも、信用力が高く算出されるケースがあるためです。

あくまで1つの例ですが、信用スコアは自身の信用力の証明になる大切な情報です。テレワークの急速な広まりから定着しつつある個人事業主や非正規労働者でも、お金が借りやすくなるかもしれません。

【参考】芝麻信用など信用スコアサービスと情報銀行・プラットフォーム企業動向の考察詳しくはこちら

信用スコアを活用するその他のメリット

信用スコアを活用するその他のメリット

続いては、信用スコアを活用するメリットを確認しましょう。そもそも、「なぜ信用スコアを算出するのかという点」も意識しながら確認してみてください。

【信用スコアを活用するメリット】
1.個人消費者のメリット
2.企業側のメリット

出典 

個人消費者と、企業側でメリットに違いがあるため、それぞれわかりやすく説明します。

個人消費者のメリット

個人消費者にとってのメリットとしては、主に下記の3つが挙げられます。

【個人消費者のメリット】
・優遇措置が受けやすくなる
・既存の与信審査よりも信用度が上がる可能性がある

出典 

優遇措置として、融資が特別金利で受けられたり、転職や婚活マッチングサービスで希望が通りやすくなったりするなどが行われます。また、シェアリングシステムを使う際に、デポジットが免除されることもあるでしょう。このように、信用スコアが高いほど、規定の基準を満たしやすく、用意された優遇措置を受けやすくなるわけです。

個人の信用度に客観性が出るのは、信用スコアの多くがAIが算出することで一定の基準で平等に数値が算出されて評価されるためです。信用スコアの信用度は、個人の印象や経歴から個人の感覚や心情に判断される信用度とは異なります。そのため、評価される側も公平性を感じやすいといえます。

また、信用スコアという新しい指針を設けることで、これまでの基準では信用度が低いと判断されていた個人を広い視野で評価できます。そのため、フリーランスや若者、外国人、低所得者などの信用度を公平に測れるようになり、いままでよりも融資を受けやすくなるといったことが期待できるでしょう。

企業側のメリット

続いて、企業側のメリットは下記のとおりです。

【企業側のメリット】
・個人の信用度の判断基準となる
・適切なサービスを提供できる
・利用者のマナーが上がる

出典 

信用スコアは、これまでよりも幅広い視点を持てることで個人の信用度の判断基準となり得ます。これまで顧客を判断する基準を持っていなかった企業も、他のデータに基づいて信用度を測っていた企業も、AIが出す客観的な数値で信用度を推し量ることができるようになるわけです。

また、個人の信用スコアに合わせたサービスを提供できるため、顧客に対して「何を求めて、何が不要なのか」をより深めた適切なサービスを提供できます。

さらに、適切な信用スコアを維持したいという個人の行動が、結果として信用スコアの数値として現れるため、顧客マナーの向上にも期待できるでしょう。例えば、信用スコアが低いと利用できるサービスが制限されるなら、利用者が正しい行動をとるようになるといった可能性は高いといえます。

信用スコアのデメリット・問題点

信用スコアのデメリット・問題点

最後に、信用スコアのデメリット・問題点は以下のとおりです。

【信用スコアのデメリット・問題点】
・信用スコアが正しいとは限らない
・流出の可能性はゼロではない
・信用スコアの上げ方は明確ではない

出典 

それぞれのリスクを知って、安心して利用しましょう。

信用スコアが正しいとは限らない

信用スコアは、AIによって客観的に数値化されたスコアですが、必ずしも正しい結果が出るとは限りません。なぜなら、数字で評価ができない行動データは加味できないからです。

例えば、人格は個人の信用度を評価するのに必要な要素ですが、取引実績やデータからは「どのような気持ちや態度で取引したか」までは詳しく判断できません。あなたの人柄や思いやりの気持ち、配慮など、数値化できない項目を考慮しない状態でスコアが算出されてしまうわけです。

そのため、信用スコアだけですべてを決定できるほど、全面的に信頼できるとは言い切れません。逆に、スコアが高いからといってその個人が信用できるとは限らないため、1つの判断基準として活用しましょう。

流出の可能性はゼロではない

どれだけセキュリティを万全にしていたとしても、信用スコアで集められたデータは「有人的なミス」や「故意の漏洩」によって流出してしまう可能性が捨てきれません。

名前・性別・年齢などの個人を特定する情報の流出により、あなたの生活に悪影響を及ぼす実害のあるトラブルが起きる可能性があるわけです。また、利用履歴・決済内容などの情報漏えいで金銭のトラブルに発展することもあるかもしれません。

こうした信用スコアを算出するための情報は、個人のデータに基づいて算出されています。そのため、個人のデータを慎重に取り扱う必要性があり、利用する企業や個人は適切な方法で管理を求められることになるでしょう。

信用スコアの上げ方は明確ではない

信用スコアは企業によって算出されるため、その判定基準は各企業の決定に委ねられています。

そのため、信用スコアの上げ方に「明確な指針や一定の基準」は存在しません。また、定められた基準によっては、どれだけ評価が高くなるであろう試みを行なったとしても、意図しないスコアが算出される可能性もあります。

このような背景から、信用スコアの上げ方は明確ではなく、企業や導入されているAIによって基準が異なる点にも留意しておきましょう。信用スコアを上げたいからと方法を模索しても、必ずしも当たるとは限らないと考えて動くとよいですね。

まとめ

個人の信用度を信用スコアという数値として算出することで、フリーランスや個人事業主でも融資が受けやすくなるなどのメリットが得られます。また、企業にとっては、該当する個人の人柄などを判断する指針となるでしょう。

新たなサービスが生まれたり、個人が受けられるサービスが増えたりするなど、多方面で使われることが予想されます。

ですが、信用スコアの普及が進んでいるように、現在、個人データの重要性が高まっています。このような重要度の高い個人データ(パーソナルデータ)を預かることが、情報銀行サービスの役割です。情報銀行では、このパーソナルデータを厳格に取り扱います。

例えば、情報銀行サービス「Dprime」では、パーソナルデータを管理するだけでなく、パーソナルデータを活かして、あなたに合ったサービスを受けることが可能です。Dprimeであなたの大切なデータを守りながら、お得にサービスを体験してみませんか?

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